「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぱふゥ! きょうはァ、おひさしぶりのォ~」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!怖さ炸裂!)
こんにちは、ネーさです。
はい、ここのことろ、
アート本やノンフィクション作品、
短編集の御紹介が続いておりましたけれども、
本日の読書タイムは久々に、
ずっしり厚い長編小説作品の登場ですよ♪
さあ、こちらを、どうぞ~!
―― 黒武御神火御殿 ――
著者は宮部みゆきさん、2019年12月に発行されました。
『黒武御神火御殿』と書いて
『くろたけごじんかごてん』と読むこの御本は、
《三島屋変調百物語》シリーズの最新巻となる
《六之続》です。
「ちょッぴりィ、さみしィ~…」
「ぐるがるるるる……」(←訳:もういないんだ……)
袋物のお店としては
江戸の市中で評判も業績も群を抜く、
神田三島町の三島屋(みしまや)さん。
その三島屋さんの『黒白の間』で行われる
百物語の舞台から、
“聞き手”のおちかさんが
めでたくも退場したのは、
前巻『あやかし草紙』でのことでした。
「ことぶきィ~だッたのでスゥ!」
「がっるーぐぅるぅるる!」(←訳:ハッピーウェディング!)
おちかさんは
貸本屋さんの若主人さんと祝言を上げ、
『白黒の間』は空っぽに……なるところを、
後を継いで百物語の聞き手になったのは、
三島屋さんの次男坊、
富次郎(とみじろう)さん。
前巻までは、
従姉妹のおちかさんと一緒に
聞き手をつとめていましたが……。
「ひとりッてェ~…」
「ぐるるるがるぐるるる~…」(←訳:怖くないとは言えない~…)
見も知らぬ客人さんから、
想像したこともないような
恐ろしい話を聞く。
語って語り捨て、
聞いて聞き捨て、が
三島屋さんの百物語の身上ではあるものの、
考えてみれば、穏やかならぬ状況です。
たったひとりで、聞く。
いえ、控えの間には
守り役のお勝さんが、
富次郎さんを気遣い、
聞き耳を立ててくれているのだとしてもね、
富次郎さん自身もドキドキしています。
「そわそわッ!」
「がるるる!」(←訳:はらはら!)
でも、幸か不幸か。
『黒白の間』を訪うた人物とは。
「はッちゃんッ!」
「ぐるぅる!」(←訳:富ちゃん!)
かつて、同じ手習所に通っていた
豆腐屋さんの息子さん。
《豆源(まめげん)》という、
美味しいお豆腐屋さんの
八太郎(はちたろう)さんが、
富次郎さんの前に座っていたのでした。
元気そうで何よりだ、久しぶりだねえ、と
昔話に花が咲き、
お茶菓子を頬張るふたり。
が、お喋りを愉しみながらも、
富次郎さん、気が付いてしまうのです。
そう、はっちゃんは無駄話をするために
ここに来たんじゃないんだ。
はっちゃんは、
抱えている。
ゾッと鳥肌が立つような、
恐ろしい物語を……。
「きッ、きかないィわけにはァ~…」
「がるるるぐる!」(←訳:行かないよね!)
第一話『泣きぼくろ』
第二話『姑の墓』
第三話『同行二人』
そして表題作品である
第四話『黒武御神火御殿』
と、身の毛もよだつ4つの怖い話の連打を浴びて、
聞き手になって間もない富次郎さん、
耐えられるんでしょうか。
「おちついてェ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:深呼吸しよう!)
富次郎さんが
まさに歩みを進めようとしているのは
恐怖と痛苦の魔境なのか、
ひとの世の
哀しい涙の海なのか。
お江戸百物語のミステリアスな世界へ、
皆さまも、ぜひ♪
ぱふゥ! きょうはァ、おひさしぶりのォ~」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!怖さ炸裂!)
こんにちは、ネーさです。
はい、ここのことろ、
アート本やノンフィクション作品、
短編集の御紹介が続いておりましたけれども、
本日の読書タイムは久々に、
ずっしり厚い長編小説作品の登場ですよ♪
さあ、こちらを、どうぞ~!
―― 黒武御神火御殿 ――
著者は宮部みゆきさん、2019年12月に発行されました。
『黒武御神火御殿』と書いて
『くろたけごじんかごてん』と読むこの御本は、
《三島屋変調百物語》シリーズの最新巻となる
《六之続》です。
「ちょッぴりィ、さみしィ~…」
「ぐるがるるるる……」(←訳:もういないんだ……)
袋物のお店としては
江戸の市中で評判も業績も群を抜く、
神田三島町の三島屋(みしまや)さん。
その三島屋さんの『黒白の間』で行われる
百物語の舞台から、
“聞き手”のおちかさんが
めでたくも退場したのは、
前巻『あやかし草紙』でのことでした。
「ことぶきィ~だッたのでスゥ!」
「がっるーぐぅるぅるる!」(←訳:ハッピーウェディング!)
おちかさんは
貸本屋さんの若主人さんと祝言を上げ、
『白黒の間』は空っぽに……なるところを、
後を継いで百物語の聞き手になったのは、
三島屋さんの次男坊、
富次郎(とみじろう)さん。
前巻までは、
従姉妹のおちかさんと一緒に
聞き手をつとめていましたが……。
「ひとりッてェ~…」
「ぐるるるがるぐるるる~…」(←訳:怖くないとは言えない~…)
見も知らぬ客人さんから、
想像したこともないような
恐ろしい話を聞く。
語って語り捨て、
聞いて聞き捨て、が
三島屋さんの百物語の身上ではあるものの、
考えてみれば、穏やかならぬ状況です。
たったひとりで、聞く。
いえ、控えの間には
守り役のお勝さんが、
富次郎さんを気遣い、
聞き耳を立ててくれているのだとしてもね、
富次郎さん自身もドキドキしています。
「そわそわッ!」
「がるるる!」(←訳:はらはら!)
でも、幸か不幸か。
『黒白の間』を訪うた人物とは。
「はッちゃんッ!」
「ぐるぅる!」(←訳:富ちゃん!)
かつて、同じ手習所に通っていた
豆腐屋さんの息子さん。
《豆源(まめげん)》という、
美味しいお豆腐屋さんの
八太郎(はちたろう)さんが、
富次郎さんの前に座っていたのでした。
元気そうで何よりだ、久しぶりだねえ、と
昔話に花が咲き、
お茶菓子を頬張るふたり。
が、お喋りを愉しみながらも、
富次郎さん、気が付いてしまうのです。
そう、はっちゃんは無駄話をするために
ここに来たんじゃないんだ。
はっちゃんは、
抱えている。
ゾッと鳥肌が立つような、
恐ろしい物語を……。
「きッ、きかないィわけにはァ~…」
「がるるるぐる!」(←訳:行かないよね!)
第一話『泣きぼくろ』
第二話『姑の墓』
第三話『同行二人』
そして表題作品である
第四話『黒武御神火御殿』
と、身の毛もよだつ4つの怖い話の連打を浴びて、
聞き手になって間もない富次郎さん、
耐えられるんでしょうか。
「おちついてェ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:深呼吸しよう!)
富次郎さんが
まさに歩みを進めようとしているのは
恐怖と痛苦の魔境なのか、
ひとの世の
哀しい涙の海なのか。
お江戸百物語のミステリアスな世界へ、
皆さまも、ぜひ♪