テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

“まぼろし”の中編。

2015-05-10 21:51:20 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 せーのっ……

 祝!ジロ・ディ・イタリア2015開幕~!
 今年はサンレモでのチームタイムトライアルからのスタートとなりました~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ちゃりりんッ、ちゃりりんッ♪♪」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!イタリア一周~!)

 待ちに待ったグランツールのシーズン到来!
 日々のステージレースの結果を楽しみにしつつも、
 読書タイムも忘れてはいませんよ。
 さあ、本日はこちらの御本を、どうぞ~♪

   



          ―― ポアロとグリーンショアの阿房宮 ――



 著者はアガサ・クリスティーさん、日本語版は2015年1月に発行されました。
 英語原題は『Hercule Poirot and the Greenshore Folly』、
 1955年にクリスティさんが執筆し、
 しかし未刊行のままであった原稿が
 書籍化されたものがこの作品です。

「むむッ? ちょこッとォ、うすいィ~でスかァ?」
「ぐるがぅるるる?」(←訳:長編じゃないの?)

 ええ、そうですね、
 御本を手に取っていただければ分かりますが、
 分量的びは、中編、です。

 また、未発表原稿、と謳ってはありますけれど、
 クリスティさんはこの中編作品を、のちに、
 『死者のあやまち』 
 と題した長編作品にリライトの上、刊行しているので、
 クリスティーさんのファンの方々は、
 物語の大筋を御存知かもしれません。

「たんていやくはァ~」
「がるるぐる!」(←訳:ポアロさん!)

 灰色の頭脳を誇る、
 名探偵エルキュール・ポアロさん。

 次々と寄せられる依頼で忙しい彼が
 予定外の外出をすることになったのは、
 旧友アリアドニ・オリヴァ夫人が
 寄越した電話が
 あまりにも奇妙だったためでした。

「きんきゅうゥれんらくッ?」
「ぐるる?」(←訳:SOS?)
「いみふめいィ~!」

 何が何やら、
 さっぱり要領を得ないオリヴァ夫人の話しぶりは、
 盗聴を警戒しているからなのか?

 そうと察したポアロさんは列車に飛び乗り、
 オリヴァ夫人の滞在先、
 グリーンショアへ向かいます。

「なにごとォでスかッ?」
「がるぐるっ?」(←訳:事件だねっ?)

 このお屋敷でもうすぐお祭りが開催される――
 ミステリ作家であるミセス・オリヴァは、
 お祭りの出し物のひとつ、
 犯人当てをする推理ゲームのような企画の
 “作者”の任に就いているのですが、
 
 おかしい。

 何がどうとは言い切れないけれど、
 罠に陥れられ、
 誰かに操られているような、
 この感覚は……。

「それはァ、きもちィわるいィでス!」
「ぐ~るがる!」(←訳:嫌~な感じ!)

 オリヴァ夫人の不安には
 確固とした根拠があるのでしょうか。

 調査を開始したポアロさんが
 行き着いた場所は――

「やぱりィ、どらまちッくゥ!」
「がるるるぐるるるぅがる!」(←訳:すごいねクリスティさん!)

 長編作品『死者のあやまち』よりは
 コンパクトな中編『ポアロとグリーンショアの阿房宮』。
 ですが、コンパクトであるだけに、
 ギュッと中身が詰まって密度が高いとも言えます。

「てんぽッ、あッぷゥ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:展開速いです!)

 クリスティーさんのファンであれば、
 もう読んだ作品の中編版なら……と、
 パスしちゃう御方もいるでしょうか?

 いえいえ、パスする前にぜひ一読を!
 読んでみれば、
 あらためてクリスティさんの凄さ、素晴らしさを実感し、
 『死者のあやまち』や他の作品を
 読み返したくなることは間違いありませんよ。
 ミステリ好きな活字マニアさんにも
 おすすめです!




 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ― パリの母と子 ― | トップ | “知恵”が導く! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事