テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夜空とキャンバス ~

2025-01-24 22:03:01 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 にしのォそらにィ~どせいィ、きんせいィ!」

「がるる!ぐるがるぐるるがる!」(←訳:虎です!東の空に木星と火星!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1月の夜空に見えるのは、西に土星と金星、

 東の空には木星と火星……

 では、あの画家さんの時代の夜空には、何が?

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― ゴッホは星空に何を見たか ――

 

 

 著者は谷口義明(たにぐち・よしあき)さん、

 2024年11月に発行されました。

 

 つい先日――2025年1月19日まで、

 英国ロンドンのナショナルギャラリーで開催されていたのは、

 『Van Gogh : Poets and Lovers(詩人と恋人たち)』展という、

 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさんの回顧展……!

 これが大々好評で、チケットは早々に完売してしまい、

 最終日前日は、急遽、24時間開館を実施したほどだったそうです。

 

「むむむゥ! すごいィにんきィ~なのでスゥ!」

「ぐるるがっるるる!」(←訳:さすがゴッホさん!)

 

 世界中から集められたゴッホさんの名作60点のうち、

 展覧会の”目玉”となったのが、

 『星月夜』(1888年、オルセー美術館所蔵)でした。

 

 ゴッホさんが描いた、

 南仏の夜空に輝く月と星々――

 

 天文学者である著者・谷口さんは、

 その光に、注目し、考察します。

 

 ゴッホさんは、星空に何を見たのか?

 彼は、どんな星空が好きだったのだろう?

 

「むかしむかしのォ~ほしぞらッ!」

「がるるぐっるる!」(←訳:今よりくっきり!)

 

 人工の照明が殆ど無かった19世紀、

 大都市でさえも、夜はとても暗かったでしょうに、

 田舎ではいったいどんな星空が

 頭上に広がったことか。

 

 それは、21世紀の現代とは比較にならぬくらい、

 くっきりと明瞭な、

 ”星図”の世界だったのではないか。

 

 ゴッホさんはそれを、歪めることなく、忠実に、

 キャンバスに描き置いていったのではないか。

 

 星も、月も、そのまま。

 夜空に見えた位置そのままに。

 

 ↑このテーマを追求した作品として

 昨年御紹介したのが、

 フランスの天文学者ジャン=ピエール・ルミネさん著

 『ゴッホが見た星月夜』(原著は仏にて2023年刊行)です。

 

「つまりィ~?」

「ぐるがーる?」(←訳:同じテーマ?)

 

 いえ、ルミネさんと谷口さん、

 扱っているテーマは似ているように見えますが、

 日本(←ここ大事です!)の天文学者である谷口さんは、

 より深く、広く、

 ゴッホさんの天体観測について、

 推理を巡らせてゆきます。

 

 ゴッホさんが描いたもの、

 だけではなく、

 描かなかったもの。

 

 例えば、

 夜空に長い尾を引く彗星は?

 煌々と夜道を照らす満月は?

 

「ああァ、そういえばッ?」

「がるるるるぐる??」(←訳:描いてないかも??)

 

 描かなかったとしたら、なぜ?

 そして、

 ゴッホさんが愛した日本美術、

 北斎さんの浮世絵と『星月夜』の関係は?

 

 日本の学者さんだからこそ視えてくる、

 星空にゴッホさんが抱いた想い、

 情熱と、憧れ。

 

 アート好きな活字マニアさんに、

 近代史好きな方々にも

 おすすめの新書作品です。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする