こんにちは、ネーさです。
1月最後の日曜日は……厳寒激寒の北風が吹きまくりましたね~!
「こんにちわッ、テディちゃでス!
たいようさんッ、もうちょッとォ、がんばッてくださいィッ!」
「ぐるるー!ぐるるがるがるがるー!」(←訳:虎ですー!お散歩にも行けないねー!)
では、暖房器具から程よい位置に陣取って、
始めましょう、読書タ~イム!
本日は、こちらを、どうぞ~!
―― サラの鍵 ――
著者はタチアナ・ド・ロネさん、原著は2006年に、日本語版は2010年5月に発行されました。
英原題は『Sarah’s Key』、
ロネさんはフランス在住の作家さんですが、
原著はフランス語ではなく英語で著述されています。
先頃、この御本を原作とした映画も公開されましたね。
「ふむふむッ、ふらんすのォ、おはなしィ、でスねッ?」
「ぐるぐるるがるるるるがる!」(←訳:何かミステリアスな匂いがする!)
主人公ジュリアさんは、“パリのアメリカ人”さん。
滞仏生活は長く、フランス人の夫と、
可愛い娘さんもいます。
お仕事は、アメリカの週刊誌のライターで……と、
《悲劇》や《波乱》とは無縁の生活。
ですが、あるとき。
ジュリアさんは知ります。
改装作業を進めようとしている夫の一族所有のアパートに、
長く封じられていた秘密を。
「ひみつゥ……??」
「がるぐるる?」(←訳:パリの秘密?)
それは1942年、7月のこと。
ナチス占領下のパリの街を
何台ものバスが走っていました。
バスに乗せられているのはパリに住む
およそ13000人ものユダヤ人さんたち――
『ヴェロドローム・ディヴェール(冬季自転車競技場)』、
または『ヴェルディヴ』と略称されるこの一斉検挙によって
連れ去られた人たちの多くは、
アウシュヴィッツに送り込まれたといいます。
走るバスの中には、少女もいました。
彼女――サラは、
掌に鍵を握り、
ついさっき交わしたばかりの約束を思い出します。
連行される寸前、
彼女はアパートの納戸に
弟のミシェルを隠したのでした。
《あとでもどってきて、出してあげるからね。絶対に》
そう約束して、
納戸に鍵をかけ……
けれど走るバスは、刻々と我が家から遠ざかってゆきます。
遠くへ、遠くへ、もっと遠くへ……。
「ばすよッ、とまれッ!」
「がるるぐるぐるるがる!」(←訳:戻らなくちゃパリへ!)
少女サラの存在を知って、
ジュリアさんは平静でいられなくなります。
サラが握りしめる、鍵。
少女は納戸の鍵を開け、弟を救い出すことができたのだろうか……
私は知りたい。
いいえ、知らなければならない――
時間と空間を超えて、
少女サラとジュリアを結ぶ糸が
手繰り寄せる事実、
封印を解かれた扉の向こうに見出される風景とは……?
読むうち、
Mr.childrenさんの楽曲『終わりなき旅』が脳裏に鳴り響くようなこの御本は、
フィクションではありますが、
実際に起こった出来事を下敷きにしています。
また、
大戦下のパリで
どのような悲劇がユダヤ人さんたちを襲い、
ごく普通の人びとに癒やし難い傷を与えたのか、
より理解したい御方には
萩尾望都さんの作品『エッグ・スタンド』が参考になるでしょうか。
『真っ暗闇の時代』と
登場人物のひとりが呼ぶ、
ヒトにヒトのこころを手放させてしまう
《戦争》という怪物がもたらすものがたり――
「いちどォ、よんだらァ、わすれられないィ!」
「あるぐるるるっぐるぐる!」(←訳:読み始めたら、止められない!)
すべての活字マニアさんに、おすすめです!
1月最後の日曜日は……厳寒激寒の北風が吹きまくりましたね~!
「こんにちわッ、テディちゃでス!
たいようさんッ、もうちょッとォ、がんばッてくださいィッ!」
「ぐるるー!ぐるるがるがるがるー!」(←訳:虎ですー!お散歩にも行けないねー!)
では、暖房器具から程よい位置に陣取って、
始めましょう、読書タ~イム!
本日は、こちらを、どうぞ~!
―― サラの鍵 ――
著者はタチアナ・ド・ロネさん、原著は2006年に、日本語版は2010年5月に発行されました。
英原題は『Sarah’s Key』、
ロネさんはフランス在住の作家さんですが、
原著はフランス語ではなく英語で著述されています。
先頃、この御本を原作とした映画も公開されましたね。
「ふむふむッ、ふらんすのォ、おはなしィ、でスねッ?」
「ぐるぐるるがるるるるがる!」(←訳:何かミステリアスな匂いがする!)
主人公ジュリアさんは、“パリのアメリカ人”さん。
滞仏生活は長く、フランス人の夫と、
可愛い娘さんもいます。
お仕事は、アメリカの週刊誌のライターで……と、
《悲劇》や《波乱》とは無縁の生活。
ですが、あるとき。
ジュリアさんは知ります。
改装作業を進めようとしている夫の一族所有のアパートに、
長く封じられていた秘密を。
「ひみつゥ……??」
「がるぐるる?」(←訳:パリの秘密?)
それは1942年、7月のこと。
ナチス占領下のパリの街を
何台ものバスが走っていました。
バスに乗せられているのはパリに住む
およそ13000人ものユダヤ人さんたち――
『ヴェロドローム・ディヴェール(冬季自転車競技場)』、
または『ヴェルディヴ』と略称されるこの一斉検挙によって
連れ去られた人たちの多くは、
アウシュヴィッツに送り込まれたといいます。
走るバスの中には、少女もいました。
彼女――サラは、
掌に鍵を握り、
ついさっき交わしたばかりの約束を思い出します。
連行される寸前、
彼女はアパートの納戸に
弟のミシェルを隠したのでした。
《あとでもどってきて、出してあげるからね。絶対に》
そう約束して、
納戸に鍵をかけ……
けれど走るバスは、刻々と我が家から遠ざかってゆきます。
遠くへ、遠くへ、もっと遠くへ……。
「ばすよッ、とまれッ!」
「がるるぐるぐるるがる!」(←訳:戻らなくちゃパリへ!)
少女サラの存在を知って、
ジュリアさんは平静でいられなくなります。
サラが握りしめる、鍵。
少女は納戸の鍵を開け、弟を救い出すことができたのだろうか……
私は知りたい。
いいえ、知らなければならない――
時間と空間を超えて、
少女サラとジュリアを結ぶ糸が
手繰り寄せる事実、
封印を解かれた扉の向こうに見出される風景とは……?
読むうち、
Mr.childrenさんの楽曲『終わりなき旅』が脳裏に鳴り響くようなこの御本は、
フィクションではありますが、
実際に起こった出来事を下敷きにしています。
また、
大戦下のパリで
どのような悲劇がユダヤ人さんたちを襲い、
ごく普通の人びとに癒やし難い傷を与えたのか、
より理解したい御方には
萩尾望都さんの作品『エッグ・スタンド』が参考になるでしょうか。
『真っ暗闇の時代』と
登場人物のひとりが呼ぶ、
ヒトにヒトのこころを手放させてしまう
《戦争》という怪物がもたらすものがたり――
「いちどォ、よんだらァ、わすれられないィ!」
「あるぐるるるっぐるぐる!」(←訳:読み始めたら、止められない!)
すべての活字マニアさんに、おすすめです!