テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 熱風の異国にて ~

2019-10-07 23:44:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 なみびあァにィ、はくしゅゥ~!」
「がるる!ぐるがっるる!」(←訳:虎です!迫力あったね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ラグビーW杯予選プールB、
 オールブラックスに真っ向勝負を挑み
 大喝采を浴びたナミビアチームは
 ここ八王子のおとなり、
 東京郊外の町田市で合宿中なのだそうです。
 なんだか親近感が湧いちゃうなあ、
 次のカナダ戦では幸運を!と祈りながら、
 さあ、読書タイムもガンバりましょう♪
 本日は、こちらの力作ミステリを、どうぞ~!

  



    ―― カルカッタの殺人 ――



 著者はアビール・ムカジーさん、原著は2016年に、
 画像の日本語版は2019年7月に発行されました。
 英語原題は『A RISING MAN』、
 英国推理作家協会賞に輝くこの長編ミステリの舞台は……

「もッちろんッ!」
「ぐるるっるがるぅ!」(←訳;カルカッタでしょ!)

 そう、インド東部の都市カルカッタ。

 とは申しましても、
 現代のカルカッタではありません。

 1919年の4月初旬。
 日本なら、桜が咲いている頃合いですね。
 でもインドでは、
 もう夏なんじゃない?と
 カレンダーを疑いたくなるくらいの暑さ……

 この土地に赴任してきたばかりの、
 《わたし》の身には、
 けっこう応えます。

「というゥことはァ~…」
「がるぐるがる?」(←訳:寒い土地育ち?)

 物語の語り手である《わたし》――
 サミュエル・ウィンダムさんは、
 インド帝国警察の警部さんです。

 生まれ育った英国で
 警察官の職に就いていたウィンダムさん、
 国が違ってはいても、
 警察のお仕事には慣れ親しんでいるはず、
 なのに。

「ちがいィすぎるのでスよゥ!」
「ぐるるるがるるるるる!」(←訳:インドと英国だもんね!)

 問題は、事件の被害者です。

 英国人の政府高官。

 英国は、
 当時のインドの宗主国です。

 現在よりもはるかに強大な権力・統治力を有する
 “大英帝国”のお役人さまが
 カルカッタの街角で
 死体で発見されてしまうなんて、
 あっていいことではない……!

「いッしょくゥ、そくはつゥ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:危険な状況だよ!)

 専横的な英国人官僚たち、
 インドの各地でくすぶる不満、
 高まる独立運動への機運。
 
 不安定極まる世情の中、
 ウィンダムさんは、
 危険な綱渡りをするようにして
 捜査に臨みます。

 インド生まれのインド人ながら、
 英国の大学で学び、
 ウィンダムさんよりも英国人らしい英語を話す
 サレンドラナート・バネルジー部長刑事さんを
 助手役に。

「ちからをォ、あわせてッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:解決しないと!)

 英国人の警部として、
 インド人の警察官として、
 ふたりにはそれぞれの思いと
 願いがあります。

 はたして、事件の行方は――

「ひゃくねんまえェのォ、ものがたりィ!」
「ぐるがるるぐるる!」(←訳:でもとても現代的!)

 1919年と2019年、
 この100年の間に
 いったいどれほどのことが
 “進歩”したのか。
 なぁんにも変わってないんじゃないのか。

 そんな想いも抱かせる、
 力強い歴史ミステリは、
 ミステリ好きな方々だけではなく、
 歴史好きな活字マニアさんにも
 激おすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~!
 
 
 
 
 
コメント
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