「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむッ! あついィ~ときィにはァ~」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!これだ!)
こんにちは、ネーさです。
暑い夏に《涼》を求めるなら、
そう、怖~い話で震え上がりましょう!
という次第で、本日の読書タイムは、
こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― アンソロジー 死神 ――
編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、
2023年3月に発行されました。
“信頼のアンソロジスト“東さんが収集したのは、
《死神》をテーマにした小説、童話、漫画、落語など、
古今東西の名品11作品です。
表紙を捲れば、
織田作之助さんの未完作品『死神』、
三遊亭円朝さん/三遊亭金馬(二代目)さんの『死神』、
円朝さんの『死神』の原典のひとつとされる
グリム童話の『死神の名付け親』
といった歴史的傑作が並んでおりますが、
存在感の点で他を圧倒しているのは――
「これでスねッ!」
「ぐるがる!」(←訳:これだよ!)
水木しげる さん作
『死神のささやき』。
『コケカキイキイ外伝《4》』と副題が付されたこの作品には、
鬼太郎くんも目玉のお父さんも出てこないのですけれど、
代わりに……
作家・三島由紀夫さんが準主役に??
「ふァ?」
「がるぐるる??」(←訳:三島さんが??)
16ページほどの短い作品ではありますが、
『死神のささやき』に描かれているのは、
三島さんの“事件”を
同時代で体験した人にしか描き得ない複雑な感情です。
紙に書かれた文章で知り、
フィルムに残された映像で眺めるのみ、な私たちと違って、
“市ヶ谷の事件”をリアルタイムで経験した水木さんは、
そこにどんな“感情“を見て取ったのか……
怖くもあり、虚しさもあり、
読後もいろいろと考えさせられる作品ですね。
「いろいろなァおもいィとォ~」
「ぐるるるがるぐるるる!」(←訳:いろんな姿の死神さん!)
落語『死神』の由来を知りたい方々は、
巻末の、編者・東さんによる解説を
読み逃さないでくださいね。
ひんやり気分を味わいたい方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいな~♪