テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 旅か? 冒険か? ―

2020-02-06 22:32:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みみィがァ、こおるゥ~ッ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!尻尾も凍るよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 立春を過ぎたというのに、
 寒波が来襲!乾燥もMAX!
 なので室内でも指なし手袋をして
 キーボードを叩きながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪

  


 
      ―― エベレストには登らない ――



 著者は角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)さん、
 2019年12月に発行されました。
 『アグルーカの行方』『極夜行』『漂流』他のノンフィクション作品で
 日本中の冒険愛好家さんたちの熱視線を集める
 探検家・角幡さんが、
 雑誌『BE-PAL(ビーパル)』に2013年8月号から
 2018年8月号に連載したエッセイを
 加筆・修正して誕生したこの御本の主役は……

 ペネロペちゃんではありません。

「むむゥ! ざんねんッでスゥ!」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:期待してたんだけど!)

 先日ご紹介しました角幡さんの著書
 『探検家とペネロペちゃん』では、
 愛娘ペネロペちゃんの成長を中心に、
 東京の都心部のアスファルトジャングルから
 緑豊かな神奈川県の鎌倉へお引越ししたりと、
 角幡ファミリー激動の日々が綴られていました。

 この御本でも、
 ペネロペちゃんについて書かれた部分はありますが、
 全体を通しての主役は誰か、
 いえ、何かといえば、それは

 《冒険する心》

 であると申せましょうか。

「やめられないィんでス!」
「がるっるぅるるるる!」(←訳:ハマっちゃうんです!)

 吹雪の極地へ。
 シロクマがうろつく雪の原へ。

 北極圏での冒険をこよなく愛する角幡さんにして、
 しかし、決意がぐらんぐらんと
 揺らぎかける瞬間もあるのです。

 可愛い我が子、
 ペネロペちゃんと一緒に遊んで、
 その笑顔を目にしたとき、
 角幡さんは思うのでした。

 えーと、
 グリーンランド遠征を予定してたんだよな、おれ?
 で、グリーンランドで
 何をする予定なんだっけ?

「ぷふふッ♫」
「ぐるるっ♪」

 そう、新たな家族を得たことで、
 角幡さんのスタンスには
 ちょっぴり変化が生じます。

 いざ、北極へ出発!
 ただし、
 衛星電話を握りしめて!
 
 これがあれば、
 遠く離れていても
 妻と子の無事が確認できる。
 声も聞ける。
 ブリザードの中で正確な天気予報を知ることも、
 簡単に出来ちゃう。

 ……いや、うん、そのぅ、
 次の旅では、
 電話を持ってかないようにしようかな~……。

「まよいィも、ちょうせんもォ~」
「がるぐるるるがるる!」(←訳:全部まとめて冒険だ!)

 登山とは、スポーツなのか。
 GPSに頼りっぱなしで、いいのか。
 自己責任とは何か。
 海の民の、予想を上回るおおらかさ。
 ともに冒険に臨んだ犬を
 日本に連れてきたいんだけど、
 あまりにもハードルが高くて。

 第一章『山に登る。冒険をする』
 第二章『極地を旅する王道』
 第三章『新しい世界の創出』
 第四章『自然と対峙する感覚』

 という4つの章で語られる
 角幡さんの《冒険する心》、
 いえ、《冒険を希求する心》は、
 たまに、ゆらゆらと揺らいで……いるようにみえて、
 やっぱり岩のごとく堅固です。

「ことしはァ、どちらにィおでかけェでスかッ?」
「ぐるるる?」(←訳:アラスカ?)
「かなだッ?」

 『極夜行』ですっかり角幡さんのファンに!
 僕は『空白の五マイル』のときからファンだ!
 『BE-PAL』掲載時から読んでました!
 そんな冒険ノンフィクション好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
 
コメント
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