テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ そして《謎》は 続く ~

2022-02-04 23:16:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 りッしゅゥ~んッ!」

「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!とりあえず春~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日2月4日は立春ですね♪

 春といっしょに

 疫病も戦争も無い平和な世界が来てくれるよう願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

    ―― 短編ミステリの二百年 6 ――

 

 

 編者は小森収(こもり・おさむ)さん、

 2021年12月に発行されました。

 『The Long History of Mystery Short Stories vol.6』

 と英語題名が付されています。

 

 2019年10月に刊行が始まった《短編ミステリの二百年》も、

 とうとうこの御本で最終巻となりました……

 まずは、編者・小森さんに労いの拍手を全力で!

 

「ぱちぱちぱちィ~!」

「ぐるーる!」(←訳:祝ゴール!)

 

 第1巻では、スティーヴンスンさん、

 モームさん、ウールリッチさん他の、

 19世紀後半~20世紀前半に発表された作品が

 紹介されていました。

 

 そして、この第6巻は、

 ルース・レンデルさん、ローレンス・ブロックさん他の、

 1960~70年代に発表された

 短編ミステリ12作品で構成されています。

 

 ……いえ、11作品? 12作品?

 どっちなのかしら?

 

「むむむゥ! これはァ~!」

「がるぐるるがるる??」(←訳:同じ作品がふたつ??)

 

 目次のページをひらけば、

 視線が吸い寄せられてしまうのは、

 英国の作家クリスチアナ・ブランドさんの作品名。

 

 『ジェミニ―・クリケット事件《アメリカ版》』

 と、

 『ジェミニ―・クリケット事件《イギリス版》』。

 

「おなじィ~だけどォ?」

「ぐるがぅるる!」(←訳:同じじゃない!)

 

 それは、

 篤志家として知られる弁護士さんが、

 自身の事務所で殺されていた、という事件です。

 

 ドアには内側からかんぬきが掛かっていて、

 警察が駆けつけたのは

 傷の状態から見て犯行の直後でしたから、

 当然のこと犯人は室内に……

 いない?

 

「いませんッ!」

「がるるぐる!」(←訳:つまり密室!)

 

 《アメリカ版》《イギリス版》とも、

 基本的なところに変わりはありません。

 同じプロットで、

 同じ犯人で、

 トリックも同じ。

 

 しかしながら、読後感は大きく変わります。

 《アメリカ版》を”折り目正しく”も

 優れたミステリとするなら、

 《イギリス版》は

 破調にして、有機的。

 

 この事件は、物語は、

 まだ終わっていないんじゃないか……?

 続きがあるんじゃないか……?

 そう思わされる”底知れなさ”が、

 読み手の背筋を凍らせます。

 

「もうゥ、ほとんどォ~」

「ぐるー!」(←訳:ホラー!)

 

  編者・小森さんが

 《20世紀最高の短編ミステリ》と絶賛する

 『ジェミニ―・クリケット事件』

 《アメリカ版》《イギリス版》両作は、

 この御本のメーンイベントとも申せましょう。

 

 ミステリ好きさんだけでなく、

 全活字マニアさんにおすすめの逸品です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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