テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

誰よりも怪獣を愛す。

2012-01-20 23:24:49 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 雪の予報が出ていた今日の東京地域、
 結局、殆ど積雪はなかったようですが……
 さっむ~い~っ!!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すとーぶのォそばッ、はなれたくないィでス!」
「がるるー!ぐるがるるがるるるぐる!」(←訳:虎ですー!室内でも息が白くなるよ!)

 そうね、怪獣映画のように、
 吐く息がボワーっと……ん?
 怪獣?怪獣といったら……
 はーい、本日の読書タイムは、もう怪獣一色!のこちらを、どうぞ~!

  


 
            ―― トワイライト・テールズ ――


 
 著者は山本弘さん、2011年11月に発行されました。
 以前に御紹介いたしました山本さんの作品『MM9』――
 台風や地震と同様に自然災害の一種として《怪獣による災害》が存在する世界を舞台とする、
 意欲的なSF作品の、
 この御本は続編……というか、姉妹編、になります。

「かッ、かいじゅうゥ~!」
「がるぐっるっ?」(←訳:出てくるのっ?)

 この世界では、怪獣が当たり前に生息しているのですから
 ええ、出てきますとも!
 ただ、まあね、出てこられちゃうと、大変です。
 なんてったって怪獣ですから、
 歩くだけでビルは壊れるし、家は潰されちゃうし、
 田んぼは泥沼になり、
 高速道路はペシャンコにされてしまいます。
 なので、出来得れば怪獣さんには、
 密林の奥や火山の火口、深海あたりで、
 静かにしていてもらいたい、んですよね。

 でももし、
 不幸にして不運にも、怪獣が出現した場合には
 気象庁が誇る《特異生物対策室》の出番!
 自前の飛行艇やロケット砲を持って……はいませんけれど、
 知恵と勇気で怪獣災害と闘う、
 いわばウルトラ警備隊のような青年たちの活躍を描いたのが
 『MM9』でした。

「ふァいッ! だいかつやくゥでしたでスゥ!」
「がるるぐるぐるがるがる!」(←訳:きっと今回もやってくれるよ!)

 そうね!
 今度はどんな大冒険をやってくれるのかしら♪と
 期待して御本を開いてみれば……あら? あらら?
 《特異生物対策室》は……出番なし?

「えェ~ッ??」
「がるぐる~??」(←訳:そうなの~??)

 この御本――『トワイライト・テールズ』に登場するのは、
 怪獣と闘う人々、
 ではなく、
 怪獣が居る世界に暮らすふつうの人びと。

 怪獣と闘うことを役目としていない彼らが、
 怪獣と出逢ってしまったら……?

 彼らにとって、
 怪獣とは何なのか?
 怪獣に、彼らはどのような感情を抱いているのか?

 『MM9』が『ウルトラ警備隊』のアナザーサイドストーリーだとしたら、
 こちらの『トワイライト・テールズ』は
 『ウルトラQ』、
 あるいは
 確か昔の米国のTV番組にありましたよね、
 『トワイライトゾーン』という
 SFとファンタジーが混在する作品群――
 あの世界観に近いもの、だと申せましょうか。

「れーざーこうせんはァ、でてこないィけどッ!」
「ぐるがるるるがる!」(←訳:山ほどミステリアス!)

 また、SF好きさんは
 読み始めればすぐお分かりになることでしょう、
 この御本全体が、
 或る有名な《巨匠》さんへのオマージュである、と!

 あの《巨匠》さんの、
 あの名作、この傑作も、
 この御本のあちこちに形を変えて潜んでいます。
 影法師のようにひっそりと、
 蜃気楼のようにゆらゆらと……。

「もふゥ?
 きょしょうさんッてェ、だれェでスかッ?」
「がるぐるるぐるがるるぐる!」(←訳:皆が知ってるあの御方だよ!)
「むッ! そうかッ!」

 敢えてタネ明かしは、いたしません。
 活字マニアの皆さま&SFマニアさんは、
 どうか御自分の眼で発見なさって下さいな♪
 怪獣を、恐竜を、
 誰より愛するあの巨匠さんへの恋歌を! 
 
 
コメント
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