「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッぴィ~せいじんしきィ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!祝成人~!)
こんにちは、ネーさです。
ここ多摩エリアでは、気温は低いけれど、快晴!となりました。
新成人さんたちに幸あれ~!とエールを送ったら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 鎌倉遊覧 ――
編者は藤谷治(ふじたに・おさむ)さん、
2024年11月に発行されました。
『文学傑作選』と副題が付されています。
「あはァ! すきでスゥ、かまくらァ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:海と山と古都!)
お正月は鎌倉八幡宮に初詣する方々で大混雑、
いえ、最近は、いつの季節も
観光や聖地巡礼にいそしむ老若男女さんで
大々混雑している鎌倉&湘南周辺……
そんな現在の鎌倉よりも、
ちょっと昔の、鎌倉。
江ノ電に乗車するために駅で行列する必要はなくて、
そもそも江ノ電が存在しなかった頃や、
電気さえ発明されていなかった頃の鎌倉も含めて、
この御本には、14編の
”鎌倉にまつわるものがたり”
が収録されています。
「むむゥ? これはァ、さねともォさんッ?」
「がるるるる!」(←訳:なるほどね!)
本文のオープニングを飾るのは、
ええ、鎌倉幕府の将軍であった
源頼朝さんの『金槐和歌集』。
大海の磯もとどろに……と口遊めば、
勇ましくも物寂しい中世の鎌倉の浜辺が
眼に浮かびますね。
そこから、時代は中世→近代と飛んで、
正岡子規さん著『鎌倉一見の記』
泉鏡花さん著『星あかり』
高浜虚子さん著『道』……と続く中、
最も異彩を放っているのは、
小津安二郎さんの映画『晩春』の、脚本!
監督/脚色・小津安二郎さん、
脚色(共同脚色)・野田高梧(のだ・こうご)さん、
原作・広津和郎(ひろつ・かずお)さんによる
1949年公開『晩春』のシナリオに描かれた鎌倉は、
旅行ガイドには載っていない鎌倉です。
一方、
詩人・田村隆一さんによる
『ぼくの鎌倉散歩』は、
鎌倉に暮らした田村さんが綴る
軽快なエッセイと詩、という形ですね。
そして、現代の鎌倉を描写した
小川糸さん著『ツバキ文具店』のあとを受け、
本文のオオトリをつとめますのは、
『現代語訳 太平記巻十(抄)』。
「むむッ! たちのぼるゥ~けむりィ!」
「ぐるる~!」(←訳:軍勢が~!)
新田義貞軍の襲来に、
なすすべもなく崩壊してゆく鎌倉幕府。
都市・鎌倉の歴史の一面が、
ここに、ずしりと。
「ふううゥ~…」
「がるるるるるぐるる……!」(←訳:たいへんな旅でした……!)
海と山だけでは語れない、
鎌倉の魅力――
”ものがたり”から知る、鎌倉。
修学旅行や卒業旅行、
アジサイ見物、紅葉狩り、グルメ旅……
鎌倉観光の思い出と照らし合わせながら、
皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね♪