「こんにちわッ、テディちゃでス!
わふふゥ! きつねのォおねえさんッ、とうじょうゥ~♫」
「がるる!ぐるるがるるぐるる!」(←訳:虎です!しかもスマホ付きで!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『べらぼう』第1回、
綾瀬はるかさんのお稲荷さんまが可愛らしくて、
蔦重さんの存在が霞むほどでした。
お稲荷さまは次回も……?と期待しながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 時代小説 ザ・ベスト2024 ――
編者は日本文藝協会 編纂委員の皆さん、
2024年7月に発行されました。
2023年度の文芸誌に掲載された作品の中から、
短編作品11篇を収録するアンソロジーです。
「じだいィ、いろいろォ~なのでス!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:古代から近代まで!)
冒頭を飾るのは、
朝井まかて さんが描く
お江戸の易者・白斎(はくさい)さんの物語。
続いて永井紗耶子さんが神君伊賀越えの顛末を語り、
菊地秀行さんは怪異譚を……と、
作家さんによって
時代と舞台はくるくると変わってゆきますが。
今回は、ちょっぴり変わりダネな一作に
ぐい~っとフォーカス!
「おッ? これはァ~…むかしむかしィ??」
「がるるるる!」(←訳:平安時代かな?)
ええ、はるかな昔、
去年の大河ドラマ『光る君へ』の頃よりも
さらに昔の時代を舞台とするのは、
澤田瞳子さん著『星見の鬼』。
オープニングのシーンも、
牢獄からの実況中継!と、
実にセンセーショナルですよ。
「あわわッ、まッくらァ……!」
「ぐるるがるるぅ~…」(←訳:寒くて凍えるぅ~…)
灯もない獄舎、
頑丈な牢格子の奥に閉じ込められているのは、
四天王寺の下法師(下働きの僧侶)である
行心(ぎょうしん)さん。
いったい何の罪で牢獄に入れられたのか、といえば、
すべては間(ま)が悪かった――
タイミングが悪かったのだ、とするべきでしょうか。
上級僧・慧観(えかん)さんが倒れているのを見つけ、
あわてて駆け寄ったら、
犯人はお前か!と決めつけられ、
まともな抗弁も許されぬまま、
獄に放り込まれて、もう半月。
俺は何もしていない。
そう主張する気力も失った行心さん、
そろそろ処刑係の役人が来るんだろうなぁと
全てを諦め切っていましたが……。
「うッ? だれかァ、きたでス!」
「がるるっ?」(←訳:何者だっ?)
夜中の訪問者は、
牢番でも処刑役人でもなく。
――ここから解き放ってやろう――
牢の戸を開いて、
甘い言葉を行心さんに囁く
謎めいた者たち。
はたして、彼らの意図と目的は?
「にげるかッ?」
「ぐるるる?」(←訳:留まるか?)
大海人皇子(おおあまのおおきみ/天武天皇)
の治世を背景に、
時代小説(歴史小説)でありつつ、
ミステリでもある『星見の鬼』、
エンタ好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
また、収録作品の解説を兼ねた
木内昇さんによる巻末エッセイも
読み逃しなく~♪