テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

その怖さ、格別?

2017-10-03 22:02:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわッ、でたでス!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!今日も怖いぞ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、本日の読書タイムも《怖い》路線です。《怖い》物件です。
 それも、読む《怖さ》ではなく、
 見る《怖さ》……いえ、
 視えてしまう《怖さ》が凝る一冊を、
 さあ、どうぞ~♪

  

 
   
       ―― 月岡芳年 妖怪百物語 ――



 監修は太田記念美術館さん、著者は日野原健司さん+渡邉晃さん、
 2017年7月に発行されました。
 『YOSHITOSHI TSUKIOKA GHOST STORIES OF UKIYO-E』と
 英語題名が付されています。

「あうゥ、ごーすとォすとーりィ!」
「ぐるぅ!」(←訳:出たぁ!)

 ここ数年、注目度うなぎ上りな画師さんと言えば、
 御一方はニャンコ愛が微笑ましい
 歌川国芳(うたがわ・くによし)さん♪

 聞いたところでは、現在フランスのパリで
 国芳さんの展覧会が開催されているらしいわ。

「ええッ? ぱりィ?!?」
「がるるるるるぐるるる!」(←訳:おフランスで猫浮世絵!)

 そして、国芳さんに劣らぬ勢いのもう御一方が、
 月岡芳年(つきおか・よしとし)さん(1839~1892)。

 芳年さんは、幕末から明治にかけて活躍した
 浮世絵師さんであり、
 国芳さんのお弟子さんでもありました。

 国芳さんが得意としたのは、
 武者絵、戯絵(ざれえ)等の作品で、
 ニャンコたちを描いた画も戯絵のジャンルに含まれます。

 そんな師の流れを汲んでか、
 弟子の芳年さんも、武者絵、歴史画、美人画は
 大の得意でありましたけれど……

「とくべつゥなのはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:この分野!)

 妖怪。
 怪奇。
 幽霊。

 この御本では《妖怪画》と呼称されている作品たちによって
 芳年さんは大いに名を馳せました。

「おばけェなのにィ~?」
「がるるぐるるる!」(←訳:なぜか生き生き!)

 そうね、生き生きでも活き活きでもいいわ、
 芳年さんが描く幽霊さんや妖怪さんは、
 どうしてなのか、人間よりも血が通っているかのような、
 リアルじゃないはずなのにリアルな存在になっています。

 こういうオバケさんたちには、
 ちょっとね、会いたくないわよね。

「どんなァおばけェでもッ」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:会いたくないです!)

 なぜ、芳年さんの妖怪画は
 かくもリアルなのか――

 本文中のコラムには、
 芳年さんが幽霊を見た、というエピソードが紹介されています。

「ほッ、ほんとにィ??」
「がるぅっるる!」(←訳:見ちゃったの!)

 北斎さんも《怖い》画を多数制作していますし、
 浮世絵師さんたちにとって
 妖怪画は基礎の一つともいえる画題でもありましたが、
 うっすらユーモアをまぶしながらも
 比類なき“真に迫る怖さ”を
 最晩年まで描き続けた芳年さん――

「きッとォ、おふらんすゥでもォ、うけまスゥ!」
「ぐるがるるるぐるるる~…」(←訳:次に世界進出するのは~…)
「よしとしィさんッ??」

 江戸アート好きな方々に
 おすすめしたいこの御本、
 本屋さんのアートブックのコーナーで
 探してみてくださいね♪
 
コメント
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