テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ めぐる時代、めぐる星々 ~

2025-01-06 22:03:34 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス! 

 わふふゥ! きつねのォおねえさんッ、とうじょうゥ~♫」

「がるる!ぐるるがるるぐるる!」(←訳:虎です!しかもスマホ付きで!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『べらぼう』第1回、

 綾瀬はるかさんのお稲荷さんまが可愛らしくて、

 蔦重さんの存在が霞むほどでした。

 お稲荷さまは次回も……?と期待しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 時代小説 ザ・ベスト2024 ――

 

 

 編者は日本文藝協会 編纂委員の皆さん、

 2024年7月に発行されました。

 2023年度の文芸誌に掲載された作品の中から、

 短編作品11篇を収録するアンソロジーです。

 

「じだいィ、いろいろォ~なのでス!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:古代から近代まで!)

 

 冒頭を飾るのは、

 朝井まかて さんが描く

 お江戸の易者・白斎(はくさい)さんの物語。

 

 続いて永井紗耶子さんが神君伊賀越えの顛末を語り、

 菊地秀行さんは怪異譚を……と、

 作家さんによって

 時代と舞台はくるくると変わってゆきますが。

 

 今回は、ちょっぴり変わりダネな一作に

 ぐい~っとフォーカス!

 

「おッ? これはァ~…むかしむかしィ??」

「がるるるる!」(←訳:平安時代かな?)

 

 ええ、はるかな昔、

 去年の大河ドラマ『光る君へ』の頃よりも

 さらに昔の時代を舞台とするのは、

 澤田瞳子さん著『星見の鬼』。

 

 オープニングのシーンも、

 牢獄からの実況中継!と、

 実にセンセーショナルですよ。

 

「あわわッ、まッくらァ……!」

「ぐるるがるるぅ~…」(←訳:寒くて凍えるぅ~…)

 

 灯もない獄舎、

 頑丈な牢格子の奥に閉じ込められているのは、

 四天王寺の下法師(下働きの僧侶)である

 行心(ぎょうしん)さん。

 

 いったい何の罪で牢獄に入れられたのか、といえば、

 すべては間(ま)が悪かった――

 タイミングが悪かったのだ、とするべきでしょうか。

 

 上級僧・慧観(えかん)さんが倒れているのを見つけ、

 あわてて駆け寄ったら、

 犯人はお前か!と決めつけられ、

 まともな抗弁も許されぬまま、

 獄に放り込まれて、もう半月。

 

 俺は何もしていない。

 そう主張する気力も失った行心さん、

 そろそろ処刑係の役人が来るんだろうなぁと

 全てを諦め切っていましたが……。

 

「うッ? だれかァ、きたでス!」

「がるるっ?」(←訳:何者だっ?)

 

 夜中の訪問者は、

 牢番でも処刑役人でもなく。

 

 ――ここから解き放ってやろう――

 

 牢の戸を開いて、

 甘い言葉を行心さんに囁く

 謎めいた者たち。

 

 はたして、彼らの意図と目的は?

 

「にげるかッ?」

「ぐるるる?」(←訳:留まるか?)

 

 大海人皇子(おおあまのおおきみ/天武天皇)

 の治世を背景に、

 時代小説(歴史小説)でありつつ、

 ミステリでもある『星見の鬼』、

 エンタ好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 また、収録作品の解説を兼ねた

 木内昇さんによる巻末エッセイも 

 読み逃しなく~♪

 

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