「こんにちわッ、テディちゃでス!
りッしゅゥ~んッ!」
「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!とりあえず春~!)
こんにちは、ネーさです。
今日2月4日は立春ですね♪
春といっしょに
疫病も戦争も無い平和な世界が来てくれるよう願いつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 短編ミステリの二百年 6 ――
編者は小森収(こもり・おさむ)さん、
2021年12月に発行されました。
『The Long History of Mystery Short Stories vol.6』
と英語題名が付されています。
2019年10月に刊行が始まった《短編ミステリの二百年》も、
とうとうこの御本で最終巻となりました……
まずは、編者・小森さんに労いの拍手を全力で!
「ぱちぱちぱちィ~!」
「ぐるーる!」(←訳:祝ゴール!)
第1巻では、スティーヴンスンさん、
モームさん、ウールリッチさん他の、
19世紀後半~20世紀前半に発表された作品が
紹介されていました。
そして、この第6巻は、
ルース・レンデルさん、ローレンス・ブロックさん他の、
1960~70年代に発表された
短編ミステリ12作品で構成されています。
……いえ、11作品? 12作品?
どっちなのかしら?
「むむむゥ! これはァ~!」
「がるぐるるがるる??」(←訳:同じ作品がふたつ??)
目次のページをひらけば、
視線が吸い寄せられてしまうのは、
英国の作家クリスチアナ・ブランドさんの作品名。
『ジェミニ―・クリケット事件《アメリカ版》』
と、
『ジェミニ―・クリケット事件《イギリス版》』。
「おなじィ~だけどォ?」
「ぐるがぅるる!」(←訳:同じじゃない!)
それは、
篤志家として知られる弁護士さんが、
自身の事務所で殺されていた、という事件です。
ドアには内側からかんぬきが掛かっていて、
警察が駆けつけたのは
傷の状態から見て犯行の直後でしたから、
当然のこと犯人は室内に……
いない?
「いませんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:つまり密室!)
《アメリカ版》《イギリス版》とも、
基本的なところに変わりはありません。
同じプロットで、
同じ犯人で、
トリックも同じ。
しかしながら、読後感は大きく変わります。
《アメリカ版》を”折り目正しく”も
優れたミステリとするなら、
《イギリス版》は
破調にして、有機的。
この事件は、物語は、
まだ終わっていないんじゃないか……?
続きがあるんじゃないか……?
そう思わされる”底知れなさ”が、
読み手の背筋を凍らせます。
「もうゥ、ほとんどォ~」
「ぐるー!」(←訳:ホラー!)
編者・小森さんが
《20世紀最高の短編ミステリ》と絶賛する
『ジェミニ―・クリケット事件』
《アメリカ版》《イギリス版》両作は、
この御本のメーンイベントとも申せましょう。
ミステリ好きさんだけでなく、
全活字マニアさんにおすすめの逸品です。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪