テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

『世界一周』本気の大競争~!

2013-12-03 21:48:15 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 いざァ、せかいせいはッ!」
「がるる!……ぐるっ?がるぅ?」(←訳:虎です!……ええっ?制覇ぁ?)

 こんにちは、ネーさです。
 えーと、誤解があるようですね、テディちゃ。
 本日の読書タイムのテーマは、
 世界一周ですよ。
 ショッカーじゃないんですから、制覇はナシでしょう?

「てへへッ♪」
「ぐるるっ♪」

 さあ、では行ってみましょう、書物の中の世界一周旅行へ!

  



 
         ―― ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む ――



 著者はマシュー・グッドマンさん、原著は2013年に、
 画像の日本語版は2013年11月に発行されました。
 英原題は『Eighty Days  Nellie Bly and Elizabeth Bisland's history-making race around the world』、
 『4万5千キロを競ったふたりの女性記者』と日本語副題が付されています。

 ジュール・ヴェルヌさん著『八十日間世界一周』――
 
 活字マニアさんでなくても、
 1873年に刊行されたこの御本の内容は
 きっと御存知のことでしょう。

 
「ふァいッ!
 はちじゅうにちィいないにィ~!」
「がるっるぐるるる!」(←訳:ぐるっと世界一周!)

 ヴェルヌさんは、この作品をフィクションとして
 1872年、パリの新聞紙上に連載しました。
 しかし、当時は想像もしなかったのです、
 その17年後、世界一周レースが
 まさか本当に行われるなんて。

 しかも、レースの当事者が
 うら若き女性ふたり、だとは!

「ふァ~? じょせいィがァ、れーすゥ?」
「ぐるるがるる??」(←訳:世界を巡るの??)

 1889年11月。
 ひとりの女性が米国ニュージャージー州ホーボーケンの港から
 英国サウサンプトン行きの客船に乗り込みました。

 ネリー・ブライの筆名で知られる彼女は、
 《ニューヨーク・ワールド》紙の新聞記者さんです。

「ふむゥ! じゃーなりすとさんでスかァ~!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:女性記者さんなんだ!)

 世界一周旅行に発つネリーさんを、
 仲間や友人が見送りました。

 
 が、その数時間後。
 ブライ記者出発す!という《ワールド》紙の一面見出しに触発され、
 月刊誌《コスモポリタン》は
 自誌の文芸編集者エリザベス・ビスランドさんを
 世界一周の旅へ送り出します。

 こうして、
 フィクションじゃない、
 リアル世界一周レースが始まっちゃいましたー!

「ほんとのォ、ほんとにィ?」
「ぐるるがるるっ?」(←訳:客船と汽車でっ?)

 ネリーさんは
 大西洋横断→欧州→アジア→太平洋横断→米大陸を鉄道で横断、
 エリザベスさんは
 NYから鉄道で米大陸横断→太平洋横断アジア→欧州→大西洋横断
 という、
 それぞれまったく正反対のルートで
 世界一周最短記録樹立を目指します。

 ふたりのどちらが
 より早く帰着するのか?と、
 もう米国の新聞雑誌各紙は大騒ぎ!

「う~むッ、どッちかなァ?」
「がっるるぐるる!」(←訳:どっちも頑張れ!)

 ふたりの女性記者の旅と、
 当時の職業を持つ女性への眼差し、
 ジョゼフ・ピュリツァーさん、
 ラフカディオ・ハーンさん、
 そして御大ジュール・ヴェルヌさんたち
 華やかな登場人物を
 著者・グッドマンさんは巧みに描写してゆきます。

 はたして、レースの勝者になるのはどちらなのか?
 さらには、その後のふたりの女性の人生は?

「むむむむむッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:予想不可能!)

 単なる“競争旅行の記録”ではない、
 力作ノンフィクション!
 旅好きさん・旅マニアさん・歴史本好きな御方は
 必読の一冊ですよ♪

 また、19世紀の旅行事情については
 以前に御紹介しました中野明さん著『グローブトロッター』もおすすめです。
 そちらも、せひ!


 
 
 
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