テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 古代ローマの将軍たち ~

2020-02-02 23:28:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あはァ! ならびィましたでスゥ~!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!2と0が!)

 こんにちは、ネーさです。
 2020、02/02……と、
 2と0が鏡像のように並んだ本日の読書タイムは、
 ずっしり重たい歴史ノンフィクション作品に、
 腕まくりして挑みましょう♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



     ―― 古代ローマ 名将列伝 ――



 著者はエイドリアン・ゴールズワージーさん、
 原著は2016年に、日本語版は2020年1月に発行されました。
 英語原題は『IN THE NAME OF ROMA The Men Who Won the Roman Empire』、
 古代ローマに於いて
 名将と謳われた15人の将軍たちを主軸に据えた
 “軍事から見たローマ史”です。

「ふァ~…こだいィろォーまァ~…」
「ぐるるるるぅ~…」(←訳:ムズかしそう~…)

 そうねえ、
 日本人の私たちにとって、
 縁が深い、とは言いにくいのが
 西洋の古代史でしょうか。

 でも、ここは敢えて、“軽く“考えてみましょう。
 古代ローマ戦史?
 そんなの、日本の戦国時代の信長さんや
 鎌倉時代の義経さんについての
 ノンフィクション戦記を読むのと同じさ!と。

「うむゥ~、えッ~とォ、まずゥはァ~…」
「がるるるるぐるる!」(←訳:ハンニバルさんだ!)

 やや長い序章の後、
 本文の第1章で取り上げられているのは、
 はい、いきなりのアルプス越えです。

 カルタゴの将軍ハンニバルさんによる、
 象を連れてのアルプス越え大遠征は、
 紀元前218年11月のことでした。

 けれど。
 ここでの主役は、ハンニバルさんではありません。

 主役は、ハンニバルさんを迎え撃つ、
 ローマ側の将軍さんふたり、
 クィントゥス・ファビウス・マクシムスさんと
 マルクス・クラウディウス・マルケッルスさん、なのです。

 ローマ元老院の予想を裏切って
 北イタリアに現れ、
 都市ローマに進撃せんとするハンニバル軍と、
 ふたりの将軍たちはどう闘うのか?

「ろーまッ、さいだいィのォききィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:大ピンチだよう!)

 他にも、
 ガイウス・マリウスさん、
 ポンペイウスさん、
 ほんの数ページだけですけれど
 剣闘士のスパルタクスさん、と
 《名将》さんたちが大勢登場するこの御本で、
 しかし、
 最高に存在感を放つのは、
 やっぱりどうしたって 
 ガイウス・ユリウス・カエサルさん、
 ということになりましょうか。

 著者・ゴールズワージーさん、
 第8章『ガリアにおけるカエサル』では、
 カエサル(英名:シーザー)さんの名著
 『ガリア戦記』冒頭の文章
 《ガリア全体は三つの部分に分かれていて》を、
 学校で習ったときの
 “ほんのりつらい思い出”とともに紹介しています。

 これって、
 『平家物語』の名文、
 《祇園精舎の鐘の声……》の暗記に
 日本の学生さんたちが苦労するのと
 似ているわね。

「ううゥ~むゥ!」
「がるぐる!」(←訳:同感です!)

 古代ローマが誇る名将にして政治家、
 《帝国》を作り上げようとした男、
 カエサルさん。

 もし彼が、凶刃に斃れなかったなら、
 世界はどのように変容していたのか。
 古代ローマは、
 どのような《国》になっていたのか。

 そんな思いを巡らせずにはいられなくなるのは、
 第15章『ローマ帝国最後の名将』と、
 最終章の第16章『後世へ』です。

 結局のところ、
 ローマとは、カエサルさんそのもの、だったのか。
 カエサルさん以後の将軍たちは、政治家たちは、
 誰ひとり、カエサルさんを凌駕できなかったのか……。

「れきしのォ、ふしぎィ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:疑問は尽きません!)

 古代のローマを動かした者たちは、
 何を考え、どう戦ったか。

 塩野七生さん著《ローマ人の物語》シリーズを
 愛読する歴史好きな活字マニアさんには
 特におすすめしたい『名将列伝』です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする