テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 読んで旅する鎌倉へ ~

2025-01-13 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィ~せいじんしきィ!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!祝成人~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ここ多摩エリアでは、気温は低いけれど、快晴!となりました。

 新成人さんたちに幸あれ~!とエールを送ったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 鎌倉遊覧 ――

 

 

 編者は藤谷治(ふじたに・おさむ)さん、

 2024年11月に発行されました。

 『文学傑作選』と副題が付されています。

 

「あはァ! すきでスゥ、かまくらァ!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:海と山と古都!)

 

 お正月は鎌倉八幡宮に初詣する方々で大混雑、

 いえ、最近は、いつの季節も

 観光や聖地巡礼にいそしむ老若男女さんで

 大々混雑している鎌倉&湘南周辺……

 

 そんな現在の鎌倉よりも、

 ちょっと昔の、鎌倉。

 

 江ノ電に乗車するために駅で行列する必要はなくて、

 そもそも江ノ電が存在しなかった頃や、

 電気さえ発明されていなかった頃の鎌倉も含めて、

 この御本には、14編の

 ”鎌倉にまつわるものがたり”

 が収録されています。

 

「むむゥ? これはァ、さねともォさんッ?」

「がるるるる!」(←訳:なるほどね!)

 

 本文のオープニングを飾るのは、

 ええ、鎌倉幕府の将軍であった

 源頼朝さんの『金槐和歌集』。

 

 大海の磯もとどろに……と口遊めば、

 勇ましくも物寂しい中世の鎌倉の浜辺が

 眼に浮かびますね。

 

 そこから、時代は中世→近代と飛んで、

 

 正岡子規さん著『鎌倉一見の記』

 泉鏡花さん著『星あかり』

 高浜虚子さん著『道』……と続く中、

 最も異彩を放っているのは、

 

 小津安二郎さんの映画『晩春』の、脚本!

 

 監督/脚色・小津安二郎さん、

 脚色(共同脚色)・野田高梧(のだ・こうご)さん、

 原作・広津和郎(ひろつ・かずお)さんによる

 1949年公開『晩春』のシナリオに描かれた鎌倉は、

 旅行ガイドには載っていない鎌倉です。

 

 一方、

 詩人・田村隆一さんによる

 『ぼくの鎌倉散歩』は、

 鎌倉に暮らした田村さんが綴る

 軽快なエッセイと詩、という形ですね。

 

 そして、現代の鎌倉を描写した

 小川糸さん著『ツバキ文具店』のあとを受け、

 本文のオオトリをつとめますのは、

 

 『現代語訳 太平記巻十(抄)』。

 

「むむッ! たちのぼるゥ~けむりィ!」

「ぐるる~!」(←訳:軍勢が~!)

 

 新田義貞軍の襲来に、

 なすすべもなく崩壊してゆく鎌倉幕府。

 都市・鎌倉の歴史の一面が、

 ここに、ずしりと。

 

「ふううゥ~…」

「がるるるるるぐるる……!」(←訳:たいへんな旅でした……!)

 

 海と山だけでは語れない、

 鎌倉の魅力――

 ”ものがたり”から知る、鎌倉。

 

 修学旅行や卒業旅行、

 アジサイ見物、紅葉狩り、グルメ旅……

 鎌倉観光の思い出と照らし合わせながら、

 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね♪

コメント
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