「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぶるるゥ! みみがァ~こおッちゃうゥ!」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!鼻も凍るよ~!)
こんにちは、ネーさです。
シモヤケの恐怖をひしひしと感じつつ、
たっぷりのハンドクリームでマッサージを終えたら、さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 世界でいちばん透きとおった物語 ――
著者は杉井光(すぎい・ひかる)さん、
2023年5月に発行されました。
『The clearest story in the world』と英語題名が付されています。
2023年の各ミステリ ランキングで上位に食い込み、
年末のいま、本屋さんの特設コーナーで脚光を浴びている
文庫作品のテーマは……
探しもの?
「どなたかァ、みかけませんでしたかァ~?」
「ぐるるるがるるる~!」(←訳:原稿用紙600枚~!)
語り手の“僕”こと
藤坂燈真(ふじさか・とうま)さんは、
先年、お母さんを交通事故で亡くしたばかり。
まだ気持ちを沈ませている彼のもとに、
或る日もたらされたのは、
父親が亡くなったという報せでした。
そうと聞かされても、
燈真くんに実感はありません。
父とは一度も会ったことがない。
有名なミステリ作家だったそうだけど、
作品を読んだこともない。
遠い存在、としか言いようがない。
「ふァ? あッたことォ、ないィのでスかァ~?」
「がるるぐるる~…!」(←訳:それは寂しい~…!)
表面はともかく、
燈真くんのこころの内側では
複雑な思いが渦巻きます。
そして、その渦をさらに掻き回し、
波立てるような出来事が起こりました。
父の息子だという人物が、
燈真さんに問うのです。
遺作は、どこだ?
原稿用紙にして600枚ほど、
父が書いていた最後の作品『世界でいちばん透きとおった物語』は、
いったいどこにある?
あんたが預かっていたんじゃないのか?
「はァ??」
「ぐるる???」(←訳:はああ???)
係わりたくない
と強く思い、同時にまた、
知っておきたい、
とも思う燈真さん。
戸惑いながら、父親の過去を探ってゆく事態に。
「どこにィ~あるゥのかなァ?」
「がるぐっるるる?」(←訳:誰が持ってるの?)
その答えは……って、ええ、この先はもう土足禁止、
ネタバレ厳禁ですから、
お喋りすることは出来ませんが。
著者・杉井さんの創意工夫、
切れ味あるギミックは
ミステリ好きさん必読!ですよ。
はたして、原稿の所在は。
燈真さんの想いの行方は。
沸騰する数多の《?》をすっきりさせるためにも、
ミステリ&エンタ作品好きな活字マニアさんは、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪