テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 歩こう、世界を ~

2022-02-02 23:19:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あらためてェ、けッていィ~したのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!10日からです!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、

 開幕が延期されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』は

 2月10日~4月3日での開催が決定されました。

 お出掛け予定の方々は、展覧会公式HPで詳細をご確認くださいね。

 さあ、では、ここからは読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 歩くひと ――

 

 

 著者は谷口ジローさん、

 画像の『完全版』は2020年8月に発行されました。

 ええ、大人気のため、品切れになっていた谷口さんの代表作が、

 ようやく本屋さんに入荷し始めましたよ♫

 

「まッてましたでス!」

「ぐるるっる!」(←訳:ようやっと!)

 

 ええ、私ネーさも待ちかねていたこの御本、

 手に取ってみた瞬間、

 わーお!と驚きました。

 

 製本がステキに凝っていて、

 一般的な上製本ではなく、

 製本の途中段階でそのまま本にしてしまったような、

 コデックス装という方法で製作されています。

 

 そして、このコデックス装の特徴は、

 ”開きがいい”こと!

 

「おおきくゥ、どォ~んッ!」

「がーるるぐるるるるる!」(←訳:ページを開けられます!)

 

 コデックス装が採用された理由は、

 表紙を捲ってみれば、分かります。

 

 著者・谷口さん渾身の、

 細密に描き込んだ画は、

 ページを大きく開けた状態で、

 ひとコマひとコマずつ、

 急がず、慌てず、ゆっくりと鑑賞してゆかねば、

 もったいな~い!

 

「すこしずつゥ~!」

「ぐるがる!」(←訳:大切にね!)

 

 収録されているのは、

 『歩くひと』全17話と、

 是枝裕和さんによる解説『カタクリの花』、

 ルイ・ヴィトン社がフランスで刊行した東京のガイドブック

 『TOKYO LOUIS VUITTON CITY GUIDE2011』に掲載された

 『歩く…井の頭公園で』、

 欧州の出版社が刊行していたコミック誌『BANG!』に

 描き下ろされた『川を遡る』。

 

 どの作品もそれぞれに素晴らしく、

 ただただ溜め息しながら、

 このお話はいいなぁ、こっちのお話もいいなぁ、と

 眺め入っているのですけれども。

 

 世田谷文学館で原画を拝見した私ネーさとしては、

 第4話の『木のぼり』が

 もう大好きで大好きで♪

 

「みじかいィのにィ~!」

「がるぐるがるるるる!」(←訳:長編にも負けないよ!)

 

 わずか、8ページ。

 その8ページの中に、

 谷口さんは広大な物語を織り込みます。

 

 空を見上げ、

 枝を仰ぎ、

 木に登り、

 手を伸ばす。

 たったそれだけのことが、

 世界全体を見晴るかすような、

 ”無限”へとつながってゆく清々しさ。

 

「えいがァみたいィ!」

「ぐるるがるるるるるる!」(←訳:音楽が聞こえてきそう!)

 

 郊外の町の、

 路地を、小径を、公園を、

 ときには壁と壁の隙間や軒先を、

 歩く、歩く。

 ちょっと酔っていたり、

 暑さにバテかけたり、

 犬と一緒に、歩いて。歩いて。

 

 もし谷口ジローさんの作品に触れたいとお考えならば、

 谷口さん御自身が

 とても気に入っていらしたという

 『歩くひと』、その完全版を、

 全活字マニアの皆さま、

 ぜひ手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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