テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

黄金の光の日。

2015-10-20 21:55:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 べすとふォー、でそろィましたでス!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!どこも強いぞ!)

 こんにちは、ネーさです。
 イングランドで開催中の2015ラグビーW杯、人気沸騰してますね!
 スポーツ誌『Number』のラグビー特集増刊号は売切れてしまって、
 私ネーさ、入手できませんでした……
 (24か25日に増刷分が出荷されるらしいです♪)。
 決勝戦に臨むのは、はたしてどのチームなのか?
 さらなる熱闘熱戦を確信しながら、
 はい、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



    ―― エドワード・アーディゾーニ 若き日の自伝 ――



 著者はエドワード・アーディゾーニさん、原著は1970年に、
 日本語版は2015年5月に発行されました。
 英語原題は『THE YOUNG ARDIZZONE:AN AUTOBIOGRAPHICAL FRAGMENT』、
 20世紀を代表する絵本作家・挿絵画家アーディゾーニさんの
 自伝作品です。

 アーディゾーニさんといえば、
 『チムとゆうかんなせんちょうさん』をはじめとする
 《チム》シリーズ、
 エリナー・ファージョンさん文&アーディゾーニさん挿絵の
 『町かどのジム』、
 ミステリ作家であるいとこのクリスチアナ・ブランドさんの文章に
 アーディゾーニさんが挿絵を担当してベストセラーとなった
 『マチルダばあやといたずらきょうだい』
 といった作品で知られる20世紀児童文学界の巨匠さんですが、
 この御本は――

「わかいィころのォ、えどわーどさんッ!」
「ぐるるるるがるがる!」(←訳:少年時代のお話です!)

 題名にもありますように、
 この御本はアーディゾーニさんのチビっ子時代から
 青年期までを回想した
 “半生記”です。

 1900年、現ベトナムンのハイフォンで生まれ、
 5歳のときにお母さんや妹さんたちと
 英国の田舎の村へ移ってきたアーディゾーニさん。

 お父さんのオーギュスト・アーディゾーニさんは
 英語・仏語・伊語・独語・露語・中国語もペラペラ、
 日露戦争の様子をその目で見たともいう、
 非常に行動的な人物だったようです。

「でもォそれじゃあァ~…」
「がるるぐるるるるるぅ?」(←訳:一緒に暮らせないよぅ?)

 幼時の、かすかな記憶。
 英国に到着してからの、少年時代の記憶。

 この、子どもの頃の思いを
 アーディゾーニさんは瑞々しく、甘く、ほろ苦くもある筆で
 文章と絵にしています。

 村での暮らし、
 祖母と祖父のもとで過ごした日のこと、
 穏やかで美しいときもあれば、イジメに遭うこともあった――

「むむゥ! ひゃくねんまえェもォ~…」
「ぐるがるるる?」(←訳:今とおんなじ?)

 英国にはつきもの?の
 寄宿学校時代のお話が笑えます。

 反抗盛りの生徒たちは、気に入らない先生を
 教室に閉じ込めちゃった!
 しかも、先生が大の苦手としている
 馬もいっしょに!

「ぷふふふッ♪」
「がるるるっ♪」

 光と涙とが交差する
 アーディゾーニさんの回想は、
 20世紀前半に少年であった者の
 ひとつの典型(モデル)でもありましょうか。

 次第に大きくなる、戦争の足音。
 否応もなく、誰もが放りこまれる灰色の渦。

「つかのまのォ、へいわッ?」
「ぐるるがる……!」(←訳:悲しい影が……!)

 それでも、何にも代え難い
 黄金の日々。

 アーディゾーニさんのファンの方々は必読です♪
 歴史好き&児童文学好きな御方にも
 おすすめの一冊ですよ。ぜひ!



 
コメント
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