「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふゆのォ~たのしみとォいえばァ~」
「がるる!ぐるるがぅる!」(←訳:虎です!それはチョコ!)
こんにちは、ネーさです。
チョコレートの美味しさが増す季節――冬がやって来ました。
本日の読書タイムは、こちらの御本で、
さあ、ショコラ三昧を、どうぞ~♪
―― ひと粒のチョコレートに ――
文は佐藤清隆(さとう・きよたか)さん、
絵はjunaida(ジュナイダ)さん、2021年4月に発行されました。
表紙に描かれているのは、
赤い包み紙から覗く美味しそうな板チョコ……
これはきっと、チョコレートをめぐる
大冒険ファンタジー絵本に違いない!
と思ってしまうんですけれども。
「むふふふゥ、ほんとゥはねッ」
「ぐるがるるる~!」(←訳:硬派なんだよ~!)
いえ、チョコレートが硬い柔らかいの話ではなくて。
ほとんど理系です。
科学です。
チョコレートは、どこから来たのか。
なぜ、私たちはチョコレートを
“美味しい“と感じるのか。
この疑問に本気で答える
ノンフィクション作品なんです。
「そこでェ、さとうさァ~んッ!」
「がるぐる!」(←訳:出番です!)
文章を担当している佐藤清隆さんは、
カカオの油の性質を研究し、
テンパリングの科学的意義
(6種類あるカカオの油の結晶をチョコレートに最適なV型にする)を
世界で初めて解明したという、
カカオ科学界のマエストロさんです。
佐藤さんが語るのは、
チョコレートの性質、
カカオ豆の産地や、歴史、
チョコレートに作り上げるまでの膨大な作業、流通、
より美味しいチョコレートを作るための試行錯誤……
そうして完成した“ひと粒のチョコレート“は、
《自然の持つ力と人の技術が合わさった、
奇跡のような結晶》
であること。
「たいせつにィ~いただきまスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:心して食べます!)
そして、絵によって《カカオの奇跡》を語るのは、
画家junaidaさんの美しい水彩画です。
金の冠を被った
小さなお菓子の王様が、
カカオの農園の小径を歩き、
実ったカカオ豆を検分し、
南米から欧州へと伝わったカカオを相手に、
あれかこれかと研究の末、
苦みをおさえる方法が発見されて
大喜び~!
といった場面の数々は、
チョコ大好きな私たち、落涙してしまうじゃありませんか。
「みるくゥちょこれいとォ……!」
「がるるっるぐるるるるる……!」(←訳:こうやって生まれたんだ……!)
チョコレートという、
《奇跡》のお菓子が歩んだ道を描いた
佐藤さん×junaidaさんによる
“科学絵本”は、
チョコ好き&絵本好きな方々に、
理系の活字マニアさんにも
激おすすめです。
可愛い赤い色合いの表紙を目印に、
本屋さんの絵本コーナーで、ぜひ~♪