テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 白い森の魔風 ~

2020-02-16 22:25:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱなそにッくゥ、つよしィ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!神戸製鋼も!)

 こんにちは、ネーさです。
 ラグビーのトップリーグは、第5節終了時点で
 首位パナソニックを神戸製鋼が追い、
 ヤマハ、クボタ、東芝も猛追!という様相です。
 次節では神戸と東芝が激突!
 選手さんたちスタッフさんたちに声援を送りながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



    ―― 《死に森》の白いオオカミ ――



 著者はグリゴーリー・ディーコフさん、
 原著は2013年に、日本語版は2019年12月に発行されました。

 《死に森》……というと、
 2018年の読書界で大きな話題を呼んだ
 『死に山:世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』
 を連想する方々もおられるでしょうが、
 いえいえ、これは、まったく別の物語なんです。

「やまァ、じゃなくてェ~」
「ぐるるるがるぐる1」(←訳:ロシアの森林だよ!)

 それは、昔むかしのこと。
 まあでも、紀元前のような大昔ではなくて、
 ピョートル大帝の頃の昔――17~18世紀の昔。

 ロシアの広大な森林の、
 川沿いの或る場所に
 小さな村が拓かれようとしていました。

 ヴィソツコエ村と名付けられたその村は、
 5つばかりの家から始まり、
 少しずつ人数が増えていって、
 そうなると……

「もッとォ、とちィをォ!」
「がるぐるるる!」(←訳:開拓しないと!)

 村の周りの森を焼き払って、
 土地を広げていっても、
 まだ足りない。もっと欲しい。
 
 川のこちら側はすっかりきれいにしてしまったから、
 そうだ、むこう岸も切りひらいて、
 麦をまこうじゃないか。
 もし麦がだめでも、
 牧場にして、牛でも放てばいいさ。

「もッとォ、ゆたかァにィ!」
「ぐっるがっる!」(←訳:もっともっと!)

 腕自慢力自慢の村人10人が、
 舟を漕ぎ、むこう岸へと渡ります。

 静かな、霧深い森に
 火が放たれ、
 黒く焼け焦げた跡地は
 《死に森》と呼ばれるようになりましたが……

 しばらくして、
 本格的な開墾に乗り出した村人たちの身に
 災厄が?

「あれはァ、おおかみィ~…!」
「がっるるぐるるる!」(←訳:こっちを見てるよ!)

 わからずやの村人たちに、
 知恵ある古老、
 機転がきく勇敢な若者と、
 《死に森》のヌシともいうべき白いオオカミ。

 さながら、ロシア版『遠野物語』?

 と言いたくなる展開に、
 魅力的なキャラクターが加わって、
 ストーリーの規模も拡大してゆきます。

「ふしぎなァ、たびびとさんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:放浪の異国者!)

 《死に森》の“魔”に魅入られた
 ヴィソツコエ村の運命は?
 古老の知恵は活かされるのか?
 放浪の異国者が果たす役割とは?
 
 書店さんや図書館では
 児童書のコーナーに配されているこの御本、
 大人の活字マニアさんにもおすすめですよ。
 特に、欧州史好きな方々は
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪


 
コメント
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