テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 思い出の、夏の空 ~

2019-10-14 23:33:06 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!」
「がるる!」(←訳:虎です!)

 こんにちは、ネーさです。
 あらためまして、台風19号の被害に遭われた方々に
 お見舞い申し上げます。
 ここ東京・八王子市も大雨のために
 河川敷がこんな状態に……

  

 市内を流れる浅川は濁流と化し、
 
  

 堤防に沿って作られていた
 遊歩道/サイクリングロードの
 アスファルト舗装は流されてしまいました……。

「でもォ、きッとォ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:たて直すのさ!)

 そうね、
 このまま終わらせないぜ!の気概を込めて、
 さあ、読書タイムを始めますよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



       ―― 漫画映画 漂流記 ――



 著者は小田部羊一(こたべ・よういち)さん、
 2019年9月に発行されました。
 『おしどりアニメーター 奥山玲子と小田部羊一』
 と副題が付されています。

「わおゥ! なつぞらァ!」
「がるるるぐるぅ!」(←訳:モデルの人だぁ!)

 はい、そうです、
 この御本は、
 2019年9月まで放送されていた
 NHKの朝ドラ『なつぞら』のモデルとされる
 奥山玲子(おくやま・れいこ)さんの夫君
 小田部羊一さんへのロング・インタビューと、
 奥山さん&小田部さんのお仕事仲間さんからの
 寄稿とインタビュー、
 写真・スケッチなどの
 図版資料から構成されています。

「このォおかたがァ~…?」
「ぐっるぅる……?」(←訳:なっちゃん……?)

 ドラマの主人公“なっちゃん”と、
 実在のアニメーター・奥山玲子さん(1935~2007)は、
 まったくの別人、と考えてくださいな。

 “なっちゃん”は東京生まれの北海道育ちでしたが、
 奥山んは、宮城県の仙台市生まれ。
 東北大学教育学部を中退して、
 1957年に東映動画(現:東映アニメーション)入社、
 お写真も掲載されておりまして……
 あらぁ、背が高くてスラリとした美人さんですよ♪

「ふくそうゥもォ、おしゃれッ♫」
「がるるるるるる!」(←訳:ヘアスタイルも!)

 日本のアニメーションの歴史において、
 女性アニメーターの先駆者のひとりであった奥山さんは、
 いったいどういう御方であったのか――

 聞き手の藤田健司(ふじた・けんじ)さんに問われ、
 小田部さんは語ります。

  子どもの頃は病弱であったらしいこと、
  学校もよく休んだりして、
  文学全集とかを読みふけっていたこと、
  大学を2年で辞めて、
  家出同然で東京に出てきちゃったこと。

  東京に来て、
  たまたま映画撮影所と関係のあった親戚から
  東映動画の募集を教えてもらったこと。

  けれど実は奥山さん、
  『動画』ではなくて、
  『童画』だと
  カン違いしていた?

「あちゃちゃッ!」
「ぐるる~!」(←訳:うわあ~!)

   『童画』なら
   絵本などのお仕事ができる、
   と思っていた奥山さん、
   本当はファッションや語学関連の職に
   就きたかったのだとか。

 しかし、このカン違いが
 奥山さんを“数奇な運命”へと導いたのでした。

 絵は、独学。
 先輩アニメーターの大塚康生さんが
 1日に20枚30枚と描くのに負けじと、
 私も!と描きに描く。

 自分で布を裁断して縫って、
 毎日ちがう服を着て。
 モダンジャズを聴いて、
 フォーレのレクイエムを聴いて。

「ますますゥ~」
「がるぅるる!」(←訳:おしゃれだ!)

 小田部さんから見た奥山さん。
 同僚であったひこねのりおさん、
 宮崎朱美さんから見た奥山さん。

 『なつぞら』の“なっちゃん”とは別人であれど、
 ドラマで使用された小道具――
 アニメ制作用のデスクや
 室内を彩っていた60~70年代の雑貨、
 ファッションを思い返しながら読み進むのは
 とても楽しいものでした。

 ドラマが終了してしまって、

「おじいィさァ~んッ!」
「ぐるるるが~る!」(←訳:てんようく~ん!)

 と、『なつそら』ロスに陥っている方々、
 アニメ史好きな方々は
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめですよ♪



 

 
 
コメント
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