テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ いまも昔も、《地図》を手に ~

2019-10-11 22:26:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うゥ、さみしィ~でスゥ~…」
「がるる!ぐるるるがるるぐる~!」(←訳:虎です!お別れしたくない~!)

 こんにちは、ネーさです。
 イラストレーターでありアニメ作家、
 映画監督にエッセイ、絵本、翻訳も……と
 活字マニア諸氏にもお馴染みのアーティスト
 和田誠さんの訃報を受け、
 しょんぼりしております……
 星新一さんのショートショートやマザー・グース、
 三谷幸喜さんのエッセイに添えられたイラストは、
 本当に本当に素晴らしかった!!
 和田さんの面影を偲びながらの
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



      ―― 世界をおどらせた地図 ――



 著者はエドワード・ブルック=ヒッチングさん、
 原著は2018年に、日本語版は2019年10月に発行されました。
 英語原題は『THE GOLDEN ATLAS』、
 『欲望と蛮勇が生んだ冒険の物語』と日本語副題が付されています。

「わおォ! あんてィ~くゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:古地図だね!)

 古地図――

 地図専門店さんのウィンドウにディスプレイされていたり、
 額装して自宅の壁に掛けたり、
 っていうくらいなら、
 まあいいんですけど。

 経度も緯度も大雑把、
 国名もあやふや、
 制作者もはっきりしない、
 そんな地図を拠り所に
 何かをしようという場合は、
 もうタイヘンです。

「だいぼうけんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:無茶で無謀!)

 そう、もしもその紙切れに、
 《黄金郷に至る図》
 《桃源郷への行き方》
 なんていうキャプションが付けられていたら、
 やっぱりね、
 見る側は、こころ穏やかではいられなくなっちゃいます。

 まさかなぁ……いや、
 有り得ないとは思うけどさ、
 万が一にも、
 この地図が本物だったら……?

「きたいィ、しちゃうゥのでス!」
「ぐるるるる!」(←訳:万が一をね!)

 地図に魅せられて
 荒れる大海原へ乗り出す者もいれば、
 それとは反対に、
 未知の土地を踏破した者が
 冒険後に描いた地図も存在します。

 この御本に収録されているのは、
 そんな“危険な”香り漂う
 美しい地図たち。
 それは、例えば、

 英国初の世界地図、
 怪物たちがわしゃわしゃ泳ぐ北海の地図、
 アレクサンドロス大王の征服地の地図、
 15世紀の世界地図といわれる『ヴィンランド地図』、
 マゼランの世界一周航海の地図、
 ウォルター・ローリー卿のエルドラド探しの旅の地図、
 リヴィングストン博士によるアフリカ大陸の地図……

「いちまいィのォ、ちずにィ~」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:生命と未来を賭けて!)

 御本の後半部分には、
 『女性旅行家時代の幕開け』
 『北極点到達競争』
 『北西航路横断と南極点到達競争』など、
 近代史好き&ノンフィクション好きな方々には
 よく知られるエピソードも収められています。

「あわわッ、ほッきょくゥもォ~なんきょくゥもォ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:白銀の魔境だよ!)

 成功と失敗、
 歓喜と失望、
 名声あるいは悪名――

 地図が語る“ひとの道のり”のあかしを、
 皆さまも、ぜひ。
  
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする