「こんにちわッ、テディちゃでス!
…………でこぴんッ??」
「がるる!ぐるるるがぅる!」(←訳:虎です!デコピンちゃん!)
こんにちは、ネーさです。
大谷翔平さんの愛犬ちゃんの名が
『デコピン』だと知って、朝からクスクスwww♫
デコピンちゃんとご主人のいっそうの健勝を祈りつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ロスチャイルドの女たち ――
著者はナタリー・リヴィングストンさん、
原著は2021年に、日本語版は2023年11月に発行されました。
英語原題は『THE WOMEN OF ROTHSCHILD』、
世界で最も知られる”お金持ち一族“ロスチャイルド家の、
女性たちをテーマとするノンフィクション作品です。
「えいきょうりょくゥ、はんぱないィのでスゥ!」
「ぐるるるがるるぐるるがるる!」(←訳:金融業に政治に科学にワイン!)
ロスチャイルド、というのは英語読みで、
フランス語では、ロシルト、だったでしょうか。
欧州各国にベースを持つロスチャイルド家が誕生したのは、
しかし、英国でもフランスでもなく、
都市フランクフルト(現在はドイツ)の
ゲットー(ユダヤ人街)でした。
1753年、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドさんと
グートレ・シュナッパーさんが結婚、
若いふたりはゲットーの中で暮らしながら、
古物や雑貨などを商い始め、
少しずつ手を広げて、
やがて、金貸しへ、
そして本格的な銀行業へと
事業を拡大させてゆきます。
そういった、フランクフルトのロスチャイルドが、
欧州きっての銀行家ロスチャイルド一族になるまでを
詳しく調べ上げ、論じた書物は
既に多数出版されているものの。
それらの殆どは、
ロスチャイルド家の男性を中心とするもの。
では、ロスチャイルド家の女性についての書物は?
なぜ無いのだろうか?
と、著者・リヴィングストンさんは疑問を持ちました。
「そこォ、だいじィなのでス!」
「がるぐるる!」(←訳:肝心かなめ!)
実は、ロスチャイルド家の金融基盤を造ったのは、
グートレさんと彼女の娘さんたちだったのです。
仕事の帳簿をつけ、
金銭の出納を厳しく管理していたのは、グートレさん。
ロスチャイルド家が莫大な財産を築くに到ったのは、
グートレさんの手腕あってこそ、と言えましょう。
「それなのにィ~!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:ひどいんだよう!)
グートレさんの夫・マイヤーさんは、
自分の妻、娘、義理の娘たちが
事業に関心を抱くこと、
商売関係の書類や文書を見ることも
堅く禁じました。
遺言書にも、
男子の名はあっても、
娘さんや孫娘さんの名はありません。
19世紀ではこれが普通なのか、
ユダヤ文化では絶対的な家父長制度が基本なのだろうか、
などと考えてしまいますが……。
「そうはァ~いかないィぜッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:変化よ来たれ!)
文句も言わず夫を手助けしていた
グートレさんの世代から、
次の世代へ、その次へ、と時代が進むにつれ、
ロスチャイルド家の女性たちの役割は
大きな変化を遂げます。
政治活動、社会福祉、
作曲家、画廊の運営、昆虫学などなど、
金融以外の分野で大躍進。
特に、
チャーリー・パーカーさん、セロニアス・モンクさんの後援者となった
ニカ・ロスチャイルドさん(1913~1988)
の生涯を描いた章は不思議な美しさに満ちています。
ジャズの、ピアノの音色が底流となっているかのような。
「そしてェ、げんざいィ……!」
「ぐるるがるるる?」(←訳:どこへ向かうの?)
19世紀~20世紀、
西欧の国々を背後から動かしたとさえ噂された
ロスチャイルド家――
世界が予測できぬスピードで変容してゆく現代、
一族の女性たちは、21世紀をどう過ごすのか。
ずっしり厚い一冊は、
ノンフィクション好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
冬休みの読書リストに、ぜひ、加えてくださいね~♪