テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 全力の、一冊 ~

2020-03-30 22:36:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょッくゥ、なのでスゥ~…!」
「がるる!ぐるるっるがるる~…」(←訳:虎です!嘘であってほしい~…)

 こんにちは、ネーさです。
 志村けんさんの訃報に接し、呆然としています。
 思い返せばチビっ子の頃、
 “笑い”とはどういうものなのか、
 ザ・ドリフターズのコントで学んだような気がいたします。
 志村さんのご冥福を冥福をお祈り申し上げますとともに、
 さあ、腹筋にグッとチカラを込めながら、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― 親鸞 全挿画集 ――



 著者は山口晃(やまぐち・あきら)さん、
 2019年2月に発行されました。
 2006年から2014年にかけて新聞に連載された
 五木寛之さんの小説『親鸞』の挿画として、
 山口さんが描きに描いた全1052点が収録されています。

「ぶあついィ!」
「ぐる!」(←訳:重い!)

 縦25.7㎝、横19㎝、
 厚さは4.3㎝!
 重量は……重すぎて分かりません!
 (キッチンスケールで計ろうとしたところ、
  エラーメッセージが表示されました)

 そして、内容もまた、
 ずっしり重い!

「ぜんぶのォ、ぺーじィがッ!」
「がるぐるがる!」(←訳:挿画挿画挿画!)

 全国の約40社の地方紙に連載されたことで
 大きな話題となった五木寛之さんの著作『親鸞』。

 けれど、『親鸞』が単行本となって世に出た折り、
 新聞連載を愛読していた多くの方々は、
 少なからず失望したといいます……

 だって、山口さんの挿画が無い~!

「そういうのォ、あるのでスゥ!」
「ぐるるがるぐるぅ~…」(←訳:大人の事情かなぁ~…)

 新聞や雑誌上で発表したときには
 作品に寄り添っていた挿絵が、
 書籍になったら、消えてきた……
 全体の雰囲気やデザインも
 なんとなく違っていた……

 よくあること、といえばそれまでですが、
 毎日、小説と挿絵の両方を楽しんでいた活字マニアさんにとっては
 ちょっとばかり酷な仕打ちです。

 あの挿絵、良かったよなあ……
 切り抜いておけばよかったなあ……
 と、気落ちしてしまいますよね。

「そこでッ!」
「がるるるぅるるるる!」(←訳:まとめちゃいました!)

 山口さんが描いた『親鸞』の挿画全作品を、
 一冊に。

 さらには、
 連載時にボツになった作品、
 山口さん御自身が気に入らなくて差し替えた作品を収録、
 各挿画に『絵解きコメント』を添え、
 画のサイズも大きく、
 印刷の精度もアップして、
 挿画集を超えた極上の画集になりました。

「がざいィ、いろいろォ~でス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:画調もいろいろ!)

 鉛筆、ペン、筆、
 墨、水彩。

 ごく真面目な印象の肖像画風のものから、
 風景画、水墨画、大和絵、絵巻物、
 版画のような線描や、
 現代風なイラスト、
 四コマ漫画を意識したもの、
 ゆるキャラたち、
 作者・五木寛之さんまで登場したり、
 画材も画題も自由自在、
 いやホントにもう、
 山口さんの画力の素晴らしさよ!

「おみごとォなのでスよゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:惚れ惚れです!)

 鎌倉時代の前半から中期の日本を生き、
 浄土真宗の宗祖となった親鸞聖人。

 山口さんが遠望した壮大な世界――
 親鸞さんの生涯、
 親鸞さんを囲む天地の有り様を、
 アート好きさん、
 歴史好きな方々は、
 ぜひ、覗いてみてくださいね。
 
 
コメント
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