テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 美味しいものを、堂々と! ~

2025-01-28 22:03:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わォ! はるのォいろあいィ~♫」

「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!香りも春~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 花屋さんの店頭は、スイートピー、フリージア、菜の花、

 温室栽培のサクラにモモの花……と満艦飾ですね。

 春の花々の可愛らしさにうっとりしながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ついでにジェントルメン ――

 

 

 著者は柚木麻子(ゆずき・あさこ)さん、

 単行本は2022年4月に発行されました(現在は文庫版も刊行されています)。

 『Tired of taking a backseat to gentlemen』と英語題名が付されています。

 

 さまざまなテーマをかかえた

 短編7作品が収録されているこの御本で、

 

「ぷふふふッ!」

「ぐるるるっ!」(←訳:くすくすっ!)

 

 と、笑いが止まらないのは、本文113ページの

 

 『エルゴと不倫鮨』。

 

「ぶたいはァ~おすしやさんッなのでスゥ!」

「がるぅるるぐるるるるる!」(←訳:オシャレなイタリアン鮨!)

 

 東急沿線の某駅から、徒歩で20分。

 マンションの地下1階にある

 会員制イタリアン創作鮨のお店『SHOUYA mariage』は、

 今夜も繁盛しています。

 

 いかにもリッチそうな、

 外資系投資運用会社の営業部長さんも、

 部下の美しい女性と、

 食事をいただこうとして――

 

 おやっ?

 

 新たなお客さんが、ドアの前で仁王立ちに?

 

「うきゃッ! あかちゃんッ!」

「ぐるーるぅるがる!」(←訳:ベビーちゃんだね!)

 

 お店を訪れたのは、

 ミルクの香りも神々しい赤ちゃん……を抱っこする

 ひとりの女性でした。

 

 ヨレヨレのカットソー、

 ボトムは灰色のスウェット、

 重そうなマザーズバッグを提げ持って、

 そのぅ、お高級な創作鮨店の雰囲気には

 全く合致しない服装に、

 シェフは眉をひそめたのですが。

 

 お店のオーナーの、お母さんの友だち。

 

 という、

 天下御免の切り札を出されては、

 無理やり追い返す訳にも行きません。

 

「くひひひッ♫ ではァ~」

「がるぐるる~る!」(←訳:注文いきま~す!)

 

 営業部長さん他、

 着飾ったお客さんたちの視線など

 微塵も気に留めず、

 赤ちゃん連れの女性は、

 いざ、オーダー開始!

 

 妊娠中から授乳中の長~い期間、

 お酒やら生ものやら刺激物やら、

 たくさんの食べ物を我慢してきた……

 それも、今夜で終わり。

 赤ちゃんが卒乳してくれたから、

 お酒、解禁! お鮨も、解禁!

 美味しいものを

 好きなだけ食べてやる~!!

 

「わははッ、おめでとうゥ~なのでス!」

「ぐるるぅるがるるぅる~!」(←訳:食べちゃえ食べちゃえ~!)

 

 女性の健啖ぶりに圧倒されつつ、

 営業部長さんの顔色は曇ります。

 こんなこと、まったく予定になかった……

 どうしてくれるんだ!

 

 はたして、部長さんは何を目論んでいたのか。

 その目論見の、結果は――

 

「しィっ! ばらしちゃァだめでス!」

「がるるるぐる~!」(←訳:ネタバレ禁止~!)

 

 著者・柚木さんの本領が光り輝く、

 爆笑必至な『エルゴと不倫鮨』。

 学生さんたちのコロナ禍を描く『あしみじおじさん』。

 文豪・菊池寛さん大活躍?な『Come Come Kan !!』など

 7つの物語は豪快かつ痛快です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

コメント
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