テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ARTにLOVE!

2012-01-12 23:26:15 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今朝方のことです、窓の外で不審な物音が……!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うぬぬッ! なにやつゥ!」
「がるる!ぐるるがるるー!」(←訳:虎です!出会え出会えー!)

 がらっ!
 と意を決して窓を開け放つと……あら?
 水鳥?
 ははあ、近くの川から飛んできた鴨さんでしたか!
 
「ふァ~、びッくりィだッたでスゥ!」
「ぐるがるるるがるる!」(←訳:ああ驚いちゃった!)

 ビックリの種って、そこらじゅうに転がっているようですね。
 本日の読書タイムでは、
 おカタいアート好きさんはびっくり!な一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
             ―― 乙女の美術史 世界編 ――


 
 著者は堀江宏樹さん、滝乃みわこさん、2011年11月に発行されました。
 ……え? 乙女って何?
 この御本は乙女を自認する女子しか読んじゃいけないの?!?
 とお悩みの活字マニアさん!
 それは……考え過ぎ、ってものです。

「ふァ~、あんしんッしたでスゥ!」
「がるぐるるがるぐる!」(←訳:クマやトラが読んでもいいんだね!)

 ええ、もちろん!
 乙女であってもなくても、ぜーんぜん問題ありません。
 著者の堀江さん&滝乃さんは、
 本文冒頭の『はじめに』でこう記していますよ。

 《一度読んだだけで頭に残り、すぐに美術館に行きたくなる本を目指しました》

 そうです、
 御本の巻頭の、
 カラー口絵コーナーが『乙女の美術館』と題されていたって、
 ビビる必要はないんです。
 感性柔軟な乙女の視点、
 おおいにけっこうじゃありませんか♪

「ぐるるーがるがるがるる?」(←訳:第一章は古代と中世ー?)
「ふむふむゥ、
 とばしてまスねッ!」

 一冊で世界史を俯瞰しちゃおうというのですから、
 展開は速うございます。

 第一章の『古代・中世』では、
 エジプトの胸像、
 ローマの彫刻、
 イスラム教美術、
 十字軍のドロ沼とビザンティン美術に
 スポットライトが当てられています。

 第二章の『近世』では、
 待ってました!のルネッサンスから、
 ルネサンス後のバロックや
 フランス革命の頃のロココ絵画を。

 第三章の『近現代』は、
 ゴヤさんの時代、
 ラファエロ前派、
 印象派、エコール・ド・パリ、
 ロダンさんの彫刻、
 ミュシャさんの印刷芸術……と
 バラエティに富んだ構成ですね。

「ゆうめいがかさんッ、おおぜいィとうじょうッ!」
「がるるがるるがるぐるる~!」(←訳:教科書に出てくるヒトばっかり~!)

 出来るだけ多くの画家さん彫刻家さんを取り上げたい、
 平等に扱いたい、
 と著者さんたちが心掛けてはいても、
 なんとなく、
 解説に熱がこもってしまうアーティストさんの章があるのは、
 読んでいて微笑ましく感じられます。

 マッチョ大好き!ミケランジェロさん。
 やさしさのひと、ベラスケスさん。
 恋多き?フェルメールさん。
 破滅型にして武闘派カラヴァッジョさん。
 復讐者ジェンティレスキさん。
 選ばれない女カミーユ・クローデルさん。
 すべてが悪循環するエゴン・シーレさん。
 妻ラブ?なダリさん。

「きりくちィ、ざんしんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:大胆な分析!)

 POPな語り口、
 笑いを誘う【番外読み物】、
 スポーツ新聞風の『週刊歴女』のページなど、
 遊んでいるように見えて、
 その実は
 最新の研究や学術論文、
 科学的な分析結果を基点にした美術論は
 楽しくもためになる怪作、いえ、快作です!
 
 アート好きさん、
 そして、
 学校の四角四面な美術の授業が好きになれなかった御方、
 ぜひとも、一読を!

「ゆにーくゥ、でス!」
「がるるぐるがるるるぐるるる!」(←訳:でもARTへのLOVEがある!)

 次回は姉妹作『乙女の美術史 日本編』を御紹介いたします。
 お楽しみに~!
 
 

 

 

 
コメント
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