テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ アートの中の、百花、千花 ~

2017-10-10 22:04:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……かすかにィ、きんにくつゥ?」
「がるる!ぐる~…!」(←訳:虎です!足が~…!)

 こんにちは、ネーさです。
 連休中の運動会でガンバりすぎて、
 ああ~脚や背中が痛いわぁ~という方々は、
 はい、今週はもう無理をせずに過ごしましょう。
 患部に湿布をペタペタッと貼ったら、
 さあ、読書タイムで深呼吸を~♪
 
  



     ―― ヨーロッパの図像 花の美術と物語 ――



 解説・監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2017年8月に発行されました。
 『ICON OF EUROPE THE STORY OF FLOWER ART』
 と英語題名が付されています。

 相変わらずの人気を誇る
 《読むビジュアル・ブック》シリーズの最新刊のテーマは、
 “花の美術”――

 花鳥風月とともに在る私たちジャポネーゼにとっては
 身近な主題、でしょうか。

「まるごとォ、おはなァ~づくしィ♪」
「ぐるがるる!」(←訳:華麗だよね!)

 豪華絢爛、百花繚乱なこの御本でも、
 監修者・海野さんとブックダザイナーの方々は
 またしてもやってくれました。

 シリーズ前作
 『ヨーロッパの幻想芸術―世紀末デカダンスとファムファタール(宿命の女たち)』
 と同じく、
 本文のデザイン、構成、色使い、
 凝りまくってます!

 以前にも申し上げましたが、
 美術展のカタログのような、
 白地に絵や写真などの図版を印刷……なんていうページは
 ひとつもありません。

「たいへんなァおしごとォ、でス!」
「がるぐるるがる!」(←訳:その凄さがいい!)

 可憐であり、凄味も隠し持つ“花の美術”の物語は、
 ヨーロッパ中世の花の絵画から始まります。

 聖母子像――
 マリアさまの背後に咲くバラの花々。

 タペストリーの中に織り込まれた草花。

 僧院の写本の中に描かれた花の装飾。

 そして、ルネサンスの時代に目を向ければ、
 きっと皆さま御存知の――

「はなのォめがみィさんッ!」
「ぐぅるるるぅるる!」(←訳:フィレンツェの美!)

 サンドロ・ボッティチェリさん作
 『ヴィーナスの誕生』
 『プリマヴェーラ(春)』。

 これぞ、西洋の美術が到達した
 “花の描写”のひとつの頂点ともいえる不朽の名品でしょう。

「いぎィなしでス!」
「がるる~!」(←訳:大賛成~!)

 近代、いえ、近世なのかしら、
 次に“花の美術”がドカンと咲くのは。

 ルドゥーテさんによるバラの図譜に象徴される
 草花の博物画、
 テキスタイル(布地)の中の草花模様たち、
 やがて日本美術の流入によって
 アールヌーヴォーの花々も開いてゆく……

 一連の“花の美”の変化(へんげ)は、
 御本を手に取って、
 ゆっくりページを捲ってゆけば、
 よ~く分かります。

「よみものとォしてもォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:楽しい博学!)

 海野さんによる解説の文章が充実していることは
 言うまでもありません♪

 とくに、巻末の『花の文学10選』は
 全活字マニアさんにおすすめですよ。
 どんな作品・作家さんが『花の文学』に選出されているのか、
 御自身の眼で確かめて、
 なぁるほど!とニンマリしてくださいね。

「きれいなァ、だけじゃないィ~」
「がるーる!」(←訳:花アート!)

 眼福の一冊を、
 皆さまも、ぜひ。
 
 
コメント
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