テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《怪人》探しは、ノスタルジックに。

2019-10-10 22:36:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 あァ~…ちゅうしィだなんてェ~…」
「がるる!ぐるるる~…」(←訳:虎です!悲しいね~…)

 こんにちは、ネーさです。
 ラグビーW杯でニュージーランド×イタリア戦が中止、
 鈴鹿で行われるF1グランプリも流動的、
 他にもいろいろなイベントの開催が危ぶまれていますね。
 スポーツのために、というのではなく、
 誰にも、どこにも、被害がありませんように……と
 今日もまた祈りながら、
 さあ、ここからは読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― スズメの事ム所 ――



 著者は朱川湊人(しゅかわ・みなと)さん、
 2019年7月に発行されました。
 『駆け出し探偵と下町の怪人たち』と副題が付されています。

「おおッ! このォふんいきィはッ?」
「ぐるがるぐる!」(←訳:甦るあの名作!)

 活字マニアの皆さまは、
 サイトウユウスケさんによる
 表紙画の雰囲気から、
 おややっ?と思われたことでしょう。

 夜空を背景に、
 うら若い女性と
 怪しい人物、
 そして、小林少年が描かれていて……

 ん?
 小林少年じゃないわね、これ?
 
「べつじんッでスゥ!」
「がるるっ?」(←訳:何者だっ?)

 表紙に描かれているのは、
 少年探偵団の小林少年ではなく、
 ましてや明智小五郎さんでもなく。

 黒葛原涼(つづらはら・すずむ)さん。
 
「むゥ~…あけちィさんじゃないィのでスかァ~…」
「ぐる~…」(←訳:残念~…)

 ええ、巨匠・江戸川乱歩さんの創造した
 名探偵さんや怪人さんとは
 まったく無縁、な黒葛原さんですが。

 チビっ子の頃から
 明智小五郎さんとホームズさんの大ファン♪で、
 小学6年生の時には、
 ぼく探偵になる!
 と家族の前で宣言したほどでした。

 その思いは、
 こころの片隅に、
 いえ、ド真ん中に残っていたらしく。

「わはッ♪ もしかしてッ」
「がっるぅっる~?」(←訳:なっちゃった~?)

 不動産会社に勤務中の黒葛原さん、
 まもなく会社が倒産、
 黒葛原さんも失業者に……という状況です。

 それを“リセット&再スタート”の機会、
 と捉えた黒葛原さんは、
 本当に探偵事務所を……?

「ちゃれんじィ、でスねッ!」
「ぐるるる~!」(←訳:がんばれ~!)

 失業と同時に
 住まいを東麻布から
 荒川区の町良(まちら)へ移した黒葛原さんのもとに、
 おあつらえの《謎》が降ってきた、のは
 はたして偶然でしょうか。

 夜、町良の或る道を
 ゆっくり、のっそり歩いていたのは、
 怪しの影……

 目撃者いわく、
 耳のところがピカピカ光って、
 ときどきピコピコと音もする、
 その怪人は……

 鉄仮面!

「……てッかめんがァ~…」
「がるるるるぐるるる??」(←訳:ピカピカのピコピコ??)

 ピカピカやピコピコに
 どのような意味があるのか?
 謎の怪人の正体は?
 
 黒葛原さんの推理が冴える
 第一話『都電の町と鉄仮面』をスタートラインに、
 6つの連作短編ミステリから成るこの御本には、
 江戸川乱歩さんへのオマージュが
 そこここに仕掛けられています。

 レトロでノスタルジックな
 ミステリが大好き!という御方に
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 
 
 
コメント
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