テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ゆっくり味わう、カカオの旅程 ~

2023-12-06 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゆのォ~たのしみとォいえばァ~」

「がるる!ぐるるがぅる!」(←訳:虎です!それはチョコ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 チョコレートの美味しさが増す季節――冬がやって来ました。

 本日の読書タイムは、こちらの御本で、

 さあ、ショコラ三昧を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― ひと粒のチョコレートに ――

 

 

 文は佐藤清隆(さとう・きよたか)さん、

 絵はjunaida(ジュナイダ)さん、2021年4月に発行されました。

 

 表紙に描かれているのは、

 赤い包み紙から覗く美味しそうな板チョコ……

 これはきっと、チョコレートをめぐる

 大冒険ファンタジー絵本に違いない!

 と思ってしまうんですけれども。

 

「むふふふゥ、ほんとゥはねッ」

「ぐるがるるる~!」(←訳:硬派なんだよ~!)

 

 いえ、チョコレートが硬い柔らかいの話ではなくて。

 

 ほとんど理系です。

 科学です。

 

   チョコレートは、どこから来たのか。

   なぜ、私たちはチョコレートを

   “美味しい“と感じるのか。

 

 この疑問に本気で答える

 ノンフィクション作品なんです。

 

「そこでェ、さとうさァ~んッ!」

「がるぐる!」(←訳:出番です!)

 

 文章を担当している佐藤清隆さんは、

 カカオの油の性質を研究し、

 テンパリングの科学的意義

 (6種類あるカカオの油の結晶をチョコレートに最適なV型にする)を

 世界で初めて解明したという、

 カカオ科学界のマエストロさんです。

 

 佐藤さんが語るのは、

 チョコレートの性質、

 カカオ豆の産地や、歴史、

 チョコレートに作り上げるまでの膨大な作業、流通、

 より美味しいチョコレートを作るための試行錯誤……

 そうして完成した“ひと粒のチョコレート“は、

 

  《自然の持つ力と人の技術が合わさった、

   奇跡のような結晶》

 

 であること。

 

「たいせつにィ~いただきまスゥ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:心して食べます!)

 

 そして、絵によって《カカオの奇跡》を語るのは、

 画家junaidaさんの美しい水彩画です。

 

 金の冠を被った

 小さなお菓子の王様が、

 カカオの農園の小径を歩き、

 実ったカカオ豆を検分し、

 南米から欧州へと伝わったカカオを相手に、

 あれかこれかと研究の末、

 苦みをおさえる方法が発見されて

 大喜び~!

 

 といった場面の数々は、

 チョコ大好きな私たち、落涙してしまうじゃありませんか。

 

「みるくゥちょこれいとォ……!」

「がるるっるぐるるるるる……!」(←訳:こうやって生まれたんだ……!)

 

 チョコレートという、

 《奇跡》のお菓子が歩んだ道を描いた

 佐藤さん×junaidaさんによる

 “科学絵本”は、

 チョコ好き&絵本好きな方々に、

 理系の活字マニアさんにも

 激おすすめです。

 可愛い赤い色合いの表紙を目印に、

 本屋さんの絵本コーナーで、ぜひ~♪

 

 

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