テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 古習を離れて ~

2023-12-15 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 …………でこぴんッ??」

「がるる!ぐるるるがぅる!」(←訳:虎です!デコピンちゃん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大谷翔平さんの愛犬ちゃんの名が

 『デコピン』だと知って、朝からクスクスwww♫

 デコピンちゃんとご主人のいっそうの健勝を祈りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ロスチャイルドの女たち ――

 

 

 著者はナタリー・リヴィングストンさん、

 原著は2021年に、日本語版は2023年11月に発行されました。

 英語原題は『THE WOMEN OF ROTHSCHILD』、

 世界で最も知られる”お金持ち一族“ロスチャイルド家の、

 女性たちをテーマとするノンフィクション作品です。

 

「えいきょうりょくゥ、はんぱないィのでスゥ!」

「ぐるるるがるるぐるるがるる!」(←訳:金融業に政治に科学にワイン!)

 

 ロスチャイルド、というのは英語読みで、

 フランス語では、ロシルト、だったでしょうか。

 欧州各国にベースを持つロスチャイルド家が誕生したのは、

 しかし、英国でもフランスでもなく、

 都市フランクフルト(現在はドイツ)の

 ゲットー(ユダヤ人街)でした。

 

 1753年、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドさんと

 グートレ・シュナッパーさんが結婚、

 若いふたりはゲットーの中で暮らしながら、

 古物や雑貨などを商い始め、

 少しずつ手を広げて、

 やがて、金貸しへ、

 そして本格的な銀行業へと

 事業を拡大させてゆきます。

 

 そういった、フランクフルトのロスチャイルドが、

 欧州きっての銀行家ロスチャイルド一族になるまでを

 詳しく調べ上げ、論じた書物は

 既に多数出版されているものの。

 

 それらの殆どは、

 ロスチャイルド家の男性を中心とするもの。

 

 では、ロスチャイルド家の女性についての書物は?

 なぜ無いのだろうか?

 と、著者・リヴィングストンさんは疑問を持ちました。

 

「そこォ、だいじィなのでス!」

「がるぐるる!」(←訳:肝心かなめ!)

 

 実は、ロスチャイルド家の金融基盤を造ったのは、

 グートレさんと彼女の娘さんたちだったのです。

 

 仕事の帳簿をつけ、

 金銭の出納を厳しく管理していたのは、グートレさん。

 ロスチャイルド家が莫大な財産を築くに到ったのは、

 グートレさんの手腕あってこそ、と言えましょう。

 

「それなのにィ~!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:ひどいんだよう!)

 

 グートレさんの夫・マイヤーさんは、

 自分の妻、娘、義理の娘たちが

 事業に関心を抱くこと、

 商売関係の書類や文書を見ることも

 堅く禁じました。

 

 遺言書にも、

 男子の名はあっても、

 娘さんや孫娘さんの名はありません。

 

 19世紀ではこれが普通なのか、

 ユダヤ文化では絶対的な家父長制度が基本なのだろうか、

 などと考えてしまいますが……。

 

「そうはァ~いかないィぜッ!」

「がるるぐるる!」(←訳:変化よ来たれ!)

 

 文句も言わず夫を手助けしていた

 グートレさんの世代から、

 次の世代へ、その次へ、と時代が進むにつれ、

 ロスチャイルド家の女性たちの役割は

 大きな変化を遂げます。

 

 政治活動、社会福祉、

 作曲家、画廊の運営、昆虫学などなど、

 金融以外の分野で大躍進。

 

 特に、

 チャーリー・パーカーさん、セロニアス・モンクさんの後援者となった

 ニカ・ロスチャイルドさん(1913~1988)

 の生涯を描いた章は不思議な美しさに満ちています。

 ジャズの、ピアノの音色が底流となっているかのような。

 

「そしてェ、げんざいィ……!」

「ぐるるがるるる?」(←訳:どこへ向かうの?)

 

 19世紀~20世紀、

 西欧の国々を背後から動かしたとさえ噂された

 ロスチャイルド家――

 世界が予測できぬスピードで変容してゆく現代、

 一族の女性たちは、21世紀をどう過ごすのか。

 

 ずっしり厚い一冊は、

 ノンフィクション好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 冬休みの読書リストに、ぜひ、加えてくださいね~♪

 

コメント
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