テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ヴェールの彼方に、偉人たちが ―

2012-01-17 23:38:59 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日1月17日は、阪神大震災より17年……
 関東ではお昼過ぎに地震があり、
 哀しい暗合にいっそう心が痛みました。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なまずさんッ、もうあばれないでくださいッ!」
「がるる!ぐるぐるがるがるー!」(←訳:虎です!お鎮まりあれー!)

 震災後は、
 歴史書や地層・地形に残された地震災害痕跡の再調査が進んでいるようですが、
 では、本日の読書タイムも歴史関連の御本を!
 こちらを、どうぞ~!

  


 
           ―― 危険な世界史 運命の女篇 ――


 
 著者は中野京子さん、2011年10月に発行されました。
 大ヒットとなった『怖い絵』シリーズ、
 そして、やっぱり大好評なのが、こちらの『危険な世界史』シリーズです!

「ひょうしはァ~、えりざべーとォこうひさまッ♪」
「ぐるがるるがるがるる~!」(←訳:もう憶えちゃったよね~!)

 この御本は、著者・中野さんが
 朝日新聞公式ブログ『ベルばらKidsプラザ』に寄稿した
 『世界史レッスン』と『世界史レッスン《映画篇》』をもとに構成されたものです。

「えいがッ??」
「がるるがるぐる~?」(←訳:絵画じゃなくて~?)

 ええ、映画です。
 ムーヴィーで、シネマで、フィルムです♪
 
 第一章『騒がしい時代』は美術評論、
 それが、
 第二章『映画が騙る世界史』に突入すると、
 中野さんの筆は明らかに映画評論家に変身変容いたします!

「むむゥ!
 でもォ、なぜェ、えいがッ?」
「がるぐるるるぐるがるる~?」(←訳:なぜ美術じゃなくて映画なの~?)

 《歴史》は、
 映画製作者さんたちにとってはネタの宝庫なのですよ。
 そこには、偉大な王さまがいて、
 美男美女もいて、勇敢な英雄がいて、
 悲劇の将軍や王子さまもいる……
 逆説的に言えば、
 “まるで映画の主人公になるために生まれてきたような人たち”。

 著者・中野さんは、ドラマの主役となった偉人たちを、
 現代の視点から、
 彼らが存在した当時の視点からも、
 冷静かつ公平に眺めます。

 ルキノ・ヴィスコンティさんの『ルートヴィヒ 神々の黄昏』で描かれた、
 皇妃エリザベートと
 従弟のルートヴィヒ二世。

 トリュフォーさんの『アデルの恋の物語』のモデルとなったのは、
 文豪ヴィクトル・ユゴーさんの次女アデルさんの生涯。

 ケン・ラッセルさんの『恋人たちの曲/悲愴』は
 音楽家チャイコフスキーさんと
 富豪の後援者・メック夫人の“すれ違い”の悲劇……

「みんなァ、れきしじょうのォ、ゆうめいじんッでスねッ!」
「がるるぐるがるるーるぐる!」(←訳:イザベル・アジャーニさんきれい!)

 そして中野さん、
 『怖い絵』で日本画に踏み込むことはありませんでしたが、
 この御本では日本映画を取り上げてくださいましたよ!

「えェッ? にほんのォ??」
「がるる~ぐるがるる?」(←訳:どんな映画だろう~?)
 
 三池崇史さんの『十三人の刺客』で
 観る者の憎しみの的となった
 冷酷にして残忍無比、狂気のお殿さまは……実在していた!
 史実によれば、
 その振る舞いたるや、
 凶行というしかありません……!

 増村保造さんの『華岡青洲の妻』では、
 妻の心を動きを
 ひっそりと、
 しかし説得力をもって推し量ります。
 麻酔の実験台となった女性たちの、ほんとうの想い、とは……?

「うわわァ~、にほんえいがァもォ、すごいッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:凄くで怖くて!)

 ひんやりした怖さだけでなく、
 ときにはほっこりと温かく、
 また、ヒースの野のように荒々しく、美しく。

 歴史を愛する活字好きさん、
 スペクタクル映画も恋愛映画も歴史書も大好き!な御方、
 『怖い絵』ファンの方々に
 おすすめの一冊です!
 
 
コメント
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