テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

一発ギャク?…ではなくて。

2017-10-06 21:55:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うりきれェ、ぞくしゅつゥなのでス!」
「がるる!ぐるがるぅ!」(←訳:虎です!当然でしょ!)

 こんにちは、ネーさです。
 風邪引きの身ゆえ、本屋さんへは行けませんが、
 カズオ・イシグロさんの著作が各地で完売、
 目下大急ぎで増版中!って頼もしいニュースですわね。
 盛り上がる読書の秋に、
 さあ、本日ご紹介いたしますのは、こちらのSF作品です~♪

  



         ―― スペース・オペラ ――



 著者はジャック・ヴァンスさん、2017年5月に発行されました。
 『Space Opera』と英語原題が付されています。

 以前に、著者・ヴァンスさんの代表作と言える
 『宇宙探偵マグナス・リドルフ』が
 SFにしては異例の売れ行きを見せている!というお報せとともに
 そのハチャメチャな世界観を御案内いたしました♪

 そして、こちらの『スペース・オペラ』も……

「すッとんきょゥ~!」
「ぐるる!」(←訳:大混乱!)

 そもそも、題名からして
 ヴァンスさんらしい遊びゴコロが香ります。
 
 文学の世界で《スペース・オペラ》といえば、
 《宇宙を舞台にした冒険活劇!》といった意味合いで、
 例えるなら、
 映画『スター・ウォーズ』のような、
 宇宙船とビームがビシバシ飛び交い、
 助けを求める美女と
 勇敢な正義のヒーローが無双の活躍をする物語、
 なのですけれど。

「ここではァ、もじどおりィ~」
「がるーるるぐるる!」(←訳:スペースのオペラ!)

 スペースは、宇宙。
 オペラは、歌劇団。なので、

  『歌劇団、宇宙を行く』

 とでも笑いながら意訳したいこの御本、
 『宇宙探偵マグナス・リドルフ』と同じく、
 けっこうなハチャメチャぶりを見せてくれます。

 主人公のひとりは、
 デイム・イサベル――

 デイムというのは女性に贈られる爵位ですから、
 つまり、名士さんなんですね、イサベルさんは。

「そしてェ、おかねもちィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:オペラ好き!)

 もうひとりの主人公、ロジャー・ウールさんは
 デイム・イサベルの甥っ子さんです。

 或る朝、新聞を目にしたロジャーさんは
 大慌てで伯母に映話することになりました。

 イサベル伯母さんが歌劇団を組織して
 遠方の惑星へ公演旅行に出発、って……

 嘘だろぉ?!?

「うむむゥ、それがァ~」
「がるるぐるるるる~」(←訳:ホントなんだよね~)

 富豪の伯母さんと
 ちょっとヘナチョコな甥っ子、というのは
 英文学における一つのスタイルになっているのですが、
 この御本でも
 イサベル伯母さんとロジャーくんのズレた会話、
 お金持ちな伯母さんの非常識ぶり、
 ロジャーくんの焦燥っぷりが
 笑いのアクセントになっています。

 イサベル伯母さんが率いる歌劇団を
 宇宙で待ち受けるのは、
 はたして、どんなトラブルとアクシデントなのか――

「うちゅうゥ、だもんねッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:先行き霧中!)

 御本の前半には
 長編作品『スペース・オペラ』、
 後半部分には
 中短編4作品が収録されています。

 ヘンテコだけれど、
 読めば愛さずにはいられなくなる
 ヴァンスさんの傑作集は
 SF上級者さんにもビギナーさんにも
 おすすめの一冊ですよ。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪ 
 
コメント
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