テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ふたつでひとつ、の物語 ~

2020-02-04 22:44:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 へんこうゥはァ、らいねんッからァ、なのでス!」
「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!一日ずれるよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 既に修正いたしましたが、
 私ネーさ、昨日は勘違いして、
 2月3日が立春などと書いてしまいました。
 暦の周期の関係で、2月3日が立春になるのは
 来年(2021年)のことなんですね。
 いまここで、あらためて、
 今日2月4日は立春!春が来た!と浮かれながら、
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



   ―― いつかの岸辺に跳ねていく ――



 著者は加納朋子(かのう・ともこ)さん、
 2019年6月に発行されました。
 デビュー作『ななつのこ』以来、
 ミステリ好きな活字マニア諸氏を魅了し続ける知者・加納さんの、
 こちらの最新長編作品は、
 はたして、ミステリなのか?
 それともファンタジーなのか??

「もしかァしたらァ?」
「ぐる?」(←訳:SF?)

 物語は、ふたつのパート――
 前半部分の『フラット』と、
 後半部分の『レリーフ』
 から成っています。

 『フラット』の語り手は、
 《俺》こと森野護(もりの・まもる)くん。

 護くんをひと言で形容しちゃうと、
 “気は優しくて、力持ち”。

 身体が大きくて、運動神経が良くって、
 でも、それをかさに着て
 威張ったり怒鳴ったりは決してしない、
 穏やかな性格。
 
 そんな護くんには、
 幼なじみがひとり、いるんですけど……

「こまッちゃッるんでスゥ!」
「がるぐるがるるるるる!」(←訳:もうワケわかんなくて!)

 護くんの幼なじみの、
 平石徹子(ひらいし・てつこ)ちゃんは、
 家が近所で、幼稚園から中学までは同じ学校に通い、
 同じクラスになることも多くて、
 なのに、そうして一緒にいる割に
 護くんは徹子ちゃんの行動に
 戸惑わされてばかりいます。

 急にクラスメイトの手をつかんで歩きだしたり。

 知らないおばあちゃんに抱きついたり。

 授業中、ぽろぽろと泣き出したり。

「ふァ~…ほんとゥにィ~…」
「ぐっるぅる!」(←訳:参っちゃう!)

 戸惑いはしても、優しい護くんは
 徹子ちゃんを突き放したりはしません。

 変わり者と見られ、
 周囲から浮き上がりがちな徹子ちゃんを、
 陰に日向に、一生懸命フォローして、
 あれこれと心配して。

「がくせいィ~せいかつゥ、ッてェ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:大変なんだもん!)

 雨風も吹く日があれば、
 花も咲く日も、
 寒い日もあれば
 暖かな日もある、
 護くんと徹子ちゃんの生活は、
 別の高校に通い、
 大学、社会人、と進むにつれ、
 少しずつ距離が生じてゆきます。

 それでも、
 微笑ましくもココロ和まされる、
 護くんの物語は……

 後半の、
 『レリーフ』に入るや、
 どすんと一転?!?

「でんぐりィがえしィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:ツバメ返し!)

 『レリーフ』では、
 語り手が変わり、
 必然的に物事への視点も変わります。

 一転、一変した物語の先に
 何が起こり、
 何が終わって何が始まるのか。
 それは……

「よんでのォおたのしみィ、なのでス!」
「がるぐるるがるぐるる!」(←訳:これ以上は秘密だよん!)

 護くんと、徹子ちゃん。
 ふたりの運命の振り子の、
 揺れる先にあるものは?

 読み手の予想を裏切り、
 同時にまた、
 見事に読み手の期待に応えてみせるエンタ作品であり、
 ミステリの要素も
 ファンタジーの要素も備えたスペシャルな作品を、
 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする