テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

その姿、ユメに見たらば。

2017-03-28 21:49:21 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 だいひょうゥちィむゥ、ふんせんちゅうゥ!」
「がるる!ぐるるるー!」(←訳:虎です!負けるなー!)

 こんにちは、ネーさです。
 予選突破へ!勝ちぬけよう日本代表!
 W杯の切符をつかむのだ!と
 今夜も精一杯の声援を送りながら、
 さあ、読書タイムもベストを尽くしましょう♪
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~!
 
  



        ―― 花魁さんと書道ガール ――



 著者は瀬那和章(せな・かずあき)さん、2016年1月に発行されました。
 文庫オリジナルのこの御本は、
 ふっふっふ、前回記事に続いて、
 《怪》がうようようよ~っと?

「むぎゃあァ! かいだんッ??」
「ぐるがるぐるるっ?」(←訳:怖いお話ですかっ?)

 そうねえ、まあ何というか、
 “怖い”系の現象が起きないこともない、
 って感じでしょうかしら。

 御本裏表紙のあらすじ部分に
 しっかり書かれているので、
 ここでお喋りしてもネタバレにはならない、と
 思うんですけど……

 幽霊さんが出てきます。

「やなぎのォしたにィッ?」
「がぅ~るるるる!」(←訳:ひゅ~どろろん!)

 柳だとか、夏の宵闇だとか、
 そういうものは関係なくとも、
 出るときは出ちゃうらしいのが、
 幽霊さん。

 この御本の主人公にして語り手の“私”――
 花沢多摩子(はなざわ・たまこ)さんの場合、
 それは、簪(かんざし)でした。

「かんざしィ、ッてェ~…」
「ぐるるる?」(←訳:装身具の?)

 ええ、昔の日本女性が愛用していた、
 あの簪です。

 現在ではもう、バレッタやシュシュ、カチューシャ、
 といったヘアアクセサリーの方が主流になっていますけど、
 まだ完全に廃(すた)れてしまったわけでもないものですから。

 多摩子さん、警戒することもなく手に取り、
 すっ、と挿してみたのが、
 運のツキ。

「うゥ~んッ? これはァ~…」
「がるるぅ?」(←訳:夢かなぁ?)

 簪を手にしたその後。

 一緒に暮らしているお祖母ちゃんが入院してしまい、
 不安で堪らなかったものの
 心配するような病状ではないと聞かされ、
 ひと安心した多摩子さん、
 その夜はぐっすり、いえ、くたくたっと
 朝まで目覚めないほど深く眠る……眠る……
 眠りたかったのに?

「なにごとッ?!?」
「ぐるっ?」(←訳:何者っ?)

 これは、夢でしょうか。
 テレビの時代劇に出てくるような、
 着飾った女性がこちらを、
 多摩子さんを見下ろしている?

「おッ、おきれいィでスけどッ!」
「がるるぐるっ!」(←訳:華やかすぎっ!)

 書道科のある大学に進学し、
 書道部に所属し、
 書の道を邁進(まいしん)せん!と志している多摩子さん、
 自分でいうのもナンですが、
 女子力に自信がありません。

 それなのに、
 かくも華々しいルックスの美女幽霊にとり憑かれるとは……!

「こまッちゃいィまスねェ~」
「ぐるるるる??」(←訳:どうしよう??)

 花魁(おいらん)の春風、と堂々名乗る幽霊さん。

 多摩子ちゃんにとり憑いた目的は?
 幽霊を背負うはめになった多摩子ちゃんは、
 はたしてどうする?

「えェ~とォ、そのゥ~?」
「がるぐるるるるがる~?」(←訳:退散してくれるかな~?)

 花魁・春風さんと
 書道に打ち込む多摩子ちゃんの
 不思議でトンチンカンなふたり旅。

 ほんのり怖くて、
 いきいきと愉しい《怪》なる物語、
 ミステリ好きさん&時代小説好きさん、
 ライトノベル好きな御方にもおすすめです。
 続巻も刊行されていますので、
 ぜひ、併せて一読を♪

 
 
 
コメント
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