テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 回想の、《怖い絵》たち ~

2020-02-17 22:36:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かッかッ、かゆゥいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ゴロゴロだよう!)

 こんにちは、ネーさです。
 今年の花粉は先ず目から来る?
 半端ないゴロゴロ感にげっそりしてしまう
 こんな日の読書タイムは、
 大好きな作家さんのアート評論作品で、
 さあ、元気をチャージしましょう~♪

  



   ―― もっと知りたい『怖い絵』展 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、
 2019年11月に発行されました。
 代表作は、もちろん《怖い絵》シリーズ!
 ですが、
 2017年、中野さんの“新しい顔“が大評判となって
 ニュースにもなりましたよね。

「ながァ~いィ、ぎょうれつゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:上野にズラリ!)
 
 兵庫県立美術館と
 上野の森美術館で開催された
 『怖い絵』展には、
 大勢の美術ファンさんと
 美術館に行くのは初めて!なビギナーさんたちが
 長~い行列を作り、
 評判がまたSNSや口コミで評判を呼んで、
 館内はいつも大混雑!

 そして、著者・中野さんは、
 この『怖い絵』展の企画者さんでもあったのです。

「きかくゥからァ、じつげんッまでェ~」
「がるるぐ~るがるる!」(←訳:これも長~い道のり!)

 『怖い絵』展をやりませんか、と
 提案されたのは開催から7年前。
 その提案が、より現実的になったのは、
 5年前のことで、
 以来こつこつと、
 展示したい作品を選出し、
 世界のあちこちの美術館と貸出の交渉をして、
 展覧会の骨格は整いつつありました……が。

 足りない。
 展覧会の“顔“といえるような、
 観る者すべてを一瞬で惹きつける、
 美しくて《怖い》、
 そんな名品、名作が欲しい。

 できれば、それは――

「ひょうしィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:表紙のこの絵!)

 書籍《怖い絵》シリーズの表紙を飾り、
 この御本でも表紙画に使われている
 ドラローシュさん作
 『レディ・ジェーン・グレイの処刑』。

 ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する、
 日本ではまだ公開されたことのないこの作品を、
 展覧会の“顔“に!

「むむむゥ! むずかしィ~!」
「がるぐる!」(←訳:交渉難航!)

 御本の巻末には、
 中野さんをはじめ
 主要な企画者さんたちを右往左往させた顛末を描く
 《『怖い絵』展のできるまで》
 が収録されていて、
 アート好きな方々の共感とため息を誘うこと必定です。

 けれども、
 この御本の主役はやはり、
 『怖い絵』展に集結した作品それぞれの
 《怖さ》でしょうか。

 ターナーさん、モローさん、
 モッサさん、ウォーターハウスさん、
 ワッツさん、シムズさん……
 画家さんたちの作品に、
 画布の背後に、
 画家さんたち自身の人生に、
 にじみ、ふりかかり、湧き出す《怖さ》……。

「でもォ、めがァはなせないィのでス!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:知りたくなるんです!)

 この絵は、怖い。
 怖さの所以を知れば、いっそう怖い。
 それでもなお、
 その怖さは、忘れ難く、手放し難い――

 書籍《怖い絵》シリーズ刊行時から、
 展覧会で《怖い絵》を目にしてから、
 すっかりファンになっちゃったよ!という方々に、
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫
 
 
コメント
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