テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ポーさんって、そういうひと。 ~

2023-07-06 22:30:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 がいしゅつゥはァ、ちゅういィ~でスよゥ!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!熱中症に警戒を!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 日中の戸外は、まさに“危険な暑さ“でしたね。

 陽も暮れて涼しいお部屋でリラックスしたら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― Xだらけの社説 ――

 

 

 著者はエドガー・アラン・ポーさん、2023年3月に発行されました。

 『X-ing a Paragrab』と英語題名が、

 『ポー傑作選3 ブラックユーモア編』と日本語副題が付されています。

 

 エドガー・アラン・ポーさん(1809~1849)といえば、

 “ミステリの父”とされる作家さんであり、

 詩作にも秀で、

 母国アメリカよりも欧州で高く評価され、

 私生活は不幸続きで……といった事柄が話題になりがちですが。

 

 こういう作品も、話題にしてほしい~!

 

「にやりィ!とわらッちゃうゥ~」

「ぐるるるるがーるる!」(←訳:ヒネくれたユーモア!)

 

 この御本に収録されているのは、

 風刺小説、謎かけ詩、創作論など、

 ブラックな笑いが顕著な作品23篇です。

 

 河合祥一朗さんによる新訳は、

 見事に韻を踏んでいたり、独特のリズムがあったり、

 とっても楽しくて……また同時に、

 怖い……!

 

「むむゥ、これはァ、たぶんッ?」

「がるっるぐるー……!」(←訳:ゴシックホラー……!)

 

 その“怖さ”ゆえ、

 私ネーさがおすすめしたいのは、

 『メッツェンガーシュタイン』。

 

 1832年1月発行の『サタデー・クーリエ』誌に掲載されたもので、

 初めて活字になったポーさんの小説だったといいますから、

 記念碑的作品と位置付けられましょうか。

 

 ハンガリーを舞台に繰り広げられるのは、

 ふたつの名家――

 メッツェンガーシュタイン家と

 バーリフィッツィング家の

 数代にわたる争いです。

 

「きなくさいィ!」

「がるるぐる!」(←訳:妬みや悪口!)

 

 メッツェンガーシュタイン男爵フレドリックさんは

 まだ成年に達していない18歳、

 ハンガリー貴族随一の財産家で、

 一方のバーリフィッツィング伯爵ウィリアムさんは

 身体が弱ったご老人。

 ああ……勝敗は明らか、ですね。

 

 目に余る裏切り、

 前代未聞の残虐な行為を重ね、

 若きメッツェンガーシュタイン男爵は

 老いたバーリフィッツィング伯爵をじわじわと追い詰め、

 ついに勝利!

 ……したはず、でしたが……。

 

「つまりィ、いわゆるゥ~」

「ぐーるるる!」(←訳:ブーメラン!)

 

 悪事は必ず返ってくる。

 報いは、必ず、ある。

 

 メッツェンガーシュタイン男爵の物語とともに、

 もうひとつ、激おすすめしたいのは

 巻末に収録されている

 訳者・河合さんによる評論『ポーの文学闘争』です。

 ええっ?ポーさんてそういう人だったの?

 と驚かされる快作を、

 皆さま、ぜひ、読み逃さないでくださいね~♪

 

 

コメント
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