テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夏の読書は、ひんやりと。 ~

2023-07-09 22:58:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむッ! あついィ~ときィにはァ~」

「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!これだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 暑い夏に《涼》を求めるなら、

 そう、怖~い話で震え上がりましょう!

 という次第で、本日の読書タイムは、

 こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― アンソロジー 死神 ――

 

 

 編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、

 2023年3月に発行されました。

 “信頼のアンソロジスト“東さんが収集したのは、

 《死神》をテーマにした小説、童話、漫画、落語など、

 古今東西の名品11作品です。

 

 表紙を捲れば、

 織田作之助さんの未完作品『死神』、

 三遊亭円朝さん/三遊亭金馬(二代目)さんの『死神』、

 円朝さんの『死神』の原典のひとつとされる

 グリム童話の『死神の名付け親』

 といった歴史的傑作が並んでおりますが、

 存在感の点で他を圧倒しているのは――

 

「これでスねッ!」

「ぐるがる!」(←訳:これだよ!)

 

 水木しげる さん作

 『死神のささやき』。

 

 『コケカキイキイ外伝《4》』と副題が付されたこの作品には、

 鬼太郎くんも目玉のお父さんも出てこないのですけれど、

 代わりに……

 

 作家・三島由紀夫さんが準主役に??

 

「ふァ?」

「がるぐるる??」(←訳:三島さんが??)

 

 16ページほどの短い作品ではありますが、

 『死神のささやき』に描かれているのは、

 三島さんの“事件”を

 同時代で体験した人にしか描き得ない複雑な感情です。

 

 紙に書かれた文章で知り、

 フィルムに残された映像で眺めるのみ、な私たちと違って、

 “市ヶ谷の事件”をリアルタイムで経験した水木さんは、

 そこにどんな“感情“を見て取ったのか……

 

 怖くもあり、虚しさもあり、

 読後もいろいろと考えさせられる作品ですね。

 

「いろいろなァおもいィとォ~」

「ぐるるるがるぐるるる!」(←訳:いろんな姿の死神さん!)

 

 

 落語『死神』の由来を知りたい方々は、

 巻末の、編者・東さんによる解説を

 読み逃さないでくださいね。

 ひんやり気分を味わいたい方々も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいな~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする