「こんにちわッ、テディちゃでス!
おひさしぶりのォ~どくしょたいむゥ、でスよゥ!」
「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!2025の第1回!)
こんにちは、ネーさです。
はい! 2025年の読書タイム第1回は、
新春に相応しく、希望に満ちた一冊を!ということで、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― バッタを倒すぜ アフリカで ――
著者は前野ウルド浩太郎(まえの・うるど・こうたろう)さん、
2024年4月に発行されました。
2017年刊行の『バッタを倒しにアフリカへ』の”その後”を綴る
鋼鉄の、いえ、超硬派ノンフィクション作品です。
「ぴょんぴょんはねるゥ~あいつらッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:問題児なんだ!)
コオロギ、キリギリス、イナゴ、トビバッタ……
バッタ目に属する昆虫たちは、
残念ながら、益虫とは言い難く、
著者・前野さんの研究対象である
サバクトビバッタに至っては、
大陸間をまたぐ災害さえ引き起こす害虫、と
考えられています。
一匹一匹は小さくとも、
バッタたちが大群を成して押し寄せてきたら、
アフリカから中東、アジアも含む広範囲の、
穀物畑は、牧場の草地は、里山の緑は……全滅。
そんなこと許さ~ん!
と立ち上がった前野さん。
昆虫研究学者としての身許を確立し、
バッタを研究する施設を探し、
異国での生活基盤を整え、
実験に次ぐ実験、
といった艱難辛苦の道のりを経て、
ようやく、ようやく、ほのかな光が?
「てがかりィはァ~」
「がるぐる!」(←訳:繁殖行動!)
あっちに大群が出た、
こっちでも大群発生、っていうから
急いで来てみたけど、いないじゃん……
いや、いた!
さっそく採取! 解剖~!
バッタを追って四苦八苦、な日々の中で、
前野さんのココロのアミに
”気になる事象”が少しずつ溜まってゆきます。
学術書にあった『Leks(レック)』という専門用語。
解剖したバッタたちの、雌雄の比率。
他国の昆虫学者さんとの、情報交換。
「じわじわァ~きてまス!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:見えてきたかも!)
コロナ禍のため、
アフリカへの渡航を禁止されてしまっても、
前野さんは研究に没頭し、
論文作成&投稿に挑みます。
はたして、論文は採用されるのか。
前野さんのドキドキハラハラな”待ちの時間”は、
どんな形で結実するのか。
いやもう、読んでいる私たちも、ドキドキ!
「むむゥ! きましたでスよゥ!」
「がるるぐーるる!」(←訳:お返事メールが!)
ネタバレ厳禁ですので、
これ以上のお喋りはNGですけれど、
ノンフィクション好きな活字マニアさんに、
昆虫好きな方々にも、
激おすすめの快作です。
バッタが憎いわけじゃない。
誰よりもバッタを、昆虫たちを愛していればこそ、
彼らと共存できる世界を目指して、
知恵を絞り、工夫を凝らす――
ファーブルさんへの憧れから始まった
前野さんの長い旅路に
渾身の拍手を送りつつ、
皆さま、ぜひ、一読を♪