テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ テーブルに咲く甘い花 ~

2020-03-05 22:23:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こうちゃにィ、しまスかァ~?」
「がるる!ぐーるーがる?」(←訳:虎です!コーヒーかな?)

 こんにちは、ネーさです。
 お食事の後に、
 紅茶やコーヒー、緑茶といっしょにいただくのは、
 そう、甘いもの!ですね。
 本日の読書タイムは、
 甘いもの好き♪お菓子大好き♪な方々におすすめの、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
    ―― 図説 デザートの歴史 ――



 著者はジェリ・クィンジオさん、
 原著は2018年に、日本語版は2020年1月に発行されました。
 英語原題は『DESSERT:A Tale of Happy Endings』、
 《食事の最後の甘い至福、デザート》の歴史を考察する
 ノンフィクション作品です。

「でざーとォ、それはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:人類の友!)

 そうねえ、少なくとも現代社会では、
 美味しいデザートは人類の友であると
 言えなくもありませんが。

 著者・クィンジオさんは
 御本の序章『デザートに心奪われて』の中で、
 こう記しています。

  歴史的に言えば、
  デザートを単独で供するのは
  昔からあった慣習ではない。

  デザートという言葉は
  14世紀のフランスで使われていたが、
  当時は甘いものだけでなく
  辛い料理を意味することも多かったようだ。

 そして、『オックスフォード英語辞典』によれば、
 英語にデザートという言葉が生まれたのはもっと後、
 1600年以降のこと、であると。

「ええェ? そのォあたりィ?」
「がるるるぐるるる?」(←訳:関ヶ原の闘いの頃?)

 デザートの歴史はずずずい~っと古代ローマに遡り……
 なんていう展開を想像していた私ネーさ、
 あっさり肩透かしを喰らいました。
 古代ギリシアでもローマでも中世でもない、って、
 では、そのの歴史が
 どこから始まったのかを探せば。

  19世紀?

「ほわわッ! そんなにィさいきんッ??」
「ぐっるる!」(←訳:びっくり!)

 クィンジオさんいわく。

  19世紀まで、
  デザートという語は単に
  前の料理が下げられた後に出される料理
  という意味で使われていた――

 ふうむ、なるほど、
 つまりは産業革命の時代は
 食文化の転換期でもあったってことかしら。

「やぱりィ、さんぎょうゥかくめいィでスかァ~」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:歴史の山場なんだね!)

 第1章『古代から中世の食習慣』
 第2章『目で味わう』
 第3章『乳製品のよろこび』
 第4章『デザートの夢と現実』
 第5章『進化するデザート』
 第6章『編かは永遠に』

 と、6つの章で構成されるデザートの歴史、
 私ネーさは本文80ページで触れられている
 アントワーヌ・カレームさんのお話に
 ノックアウトされましたよ。

 “お菓子の父”とされる名パティシエ、カレームさん。

 フランス革命の災禍にも負けず、
 一心に突き進んでゆく
 カレームさんの本格的な伝記を読んでみたくなりました!

 また、著者・クィンジオさんは御本の終盤で、
 ヌーベルキュイジーヌの中でのデザートの変化、
 スペインの名店『エル・ブリ』(現在は閉店中)が
 もたらした余波や新技術など、
 現代のデザートの傾向をも
 大胆に分析しています。

 変化し続けるデザートは、
 この先、どこへ……?

「おいしさにィ~」
「ぐるがる?」(←訳:限界なし?)

 甘~い美味し~いデザートは、元気の源!

 マザー・グースに登場するお菓子たち、
 クィンジオさんのお家に伝わるデザートのレシピ、
 イラストや写真など多数の図版資料も楽しめるこの御本、
 お料理好きな方々はもちろん、
 歴史好きな方々にもおすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
 
コメント
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