テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

きっかけは《かぶ》?

2017-03-13 22:15:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はるのォ、みなみふらんすゥ!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!激戦のゴール!)

 こんにちは、ネーさです。
 “ツール・ド・フランスの前哨戦”ともいわれる自転車のロードレース
 《パリ~ニース》が開催され、
 コロンビアのエナオ選手(チームスカイ所属)が総合優勝しました。
 初のビッグタイトル獲得おめでとうございます、エナオさん!
 ニース近郊やプロヴァンスの美しい光景にうっとりした後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 大きなかぶ ――



 著者はアントン・チェーホフさん、2017年2月に発行されました。
 『チェーホフ ショートセレクション』と副題が付されたこの御本は、
 《世界ショート セレクション》シリーズの第5作目であり、
 ロシアの作家・戯曲家アントン・パヴロヴィッチ・チェーホフさんの
 短編作編10作品から構成されています。

 ……ていうか、かぶ?

「おおきなァ、かぶゥ??」
「ッるぐるがる?」(←訳:ってあのカブ?)

 そうですね、
 大抵の人は、活字マニアさんもそうでない御方も含めて
 はあ?
 って目を丸くするのじゃないかしら。

 かぶ。
 大きなかぶ。

 それって、むか~し絵本で読んだあの『大きなかぶ』のこと?

 auさんのCMでは、三太郎さんたちが
 うんしょうんしょと踏ん張っていましたよね、
 巨大なカブを地面から引き抜こうとする
 有名なあのお話のことでしょうか?

 あのお話と、文豪チェーホフさんが
 どこでどうやったらつながるんでしょう……?

「たぶんッ、きょうつうゥてんはァ!」
「がるる!」(←訳:ロシア!)

 はい、その通りなんですよ、実は。

 御本巻末の『訳者あとがき』で訳者・小宮山俊平が記しておられますが、
 『大きなかぶ』は、そもそもロシアの昔ばなし、なのだそうです。

「あはァ!ろしあァだからァ~」
「ぐる!」(←訳:かぶ!)

 カブは耐寒性に優れる作物です。
 気温が低くても、土壌の栄養値が豊かではなくても、
 けっこう大きく育ってくれる頼れるヤツ。
 そして、人間のみならず家畜たちにも
 食糧として大好評♪
 ロシア料理のボルシチにも
 赤カブは欠かせません。

 と考えてみると、
 ふむふむ、ロシアの昔ばなしの主役が『大きなかぶ』であることは
 大いに納得できますけれども。

 その『かぶ』噺を、
 チェーホフさんが“チェーホフ風”に料理したら。

「みじかいィ、けどッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:なんともまあ!)

 表題作品『大きなかぶ』は
 本文の7番目に収められています。

 おじいさんとおばあさんが育てる、
 『大きなかぶ』。

 わずか3ページにすっぽり納まってしまう短編作品に
 私ネーさが連想したのは……
 『竹取物語』!

「かぶがッ??」
「ぐるる!」(←訳:かぶが!)

 チェーホフさんの中で昔話がどう変換を遂げたのか、
 戯曲好きな御方もロシア文学好きな御方も、
 御自身の眼で確認してくださいね♪

 もちろん、ともに収録されているチェーホフさんの傑作
 『犬を連れた奥さん』
 『ワーニカ』
 『かわいいひと』といった作品も、
 そしてヨシタケ シンスケさんによる表紙画&各話の扉画も
 必読必見の面白さ!

「むずかしそうゥだけどッ?」
「がるるるぐるるがるるぐる?」(←訳:ホントは楽しいロシア文学?)

 先ずはチェーホフさん版『大きなかぶ』をとっかかりに、
 皆さま、ぜひ、一読を!
 

 
 
コメント
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