テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《古典》の幸福 ~

2023-07-03 22:04:45 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ~まんげつゥ!」

「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!鹿さんの満月だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月3日の満月は、英語圏では《Buck Moon(バックムーン)》、

 若い鹿の満月、を意味するそうですが、

 これが南半球へゆくと《Wolf Moon(ウルフムーン)=狼の月》に。

 夜空って動物園か!とツッコミながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― ぼくは古典を読み続ける ――

 

 

 著者は出口治明(でぐち・はるあき)さん、

 2023年2月に発行されました。

 『珠玉の5冊を堪能する』と副題が付されています。

 

 著者・出口さんが2018~2019年にかけて

 光文社で行った講義をベースとするこの御本では、

 《古典》とされる5作品を題材に、

 作品自体の魅力と、

 《古典》が持つ魅力を論じてゆきますよ。

 

「ゆうめいなァ~さくひんッ」

「ぐるるるるーがる!」(←訳:ロングセラーです!)

 

   ダーウィンさん著『種の起源』。

 

   プラトンさん著『ソクラテスの弁明』。

 

   ジュール・ヴェルヌさん著『地底旅行』。

 

   ジョン・ロックさん著『市民政府論』。

 

   唯円さん著、親鸞さん述『歎異抄(たんにしょう)』。

 

 と、微妙にハードルが高い……かもしれない5冊の中で、

 私たちがいちばん親近感を覚えるのは、

 そうね、やっぱりヴェルヌさんの作品でしょうか。

 

「ちていでェ、だいぼうけんッ!」

「がるるるるぐるるる!」(←訳:単純にしてパワフル!)

 

 『地底旅行』が刊行されたのは、1864年のことでした。

 地のはるか底を旅する――

 書き方によっては、法螺話かデタラメか、

 となってしまう作品を、

 ヴェルヌさんはアイディアあふれるストーリーで

 読者を地底世界へ引き込み、

 これからどうなる?と、手に汗を握らせて、ハラハラドキドキ。

 

 この”面白さ”こそが《古典》のキモであると、

 著者・出口さんは指摘します。

 

 現在も世界中で読まれている『地底旅行』。

 その理由は、面白いから。

 

 そして、

 《古典》がなぜ面白いかというと、

 そもそも面白いものしか残っていないから。

 

「うふふゥ!」

「ぐるる!」(←訳:名言だ!)

 

 また、上記の5作品以外の、

 出口さんおすすめの《古典》ブックリストや、

 コラムなども収録されていて、

 このコラム『読書の愉しみ』がまた傑作です。

 

   本を読もうとして挫折したことは、

   子どもの頃からいっぱいあります。

   人間には好みがありますから、

   100冊のうち、2、3冊読めれば十分です。

   自分に合うものを読めばいいのです。

 

 だなんて!(本文133ページから引用いたしました)

 

「おおおッ! ふとッぱらッ!」

「がるるぐるるる……!」(←訳:それでいいんだ……!)

 

 本を読む――

 何千何万何億もの書物の中から、

 とある作品と出会って、

 一心に読みふける。

 

 その幸福と幸運があらためて身に沁みる一冊です。

 《古典》マニアさんも、

 新作好きな方々も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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