テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 黄金の智慧 ―

2015-10-11 21:43:26 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 それでもォめざせェ~、とらいッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!サクラ咲け!)

 こんにちは、ネーさです。
 《最強の敗者》たちに、
 今回も観客を総立ちにさせちゃえ!
 とエールを送りながら、
 さあ、本日は休日の読書タイムに相応しい
 楽し~い御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 中野のお父さん ――



 著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、2015年9月に発行されました。
 おお~♪
 表紙の益田ミリさんの装画からして
 楽しい予感をグングン高めてくれてますね。

「くんかッ、くんくんッ!
 うむゥ!これはァ、よいィおはなしでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:匂いで分かるよ!)

 題名の中野(なかの)とは、
 東京にお住まいではない方々も御存知のことでしょう、
 JRの中野駅、メトロの中野駅もありますね、
 有名なコンサートホールや、
 マニアなコレクターさんが集まるお店が多い、
 あの中野を指しています。

 主人公の田川美希(たがわ・みき)さんは、
 東京の出版社に勤務する編集者さん。

 そして、美希さんの御両親の、
 お家は中野に在るのです。

「かえりたいィときはァ~」
「がるぐるるるるがる!」(←訳:すぐ帰れるのが便利!)

 美希さん、けっこう頻繁に
 実家へ顔を出しています。

 お母さんのお料理が恋しくて?
 たまには少女時代を過ごした自分の部屋ででぐっすり眠りたくて?

 それもあるんですけど、
 いちばんの理由は……

 お父さんの知恵を借りたくて。

「ふァいッ! おとうさんはァ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:歩く百科事典!)

 高校教師をしているお父さんは、美希さんいわく

  ――どうしてそんなこと、知ってるの?

 と言いたくなっちゃうほどの物識り人間さんです。
 しかも、編集者である美希さんの、
 これどういうことかしら?な疑問に、
 シャキン!と
 打てば響くように答えてくださる奇特な知恵者でもあります。

「やりまスねッ、おとうさんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:探偵みたいだ!)

 探偵みたいはお父さんが的中させるのは、
 編集者・美希さんならではの疑問。

 専門の古書店主さんも首を傾げる、
 文豪の手紙の謎は――

 或る有名な俳句の解釈法の謎は――

 マラソン完走後の、数字の謎は――

「ちいさいけれどォ~…とけないィままだとォ~…」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:スッキリしない謎!)

 解けないままだと、ああ、気に懸かってしょうがない。
 でも、スカっと解ければ。

「うきゃッ♪ きぶんそうかいィ!」
「がるがる~!」(←訳:晴れ晴れ~!)

 爽快感とユーモアと優しさが
 綿密に織り込まれたお父さんの答案。

 高校教師のお父さん像には、
 著者・北村さんの経験が投影されているのでしょうか。
 収録されている短編8作品、
 どれも《読む喜び》を味わえる最高の逸品です♪

 私ネーさのおすすめは『闇の吉原』という作品ですが、
 さて、皆さまのお気に入りは?
 
「ぜひぜひィ~」
「ぐるる!!」(←訳:一読を!!)
 
 
 
コメント
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