「こんにちわッ、テディちゃでス!
がいしゅつゥはァ、ちゅういィ~でスよゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!熱中症に警戒を!)
こんにちは、ネーさです。
日中の戸外は、まさに“危険な暑さ“でしたね。
陽も暮れて涼しいお部屋でリラックスしたら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― Xだらけの社説 ――
著者はエドガー・アラン・ポーさん、2023年3月に発行されました。
『X-ing a Paragrab』と英語題名が、
『ポー傑作選3 ブラックユーモア編』と日本語副題が付されています。
エドガー・アラン・ポーさん(1809~1849)といえば、
“ミステリの父”とされる作家さんであり、
詩作にも秀で、
母国アメリカよりも欧州で高く評価され、
私生活は不幸続きで……といった事柄が話題になりがちですが。
こういう作品も、話題にしてほしい~!
「にやりィ!とわらッちゃうゥ~」
「ぐるるるるがーるる!」(←訳:ヒネくれたユーモア!)
この御本に収録されているのは、
風刺小説、謎かけ詩、創作論など、
ブラックな笑いが顕著な作品23篇です。
河合祥一朗さんによる新訳は、
見事に韻を踏んでいたり、独特のリズムがあったり、
とっても楽しくて……また同時に、
怖い……!
「むむゥ、これはァ、たぶんッ?」
「がるっるぐるー……!」(←訳:ゴシックホラー……!)
その“怖さ”ゆえ、
私ネーさがおすすめしたいのは、
『メッツェンガーシュタイン』。
1832年1月発行の『サタデー・クーリエ』誌に掲載されたもので、
初めて活字になったポーさんの小説だったといいますから、
記念碑的作品と位置付けられましょうか。
ハンガリーを舞台に繰り広げられるのは、
ふたつの名家――
メッツェンガーシュタイン家と
バーリフィッツィング家の
数代にわたる争いです。
「きなくさいィ!」
「がるるぐる!」(←訳:妬みや悪口!)
メッツェンガーシュタイン男爵フレドリックさんは
まだ成年に達していない18歳、
ハンガリー貴族随一の財産家で、
一方のバーリフィッツィング伯爵ウィリアムさんは
身体が弱ったご老人。
ああ……勝敗は明らか、ですね。
目に余る裏切り、
前代未聞の残虐な行為を重ね、
若きメッツェンガーシュタイン男爵は
老いたバーリフィッツィング伯爵をじわじわと追い詰め、
ついに勝利!
……したはず、でしたが……。
「つまりィ、いわゆるゥ~」
「ぐーるるる!」(←訳:ブーメラン!)
悪事は必ず返ってくる。
報いは、必ず、ある。
メッツェンガーシュタイン男爵の物語とともに、
もうひとつ、激おすすめしたいのは
巻末に収録されている
訳者・河合さんによる評論『ポーの文学闘争』です。
ええっ?ポーさんてそういう人だったの?
と驚かされる快作を、
皆さま、ぜひ、読み逃さないでくださいね~♪