テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

南の島で見る夢は。

2012-01-16 23:24:47 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 祝!2012ロードレースシーズン開幕!
 自転車競技ファンにとっては嬉しい季節の到来ですよ~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……こんなにィ、さむいィのにッ、じてんしゃッ??」
「がるーる!ぐるぐるるがるー!」(←訳:虎でーす!タイヤも凍りそうー!)

 御安心めされ♪
 南半球は、いまが夏!
 オーストラリアを舞台に行われる『ツアー・ダウンアンダー2012クラシック』が
 今年のプロツアー初戦なのです。
 強豪チーム『サクソバンク』所属の日本人選手・宮澤崇史さんの活躍に期待だわ!
 さあ、そこで!
 本日の読書タイムは、
 ロードレースをテーマにした作品の数々で知られる、
 こちらの作家さんの新作を御紹介いたしましょう~!

  


 
              ―― ホテル・ピーベリー ――


 
 著者は近藤史恵さん、2011年11月に発行されました。
 『HOTEL PEABERRY』と英題名が付されています。
 ロードレースに題材をとった近藤さんの作品『サクリファイス』『エデン』『サヴァイヴ』とは異なり、
 この御本に自転車は出てまいりませんが……

「ではァ、しゅじんこうさんはッ?」
「がるる?」(←訳:背景は?)

 そこは、日本ではないけれど、
 日本の文化が感じられなくもないところ。
 日本人を見かけたり、
 日本語を耳にすることもあります。

 常夏の島、
 というイメージが強いその地は――

 ハワイ。

「わはッ♪ はわいィ~♪」
「がるる~ぐるる~!」(←訳:アロハ~マハロ~!)

 ブーゲンビリア咲き、
 虹かかる青空と、
 火山、フラ、サーフィン、ホエールウォッチング、パラセール、
 免税ショッピング!
 ……いえいえ、そうじゃありません。

 この御本に出てくるハワイは、
 観光カラーに染まったホノルルを中心とするハワイではないのです。

 ホノルルが在るオアフ島から、
 飛行機で一時間。
 ハワイ島の空港に降り立ったのは、
 木崎淳平(きざき・じゅんぺい)くん。

「さいとしーいんぐゥッ?」
「がるるるぐる!」(←訳:ハイ観光です!)

 木崎くん、観光客さんではあるのですが……
 どうも様子がヘンです。
 もし女性だったら、
 センチメンタルジャーニーとでも評されそうな風情、ですねえ?

「せッかくのォ、はわいィ~なんでスからァ~!」
「ぐるるるぐるがるー!」(←訳:もっと楽しもうよー!)
  
 ホテル・ピーベリー――
 旅行好きの友人から教えられ、
 木崎くんが予約したホテルも、
 どこか様子がヘンです。
 日本人経営の小さなホテルで、日本語は通じるし、
 部屋は綺麗で、食事は美味しい。
 ただ、奇妙なルールがある……。

 リピーターはなし。
 つまり、
 ホテルに滞在できるのは、
 初めてここに泊まるお客さんだけ。
 どれほどここが気に入ったとしても、
 二度目はない――

「ふぁうゥ~???」
「がるがるぐる!」(←訳:たしかに奇妙!)

 ホテルの意図は、どこにあるのでしょう?
 お客さんたちもまた、
 それぞれに何か隠しているような?
 秘密を抱えているような……?

「こッ、こわくゥなッてきたでス!」
「がるーぐるるっ」(←訳:ホラーですかっ)

 南の島、
 奇妙なホテルと、
 クセのありそうな滞在客たち、
 そして事件が????!
 と聞いて、活字マニアさんは
 景山民夫さん著『ボルネオホテル』を思い浮かべるかもしれません。
 
 『ボルネオホテル』は、歴としたホラー作品ですが、
 こちらの『ホテル・ピーベリー』は……
 ホラーストーリーではないようですけれども、
 怪しく、穏やかならぬ空気が、そこかしこに……?!?

「はわいィなのにッ、ひんやり~ッ?」
「ぐるがるぐるがるっ!」(←訳:ドキドキするようっ!)

 異国で見るほの昏い夢、
 活字マニアの皆さまも、束の間、その夢の一場を体感されたし~!
 
 
コメント
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