テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 草花はささやく ~

2019-10-28 22:45:35 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 さいたましィはァ~おおさわぎィ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!大歓声です~!)

 こんにちは、ネーさです。
 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2019は
 なんと!
 エガン・ベルナルさん(ツール優勝者!)と
 プリモシュ・ログリッチェさん(ブエルタ優勝者!)を押さえ、
 新城幸也さんが優勝~!!
 大会開設7年目にして初の日本人優勝に
 今日もまた盛大な拍手を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪
 
  


 
      ―― ウィアリム・モリス ――


 
 解説・監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、
 2013年3月に発行されました。
 『クラシカルで美しいパターンとデザイン』と
 副題が付されています。

 拙ブログでたびたび御紹介しております
 海野弘さんによる《西洋アンティーク図版本》シリーズの、
 なかでもウィリアム・モリスさんを特集したこの御本は、
 評判も売れ行きも好調で、
 2019年前期の時点で7刷になっていますよ。

「わんだふるゥ~♫」
「ぐるる!」(←訳:快挙だ!)

 アート本のジャンルで7刷って、
 本当に凄いことだと思うんですけれど、
 ええ、この内容なら大納得です♪

 御本冒頭の、

 『ウィリアム・モリスの4つの世界』
 
 に始まり、

 第1章『モリスのデザイン』
 第2章『モリスの本の世界』
 第3章『モリスの旅は続く』

 という3つの章を一読すれば、
 モリスさんの生涯と業績が
 とても分かりやすく、
 すっきりと脳裏に染み込んでゆきます。

 とりわけて素晴らしいのは、
 本文の半分以上を占める
 モリスさんのパターン・デザイン!

「ふァいッ! てんらんかいィでェ、みましたでス!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:薔薇やアカンサス!)

 そうですね、
 モリスさん作品の展覧会で、
 あるいは英国リバティー社製作の
 テキスタイルや壁紙などで
 欧米・日本でもよく知られている図案を、
 海野さんはただ並べるだけではなく、
 テーマ、
 デザインの傾向、
 色調など、
 熟慮に熟慮を重ねて、
 非常に効果的な順序で
 取り上げて行くんです。

 はっきり言っちゃいますと、
 私ネーさが持っているモリスさんの展覧会の図録よりも、
 こちらの方が、
 モリスさんの仕事の全体像、
 志向と嗜好、
 どんなものを創り出そうと試みていたのか、
 といった事柄が
 グイグイと身に迫ってきます。

「ちゃれんじゃーだッたのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:冒険者でした!)

 モノが溢れる現代ならば当たり前のことでも、
 ヴィクトリア朝の、
 産業革命が闇雲に推し進められている時代、
 科学と新発明が大歓迎されている時代に、
 敢えて中世以前の時代の
 《古典》を模範とするデザインを再生させ、
 広めようとするのか。

 草花を主なモチーフとする作品に、
 モリスさんはどんな思い、願いを込めたのか――

「ひゃくねんッすぎてもォ~」
「がるるるるる!」(←訳:色褪せない美!)

 図版に添えられた海野さんによる解説の文章、
 モリスさんをめぐる人物たちを描いたコラムも
 必見必読ですよ。
 
 アート好きさん、
 テキスタイルデザイン好きな活字マニアさんは
 書店さんのアート本コーナーで
 探してみてくださいね。
 おすすめです♪
 
 
 
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