テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

めぐりあわせの、リンゴの樹。

2019-10-20 22:20:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あううううううゥ~…!」
「がるる!ぐるるるるぅ~…!」(←訳:虎です!あううううぅ~…!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブレイブブロッサムの皆さん、
 選手さんもスタッフさんも、お疲れさまでした。
 素晴らしい試合、
 重圧をはね返しての素晴らしい走りとタックルを、
 ありがとうございます。
 準決勝に残った4チームの健闘を祈りつつ、
 さあ、どうにかこうにか呼吸を整えたら、
 読書タイムもしっかりと!ということで、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
    ―― イギリスのお茶と暮らし ――



 著者は北野佐久子(きたの・さくこ)さん、
 2019年9月に発行されました。
 題名からお分かりのように、
 この御本のテーマは
 お茶大国である英国の《お茶と暮らし》……ではありますが、
 もうひとつ、
 或る“裏テーマ”が仕掛けられています。
 それは――

「いちもくゥりょうぜんッ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:あの赤い実~!)

 そう、それは、丸くて赤い、
 おっと、黄色や緑色のものもあるんですけど、
 まあ一般的には、赤色でイメージされる
 バラ科の植物である、

  リンゴ。

 英国に住む方々が何より愛する
 《心の果実》――それがリンゴ。
 いえ、《魂の果実》というべきでしょうか。

「みィ~んなァだいすきィ、なのでス!」
「がるるぐぅるる!」(←訳:パイもチャツネ!)

 日本でお料理用のリンゴといえば、
 先ず思い浮かぶのは、紅玉(こうぎょく)。

 対して、
 英国でお料理用のリンゴといったら、
 第一に挙げられるのは
 ブラムリー(BRAMLEY)という品種のリンゴです。

 色合いは、赤ではなくて、
 明るいグリーン。

 形は、やや歪(いびつ)な丸型。

 人気はとても高くて、
 イギリスのリンゴ生産量20万トンのうち、
 45%を占めているそうです。

「そのォとくちょうゥはァ~…」
「ぐるるるがるる!」(←訳:交配種にあらず!)

 ブラムリー誕生の経緯というのが
 ちょっと変わっています。

 これとこれの品種を交配させて新種を、と
 計算して造り出されたのではなく、
 1809年頃の、或る日のこと。

 英国ノッティンガム州、
 サウスウェルの町のチャーチ・ストリートのコテージで、
 メアリー・アン・ブレイスフォードさんという女の子が、
 お母さんが切ったリンゴの種を貰って、
 鉢に播きました。

 どんなリンゴの種であったかも分からないという
 その種が、やがて芽を出し、
 庭に植え替えて大きくなって、
 実をつけますが。

 ブレイスフォード一家は引っ越してしまうのです。

 名もなきリンゴの樹を、
 庭にそのままにして。

「なごりィ、おしいィけどォ~…」
「がるるぐるるる!」(←訳:さらばリンゴよ!)

 事態が大きく動くのは、1846年。

 ブレイスフォード一家が引っ越した後、
 コテージを買い取ったのは
 精肉店主のマシュー・ブラムリーさん。

 そうして、ブラムリーさん宅のリンゴに
 苗業者のヘンリー・メイウェザーさんが目を付けました。

「これェ、くださいィ!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:この実の苗木を!)

 苗木を作る穂木の提供を、
 ブラムリーさんは承諾しました。

 品種名に自分の名前を付けることを条件に。

「それがァ、いまやッ!」
「がるる~!」(←訳:45%~!)

 不思議な偶然が重なって、
 英国を代表するまでに成長したリンゴ――ブラムリー。

 この御本には、
 上記のようなブラムリー誕生のエピソード、
 ブラムリーを用いたリンゴ料理のレシピ、
 イギリス各地のリンゴ農家さんの様子など、
 英国の暮らしと切り離せない
 “リンゴの物語”が
 全編にちりばめられています。

 さらに、時を経て。

「りんごはァ、うみをォわたッたのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:信州に来たんだ!)

 ええ、ブラムリー種のリンゴは、
 現在、長野県内でも栽培が行われているんですよ。
 流通量はまだ多くないらしいんですけど、
 皆さま、長野県のPRショップや
 スーパーマーケットでブラムリーを見かけたら、
 台風で被害を受けたリンゴ農家さんを応援するためにも、
 手に取ってみてくださいね。

 もちろん、ブラムリーと英国のお料理について
 たっぷり教えてくれるこの御本、
 お料理好きな方々にも
 英国文化好きな方々にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読を♪
 
 
    
コメント
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