テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 逆転の構図に拍手を! ―

2020-03-06 22:44:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むきゃきゃッ! とんでもォないィ~!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!目を白黒!)

 こんにちは、ネーさです。
 日本が、いえ、世界中が、あれやこれやで疲労困憊、
 気分も落ち込みがち~…な現在の状況ですが、
 こんな時だからこそ
 充実の読書タイムを過ごしましょう♪
 本日は、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
 ―― むかしむかしあるところに、死体がありました。 ――



 著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、
 2019年4月に発行されました。
 今年度の本屋大賞にノミネートされ、
 ベストセラーの上位にランクインしているこの作品は――

「みすてりィ!」
「ぐるるる!」(←訳:昔ばなし!)

 絵本やアニメで、

 《昔むかし、あるところに……》
 
 という一文から始まるのは、
 例えば、桃太郎くん一行の鬼退治であったり、
 美しい鶴さんが恩返ししてくれたり、
 枯れ木に花が咲いちゃったりする
 摩訶不思議なお話の数々。

 ええ、摩訶不思議で、
 あ~んまり摩訶不思議なものですから、
 いつのまにやら目を眩まされてしまうのですが、
 よく考えてみると。

 どのお話も、けっこうヘンじゃない?

「くすくすッ!」
「がるる!」(←訳:ぷふふ!)

 そんな“ヘンなお話“たちを、
 さらによりいっそうヘンにすると、
 驚くべきことに、
 ミステリになってしまいました。

 しかも、本格モノです!

「ふーだにッとォ!」
「ぐるがるっる!」(←訳:ハウダニット!)

 ここに収録されている、

 『一寸法師の不在証明』
 『花咲か死者伝言』
 『つるの倒叙がえし』
 『密室竜宮城』
 『絶海の鬼ヶ島』

 という5つの物語の物語の題名を目にすれば、
 原型となっているのはどの《昔ばなし》なのか、
 およその見当はつきましょう。

 『一寸法師の不在証明』は、
 ええ、そうです、
 身の丈一寸しかない冒険児・一寸法師さんが
 主人公……じゃなくて。

「しゅやくはァ、わきやくゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:逆転してるよ!)

 原話版『一寸法師』では
 キラキラと輝かしい立身出世を遂げる一寸法師。

 勇猛果敢&知力に優れた一寸法師は、
 脇役(もしくは準主役)・大臣家の引き立てを得て、
 上昇気流に乗ったのでした。

 それが、著者・青柳さんの手にかかると、
 主/脇の位置が逆転し、
 大臣家の側から、
 《何が起こったか》
 が語られることになります。

 ……或る日、突然現れたのは、
 身長3㎝の小さなひと。

 いや、ヒトなのか?
 インファント島に住む小美人の親戚?
 いやいや、小美人より小さいぞ?

 彼――一寸法師とは、何者なんだ?

「すりるとォ、さすぺんすゥ!」
「ぐるる~!」(←訳:手に汗~!)

 5つの《むかしむかし》話は、
 ミステリですからね、
 これ以上のストーリー紹介は厳禁です。

 まずは皆さま、
 手に取ってページを捲り、
 昔話の登場人物さんたちが
 大変貌してゆく展開を、
 笑ったり、呆れたりしながら、
 の~んびり満喫してくださいね。

 はたして、
 青柳さんの織り上げた物語の結末が、
 めでたしめでたし♪となるか否かは――

「それはァ、よんでのォ~」
「がるるるぐる!」(←訳:お楽しみです!)
 
 
コメント
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