テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ファーブルさんを追いかけて ~

2025-01-05 22:03:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おひさしぶりのォ~どくしょたいむゥ、でスよゥ!」

「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!2025の第1回!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい! 2025年の読書タイム第1回は、

 新春に相応しく、希望に満ちた一冊を!ということで、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― バッタを倒すぜ アフリカで ――

 

 

 著者は前野ウルド浩太郎(まえの・うるど・こうたろう)さん、

 2024年4月に発行されました。

 2017年刊行の『バッタを倒しにアフリカへ』の”その後”を綴る

 鋼鉄の、いえ、超硬派ノンフィクション作品です。

 

「ぴょんぴょんはねるゥ~あいつらッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:問題児なんだ!)

 

 コオロギ、キリギリス、イナゴ、トビバッタ……

 バッタ目に属する昆虫たちは、

 残念ながら、益虫とは言い難く、

 著者・前野さんの研究対象である

 サバクトビバッタに至っては、

 大陸間をまたぐ災害さえ引き起こす害虫、と

 考えられています。

 

 一匹一匹は小さくとも、

 バッタたちが大群を成して押し寄せてきたら、

 アフリカから中東、アジアも含む広範囲の、

 穀物畑は、牧場の草地は、里山の緑は……全滅。

 

 そんなこと許さ~ん!

 

 と立ち上がった前野さん。

 昆虫研究学者としての身許を確立し、

 バッタを研究する施設を探し、

 異国での生活基盤を整え、

 実験に次ぐ実験、

 といった艱難辛苦の道のりを経て、

 ようやく、ようやく、ほのかな光が?

 

「てがかりィはァ~」

「がるぐる!」(←訳:繁殖行動!)

 

 あっちに大群が出た、

 こっちでも大群発生、っていうから

 急いで来てみたけど、いないじゃん……

 いや、いた!

 さっそく採取! 解剖~!

 

 バッタを追って四苦八苦、な日々の中で、

 前野さんのココロのアミに

 ”気になる事象”が少しずつ溜まってゆきます。

 

 学術書にあった『Leks(レック)』という専門用語。

 

 解剖したバッタたちの、雌雄の比率。

 

 他国の昆虫学者さんとの、情報交換。

 

「じわじわァ~きてまス!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:見えてきたかも!)

 

 コロナ禍のため、

 アフリカへの渡航を禁止されてしまっても、

 前野さんは研究に没頭し、

 論文作成&投稿に挑みます。

 

 はたして、論文は採用されるのか。

 前野さんのドキドキハラハラな”待ちの時間”は、

 どんな形で結実するのか。

 いやもう、読んでいる私たちも、ドキドキ!

 

「むむゥ! きましたでスよゥ!」

「がるるぐーるる!」(←訳:お返事メールが!)

 

 ネタバレ厳禁ですので、

 これ以上のお喋りはNGですけれど、

 ノンフィクション好きな活字マニアさんに、

 昆虫好きな方々にも、

 激おすすめの快作です。

 

 バッタが憎いわけじゃない。

 誰よりもバッタを、昆虫たちを愛していればこそ、

 彼らと共存できる世界を目指して、

 知恵を絞り、工夫を凝らす――

 ファーブルさんへの憧れから始まった

 前野さんの長い旅路に

 渾身の拍手を送りつつ、

 皆さま、ぜひ、一読を♪

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする