テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

筆先に、太陽を。

2011-11-20 23:17:19 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ……おや?
 見慣れないバスが走っていますね?
 車体に大きくプリントされているのは……んまーっ!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほッ♪ あれはァ、ふぁんきーもんきーべいびーずゥ!」
「がるる!ぐるがるるるるるぐるがるるー!」(←訳:虎です!DJケミカルの顔が迫ってくるー!)

 はー、びっくりしました。
 私たちの地元・八王子の星『ファンキーモンキーベイビーズ』のおにいさんたちと
 ラッピングバス車両でお会いしようとは!

「おどろきィ、もんきーのきィ!」
「がるがるる!」(←訳:派手派手だ!)

 笑っちゃうしかない?愉快なバスを見送ったら、
 さあ、読書タイムでも
 くすり♪ふふっ♪となっていただきましょう。
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― 笑う子規 ――


 
 著者は正岡子規さん、編者は天野祐吉さん、絵は南伸坊さん、2011年9月に発行されました。
 広告批評誌発行人、コラムニスト、童話作家として知られる天野さんは、
 松山市立子規記念博物館名誉館長さんであり、
 子規さんの俳句について、
 御本の冒頭でこう述べておられます。

 『ぼくの中にいる子規さんは、《明るい子規さん》《笑う子規さん》なんですね』

「あかるいィ??」
「ぐるるがるがる?」(←訳:笑う子規さん?)

 正岡子規さんは、1867(慶応3)年、伊予国に生まれました。
 肺の病気に罹ったのは二十一歳……
 のちに脊椎カリエスと診断され、
 1902(明治35)年、三十四歳で没します。
 その後半生、あまりにも短い後半生は、
 ただもう、痛みとの闘いでした。

 激痛にに叫び、呻き、
 幾度となく喀血し、
 寝返りも打てぬほど病状が悪化して、
 しかし、それでも子規さんは、
 病魔に魂のすべてを明け渡すことをしませんでした。

 苦痛に喘ぎながら、
 子規さんは、仰ぎ見ます。
 天野さんの言う《明るい》方を。

  『内のチョマが隣のタマを待つ夜かな』(29年)

「にゃんこのォ、うたッ??」
「ぐるがるる!」(←訳:春の句だね!)

  『桃太郎は桃金太郎は何からぞ』(35年)

  『明月ヤ枝豆ノ林酒ノ池』(34年)

  『冬の部に河豚の句多き句集哉』(33年)

 明治――
 ろくな鎮痛剤はなく、抗生物質もなかった時代です。
 治る見込みはないのだと、子規さん自身も悟っていたでしょうか。
 けれど、
 絶望的なはずの病床に、
 光はふりそそぐのです。
 明るい、
 子規さんの精神を奮い立たせるひかりが。

  『弘法は何と書きしぞ筆始(ふではじめ)』(25年)

「むむゥ~、さりげなくゥ、へんてこッ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:うんヘンテコかも!)

 子規さんの句に、
 天野さんの解説?文、
 南さんののびやかな絵。

 最強の三人組による
 “おかしみ”たっぷりの、
 そしてまた何ものにも矯められない美しさを湛えたコラボ句集、
 活字マニアさんのみならず、
 アート好きさんもどうか一読を!

「ではァ、さいごにィ、いッくゥ!」
「がるる~!」(←訳:どうぞ~!)

  『のどかさや娘が眠る猫が鳴く』(29年)
 
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~ ART&BOOK♪プチ・ニュース ~

2011-11-19 23:33:46 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今週末は……じゃじゃん!
 晩秋のART情報をお送りしますよ~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!……むむッ!?!」
「ぐるる!がるるがるぐる~?」(←訳:虎です!何ですかっこれは~?)

 は~い、こちらは――

 

 『ヴィヴィアン・ウエストウッド シューズ展』!
 
  靴で辿る世界的ファッションデザイナーの軌跡、と題された展覧会は、
  表参道ヒルズ本館B3F スペースオーにて、
  2011年12月1日~2012年1月9日。

「くつゥ?」
「がるる?」(←訳:靴なの?)

 高さ30センチもありそうな“ほぼ歩けない靴”を
 初めてファッションショーのランウェイでモデルさんに履かせたのは
 ヴィヴィアン・ウエストウッドさんが始まりだった、と言われています。
 英国パンクの流れを汲むヴィヴィアンさんのアートなお靴展、
 ファッション好きさんにおすすめ~!

 そして、こちらも~♪

 

 『近代日本の木彫展』!

 開催地が、広島県立美術館、ということで東京からはちょっと遠いのですが、
 19世紀後半から21世紀の日本の木彫を
 一挙に展示!
 期間は2011年11月29日~2012年1月15日です。

「くまがァ、いるゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:鹿さんもね!)
「おもしろそゥ~♪」

 お次は、こちら!

  

 『アルプスの画家 セガンティーニ ―光と山―』展!

 いよいよ始まるジョヴァンニ・セガンティーニさん(1858~1899年)の展覧会!
 2011年11月23日~12月27日まで、
 東京・新宿の損保ジャパン東郷青児美術館にて!

「あるぷすだァ~♪」
「がるる~ぐるる~!」(←訳:ハイジ~クララ~!)

 えへん、
 ハイジたちは描かれていませんが、
 アルプスの雄大な風景、ぜひとも拝見したいです!

 もひとつオマケに、こちらもいかがでしょうか~♪

 

 雑誌『ELLE』(エル・ジャポン)1月号より抜粋編集された小冊子と、

 

 雑誌『クレア』12月号別冊付録!

 こちらの2冊は、そごう百貨店各店と西武デパート各店で配布中のものです。
 最新のコスメ、発売されたばかりのクリスマスコフレ、
 あのひとに贈りたいプレゼントあれこれ……の他に、
 ギフトにしたい書籍も紹介されています。
 華やかで楽しい文章と写真は、一見の価値あり~!
 活字マニアさんは、
 ぜひ入手してみてくださいね♪

「えんりょォせずにィ、げッとォ~!」
「ぐるがるるぐるがる~♪」(←訳:無料なのも嬉しい~♪)

 では皆さま、アートと書物のニュースにひたって、
 穏やかな休日を!
 
 
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裏の裏に、詩歌の心?

2011-11-18 23:22:00 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 コンビニやスーパーの店頭に『しょうが湯』がずら~り!の週末ですね。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょうがでェ、ほかほかッ♪」
「ぐるる!がるぐるぐうるがるる!」(←訳:虎です!ジンジャラーの季節だ!)

 生姜、シナモン、ハバネロ……
 いえ、ハバネロは遠慮しておくことにして、
 あったか食材で防御を固めたら、
 お部屋でぬくぬく、今日も読書タ~イム!
 本日は、こちらのニャンコ、じゃなかった、一冊を、どうぞ~!

  


 
                 ―― にゃん恋 ――


 
 編者は新人物往来社の皆さん、2011年8月に発行されました。
 にゃん恋?
 ニャンコの写真集かしら?
 それとも随筆集? 愛猫家日記? 育成ガイドかな?
 と思いながら、この御本を手に取れば……あ~ら、びっくり!

「なにごとでスかッ?」
「がるぐるる?」(←訳:どうしたの?)

 恋愛詩を添えた、
 ニャンコの写真集。

 のように見えますが、何かヘンです。
 
 ページの隅に印刷されているのは……

 万葉集?
 古今と新古今の御歌も?
 
 これって、いったい……??
 首を傾げながら眺めていて、はっ!と、
 いえ、パパッ!と、私ネーさの頭の上で電球のスイッチがオン!

 もしかして、これは――

 意訳!

「いやくゥ???」
「ぐるぐるるがる~?」(←訳:よく解らないや~?)

 例を挙げましょうね。
 51ページには、このような詩が掲載されています。

 『不思議だなぁ。
  あなたに出会うまえ、
  どんなふうにすごしていたっけ。』

 そして、ページ隅には、小さく、こちらの御歌が。

 『思へども なほぞあやしき 逢ふことの
  なかりし昔 いかでへつらむ』

「むむッ、なるほどォ!」
「がるるがるぐる!」(←訳:分かってきたかも!)

 62ページには、こんな詩が。

 『わずらわしいことは
  なにもかも忘れて、
  ふたりだけの世界にいきたい。

  ふたりでただ、
  手をつないでいたいんだ。』

 そして、この御歌も。

 『人もなき 国もあらむか 我妹子(わぎもこ)と
  携ひ行きて たぐいて居らむ』

「むゥ!」
「がる!」

 は~い、そうです!
 お解りになりましたね!
 可愛いニャンコの写真に添えられた詩は、
 なんと!
 万葉集や古今和歌集、新古今和歌集の古歌を
 現代語に訳したもの!
 いえ、現代口語に意訳したもの、なのでした!

 巻末の解説によれば、
 『思へども…』の御歌は、『村上天皇 斎宮女御集』。
 『人もなき…』は、『大伴家持 万葉集』。
 
 うぅ~む、感心! 唸らされました!
 意訳というか、超訳というか、
 こういう仕立て直しの方法も、あるんですね!
 古い御歌がこんな形に、
 どろろん!と化けちゃう、いえ、生まれ変わっちゃうとは!

「ちょッとォ、みらくるゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:手品みたい!)

 紀貫之さん、
 草壁皇子さま、
 権中納言敦忠さん、
 藤原俊成女さん、
 崇徳院さま、
 さらに、よみ人知らずの御歌の数々が、
 あっ!と驚く、
 おお!と納得する、
 むむ?と考えさせられる、
 優しく、
 ときに切なくも過激な現代詩の姿を装って再生する『にゃん恋』詩歌、
 まずは本屋さんで実物を手に取って御覧ください!
 
 日本に生まれ、
 日本語を愛する活字マニアさんの胸に、
 じんわり、ほんわり、と
 きっと何かが、届きますよ~♪

「にゃんこまにあさんもォ、よんでねッ!」
「ぐるぐるがるがるるる~♪」(←訳:仔ニャンコきゃわゆいのだ~♪)
 
 
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その町は何処に?

2011-11-17 23:14:31 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 新酒だ~おフランスだ~今年の出来は~と賑やかな解禁日でしたね~♪
 皆さまは、もうお飲みになりましたか?

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うィッくゥ! もういッぱいィ~♪」
「がるる!ぐるるるがるがるぐるる~!」(←訳:虎です!それブドウジュースだよ~!)

 ブドウジュースだろうと構いません、
 ほんわか良い気持ちになったら、
 読書タイムでさらにリラックスいたしましょう♪
 さあ、本日は、こちらを、どーん!と御紹介です!

  


 
            ―― はやく名探偵になりたい ――


 
 著者は東川篤哉(ひがしがわ・とくや)さん、2011年9月に発行されました。
 飛ぶ鳥を落とす勢い!とは東川さんのことをいうのでしょうか。
 すごいですね!
 本屋大賞を受賞した『謎解きはディナーのあとで』がTVドラマ化され、
 視聴率も上々のところへ、
 『謎解きはディナーのあとで2』が発売&単行本売上げ第一位!

「すごかばいッ!」
「がるぐるがる!」(←訳:絶好調だねえ!)

 『謎解きはディナーのあとで』は、
 東京の国立市を舞台にしたユーモア・ミステリですが、
 こちらの『はやく名探偵になりたい』はー―

「はやくゥ~ようかいにィ~なりたいッ!」
「ぐるるるがるがるるがるぐるぐるる!」(←訳:妖怪じゃなくて人間になりたいんだよう!)

 妖探偵、あら失礼、名探偵になりたい物語の舞台は、
 烏賊川(いかがわ)市。
 東川さん著『ここに死体を捨てないでくだい!』に登場した架空の、
 えー、たぶん架空の土地、ですね。
 烏賊川市の特徴は、
 海があって、
 山がって、
 森もあるらしくて、

「ふつゥーでスよッ、それはッ」
「がるるぐるるぐるー」(←訳:うん大体フツーだね)

 そして、
 なぜか事件が次々と発生する、という点でしょうか。

「それはァ、ふつーじゃないでスゥ!」
「ぐるるぐるがるるがる!」(←訳:うんフツーじゃないね!)

 事件の解決にあたるのは、
 烏賊川市にそのひとあり!と知られる優秀な……
 えー、たぶん優秀な、私立探偵さん。
 
 探偵!
 それも私立探偵!
 この御時勢に、探偵なんて、
 ぜーんぜん儲かりそうもなくて絶滅寸前、
 まるでレッドダータアニマルズ!なのですが、
 鵜飼杜夫探偵事務所の鵜飼杜夫(うかい・もりお)さんは、
 めげたりなんかしません。

 はやく名探偵になりたい!……とは言うまい。
 だが、これだけは!
 依頼人たちよ、
 然るべき報酬を支払ってくれ~!

「……ふァ~」
「……がる~」

 鵜飼探偵と、
 助手の戸村流平(とむら・りゅうへい)くんの受難の記録、
 いえいえ失礼、活躍の記録5編から成るこの御本は、
 国立市のお嬢様が放つ華やかオーラは織り込まれていませんけれど、
 ふんだんなユーモア、
 時にややブラックなアイロニーも加味され、
 笑えるミステリを!と渇望する活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ~♪

「どこにィ、あるのかなッ、いかがわしッ!」
「がるる……ぐるがるぐるるっ!」(←訳:行って……みたくないけどっ!)

 烏賊川市の正確な所在、いえ、緯度経度は?
 日本のどこにあるんでしょう?(ないんでしょう?)
 地図好きなミステリマニアさんも、一読を!
 
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例のおやつ、第三弾♪

2011-11-16 23:24:56 | 美味
 こんにちは、ネーさです。
 今季初、ダウンジャケットの出番となった今日11月16日の深夜、
 いえ、正確には17日午前0時は、
 ボジョレー・ヌーヴォー解禁タイム!
 
「こんにちわッ、テディちゃでス! 
 にんげんはァ、くいしんぼゥ!」
「がるる!ぐるぐるぐるがるる!」(←訳:虎です!ボクらも食いしん坊!)

 ブームに乗っちゃおう!と
 本日は、ワインに合うチーズ系お菓子を御紹介するおやつタイム第三回ですよ~♪
 まずは、こちらから~♪

  

 『ヤマザキナビスコ』さんの
 《リッツ チーズサンド カマンベールペッパー》!

「にゃッほゥ!」

 そして、こちらも!

  

 同じく『ヤマザキナビスコ』さんの
 《チップスター カマンベルチーズ味》!

「がる~っ♪」

 奇しくもカマンベールチーズのお菓子が2種、
 それも同じ製菓会社さんの製品が対決となりました!
 ……って単なる偶然なのですが、
 “旬”の熱気が消えないうちに、さあ、いただきましょう♪

「ふァいッ! いッただきまァ~スゥ! ぱくくさくッ!」
「ぐるるがるる~る!がるがる!」(←訳:ボクもいただきま~す!さくぱく!)

 最初に《チップスター》をぱくり、と……ふむふむ、
 カマンベールチーズの塩味と、
 ポテトチップのオイモ感って相性良いんですね♪
 チップスターは色々なお味の製品が発売されていますが、
 チーズ好きとしては、
 これは定番にして欲しい美味しさです♪♪

 次に、《リッツ カマンベールペッパー》を、ぱくり、と……むむっ?
 これは……
 どこまでもリッツ、ですね。
 クラッカー生地の印象が強過ぎて、
 カマンベールペッパーのチーズクリームが脇役になっちゃってます。
 でも、オードブルとしては星三個!
 ワインやビールのお供には最適のお菓子ですわ♪

「ふァいふァいィ~、そゥでスかァ~、ぱくぱくッ♪」
「ぐるがるぐるるがるっ♪」(←訳:ボクこのポテチ好きっ♪)

 前回のおやつタイムでは、
 おフランスの隣り、
 イタリアでも『ノヴェッロ』と呼ばれる新酒がある、とお伝えしました。
 が、『ノヴェッロ』は、葡萄酒だけではない、のだそうです。
 たとえば、オリーブ!
 オリーブの実を収穫して、
 搾ったばかりの、濃く美しい緑色のオリーブオイルも『ノヴェッロ』。
 これをたっぷりとパンにつけ、ぱくり!
 今がシーズンのキノコ料理にも、
 とろ~りと注いで、ぱくり!
 『ノヴェッロ』とは、つまり
 初鰹、新蕎麦、新米、のような、
 日本でいう『初物』の意味合いでしょうか。

「うむむゥ!
 そッちもォ、おいしそうゥッ♪」
「がるる~♪」(←訳:いいな~♪) 

 なんだかちょっとワクワクするチーズ系おやつお菓子、
 ご馳走さまでした!
 新酒解禁は、冬がくるぞ~!の合図でもあります。
 皆さま、いっぱい着込んでくださいね。

「さむさにィ、まけずゥ、ぱくぱくッ、たべようゥッ!」
「ぐるぐるがるるるがるー!」(←訳:ボクの分まで食べないでー!)
 

 
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《昭和》の名作ギャラリー!

2011-11-15 23:13:51 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日、JR八王子駅で出会ったのは……

  

 『富士の国やまなし』観光キャラバン隊長の
 武田菱丸くんです。
 ハロー、菱丸くん!

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるるるがるがるるる!」(←訳:虎です!手に持ってる軍配がいいね!)
「ふうりんかざんッ!」

 観光と、歴史のロマンに思いを馳せて、
 今日の読書タイムは歴史ものを……ではなくて!
 前々回記事の《密室》、
 前回記事の《警察小説》に続くミステリ物件3部作の第三弾でゆきますよ♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
             ―― 少年少女 昭和ミステリ美術館 ――


 
 編著は森英俊さん・野村宏平さん、2011年10月に発行されました。
 『表紙で見るジュニア・ミステリの世界』と副題が付されています。
 そう!
 これは、《観るミステリ》ともいうべき御本なんです~♪

「わほゥ! できゃいィッ!」
「ぐるるがるがるがるる!」(←訳:厚くて印刷も豪華だよ!)

 どっしり重い大型本の内容は、
 副題の通り、
 昭和の時代に少年少女の心を騒がせたジュニア・ミステリ作品の、
 表紙画を集めた美麗なギャラリーなのでした……
 (ああ、なんということでしょう!
  ついつい語り口調も、
  《少年探偵団》風になってしまうではありませんか!)

 御本の表紙画となっておりますのは、
 かの巨匠・江戸川乱歩さん著『少年探偵 青銅の魔人(江戸川乱歩全集⑤)』!
 画を担当されたのは、松野一夫さん!
 昭和33年に発行された作品なのです。
 色調、字体、衣装……香りますね、昭和が!

「こばやしィしょうねんがァ~」
「ぐるるがるがるがる~?」(←訳:ちょっと老け顔だけど~?)

 それもまた、丸ごと《時代》なのですよ。
 光文社の乱歩さんの全集(昭和26~35年)の装丁・画を担当した松野さん、
 ポプラ社の乱歩さんの全集(昭和39~48年)を担当した柳瀬茂さん、
 講談社の選集(昭和45年)を担当された生頼範義さん他、
 オールカラーというよりは
 テクニカラー的な“雄弁たる”表紙画を描く画家さんが
 大活躍なさった時代、だったのです。

「あッ! ほーむずさんだッ!」
「ぐるるがるがるぐる!」(←訳:怪盗ルパンもいる!)

 少年少女向けの御本とは、
 抄訳版、の文学でもありました。
 意訳、と呼んでしまってもよいかもしれません。

 『名探偵ホームズ全集』?
 『探偵名作・少年ルパン全集』?
 原作にそんなシリーズ名は……

「きいたことォないィでスよゥ!」
「ぐるる!」(←訳:初耳だ!)

 初耳といえば、
 西條八十(さいじょう・やそ)さん!

 詩人、作詞家、童謡作家として知られる西條八十さんが、
 ジュニア・ミステリを執筆しておられたとは、
 本当に驚かされました!
 国書刊行会さんの『西條八十全集』にも収録されていないジュニア・ミステリ作品が
 多数存在する、ですって!
 
 猛然と読みたくなってまいりましたよー!

「よみたいッよみたいッ!」
「がるがるぐるがる?」(←訳:どんな御話かなあ?)

 高木彬光さん、野村胡堂さん、
 柴田錬三郎さん、山岡荘八さん、
 仁木悦子さん、海野十三さん、小林信彦さん……

 綺羅星のごとき作家さんたちと、画家さんたち!
 
 いまもういちど読み返したい!
 じっくり読み直したい!
 読んだことないけど面白そう!
 そう思わせてくれる少年少女ミステリの美術と
 詳細なデータも併載された労作、
 かつて少年少女だったすべての活字マニアさんにおすすめですよ~♪

「わんだふるゥわーるどへェ、ようこそォッ♪」
「ぐるぐるがるるるる~!」(←訳:ぜひ覗いてみてね~♪)
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プロの眼、光る。

2011-11-14 23:11:59 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日11月14日は、二の酉~!
 人気の屋台さんでは、長い行列が~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はちみつはァ、うッてませんかァ~♪」
「がるる!がるぐるがるがるぐるるがる~!」(←訳:虎です!発電機をもっと小型&静音化して~!)

 りんご飴、クレープ、関西焼き、と
 お好みの屋台フーズをパクついた後には、
 腹ごなしの読書タイム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  

 
           
             ―― 本当におもしろい警察小説ベスト100 ――


 
 2011年9月発行の洋泉社MOOK、
 『書評家おすすめ国産70+海外30作品!!』と副題が付されています。
 前回記事では、《密室ミステリ》について語られた新書を御紹介いたしましたが、
 この御本は、《警察小説》のガイドブック、というべきでしょうか。

「けいさつゥしょうせつゥ!
 たんていィさんはァ、ぽりすまんッ!」
「ぐるるがるがるるぐるるるー!」(←訳:警察官さんといっても色々だよー!)

 そうですね、
 探偵の役どころにいちばんお似合いな、いわゆる刑事さん。
 鑑識課の職員さんも推理をしますし、
 最近では、コンピュータ犯罪を扱う専門職さんもおられると聞きます。
 
 では、何をもって警察小説と定義するべきなんでしょう?
 この御本の冒頭では、次のような条件を設定しています。

  『たとえ一匹狼が主役であろうと、
   警察に属する面々のチームとしての動きを意識して描くこと』

  『正統派であれ悪漢であれ、刑事であれ非刑事であれ、
   警察という組織の一員である個人を描くこと』

  『あえて現実から逸脱する場合でも、
   警察という実在の組織に関する知識を持ったうえで描くこと』

「うむゥ!
 テディちゃ、いッぴきィおおかみさんッ、すきでスゥ!」
「がるるぐるぐるぐる~!」(←訳:悪徳警官はやだよう~!)

 複雑な条件を提示されると混乱をきたしますが、
 難しく考える必要はありません。
 これが警察小説!といえる一流の“見本品”が、
 御本の中に多数リストアップされているんですから。

 また、“見本品”とともに、
 “規格外品”も取り上げられているのも、
 この御本の特徴です。

 その証拠は、
 今野敏さんと押井守さんの特別対談!

「おしいィさんッ?」
「がるぐるるがるるー!」(←訳:映画作家のヒトだー!)

 はい、押井守さんは、この対談では映画監督さんという肩書ですが、
 『機動警察パトレーバー』
 『攻殻機動隊』といった大ヒットしたアニメーションは、
 警察組織もしくは警察的組織なしには描き得なかった作品ですね。

 《隠蔽捜査》シリーズ他が人気の作家の今野さんと押井さん、
 意外なことに?仲良しさんです。
 15年来の知り合いで、
 押井さんは今野さんの空手の弟子?
 
「わほッ♪ からてェ?」
「ぐるぐるぐるるるがる!」(←訳:不思議な友達だね!)

 おふたりの対談に始まる
 『読むに足る警察小説探し』は、
 ミステリマニアさんにとって、
 楽しい旅となることでしょう。

 TVドラマ、映画に登場するあの人気作品の続編は?
 シリーズ第一作はなんていう作品?
 海外モノのおすすめ作品は?
 などの疑問をも解消してくれる解説&著作リストも掲載されています。
 警察小説ファンの方々は、ぜひ~!

「いまやァ、せかいじゅうでェ、だいにんきィ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:それが警察小説さ!)
  
  
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~ ふたりは密室スペシャリスト ~

2011-11-13 23:12:11 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ふ~、自転車競技(ロードレース)がオフシーズンになってしまって悲しいです……
 え? 野球ですか? う~ん、どうものめりこめなくて……。

「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ふぃぎゅあすけーとのォ、しーずんッ、はじまッたでスよッ!」
「がるる!ぐるぐるぐるるるがる!」(←訳:虎です!テニスも頑張ってる!)
「さッかーもォ、もちろんッ!」

 そうね、スポーツの秋、続行中です!
 プロ選手の方々、プロ志望の方々も、健闘を祈ってますよ!
 では、夜のスポーツニュースを見終ったら、
 ちょっとだけでも、読書タ~イム!
 本日ご紹介いたしますのは、こちら~♪

  


 
               ―― 密室入門 ――


 
 著者は、ミステリ作家の有栖川有栖さん、建築家の安井俊夫さん、
 2011年8月に発行されました。
 『人が出入りしなかったはずの部屋で起こった不可能犯罪!
  東西の傑作を例に、理論と建築から《密室》の可能性を考える』と、
 かつてない長さの副題?が付されています。

「なッ、ながいィッ!」
「ぐるがるがるぐる~る!」(←訳:息切れしそうだよ~!)

 スポーツと違って、オフシーズンなどないのは、
 ミステリ小説の中の《密室》分野。
 作家さんたちは、
 いえ、仮にも本格モノの犯人たるもの、
 年間を通じて密室の発案と構成と実行にいそしまなくてはなりません。
 
 雪の原に孤立した、真冬の密室。
 溶ける氷が大活躍しそうな、夏の密室。
 秋風吹いて寂しさつのる、枯野の密室。

 著者の有栖川さんは、
 プロフェッショナルの知識を駆使し、
 様々なミステリ作品の密室を解説してくださいます。
 
「はかせでスッ! みッしつはかせとォ、よびたいィでスゥ!」
「ぐるがるがるるるがるるる?」(←訳:密室マイスターってのはどお?)

 密室マイスターの有栖川さんと一騎打ち、
 いえ、対談するお相手の安井さんは、
 一級建築士さんであり、
 有栖川さん著『女王国の城』では
 作中に登場する建物の図面を作成なさった御方です。

 この御二方が、制約なく、自由に、
 古今東西の《密室ミステリ》を語り合うと……

 なぜか、笑いに次ぐ笑い?

「ふァッ??」
「がるぐるっ?」(←訳:なぜ笑いっ?)

 或る館を舞台にした密室ミステリ――

 いや!
 たとえ建築基準法に違反してないにしても、
 こーんなに長い廊下は、有り得ない!
 照明の数だけでも大変なことになる!
 長大な地下の抜け道も、
 窓のない部屋も、
 ものすご~く熱がこもってしまうので、これも有り得ない!

「えェ~?
 テディちゃ、ぬけみちィ、すきなのにィ~」
「がるる~…」(←訳:駄目か~…)

 とっても有名なあのミステリ作品の――

 ボスフォラス海峡より東にはひとつしかない、という
 ケルト・ルネッサンス様式のシャトー。
 これも……有り得ない!

 なぜって、
 ケルト・ルネッサンス様式なんてのは、
 実在しないんですから。

「えェ~? ないィのォ~?」
「がるぐる~!」(←訳:惜しいぃ~!)

   なぜ密室を書くのか?
   そこに、それがないからだ。

   ミステリ作家は洋館の前で写真を撮るのが好き♪

 などなど、名言迷言をちりばめた、
 花も実もある楽しい嘘の世界――密室!
 
 密室の権威ふたりによるパワフルなお喋りは、
 しかし、いくつかの名作ミステリのトリックを暴いてもいますので、
 ミステリマニアさん以外の方々に
 おすすめしてよいのかどうか……
 そこが悩みどころです。
 我こそは密室ミステリマニアなり!
 と自信満々の御方はともかくも、
 え~?ミステリは初級者なんですけど~?という御方は、
 くれぐれも用心してお読みくださ~い!

「くんしィ、あやうきにィ、ちかよらずゥッ!」
「がるるるぐるがるがるぐる~っ!」(←訳:それでも密室が好きなひと、集まれ~っ!)
 
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『ボジョ』か『ノヴェ』か?

2011-11-12 23:00:02 | 美味
 こんにちは、ネーさです。
 さあ、週末ですよ~♪
 紅葉狩り!……じゃなくて、おやつタ~イム!の週末です。

「こんにちわッ、テディちゃでス! むほほッ♪」
「がるる!ぐるるっ♪」(←訳:虎です!わふふっ♪)

 前回のおやつタイムで御紹介いたしましたのは
 『新酒ワインのためのおやつ菓子』でした。
 本日は、その第2回!
 ウィ!ボナペティ~♪

  

 『おやつカンパニー』さんの
 《フランスパン工房 厚切りプレミアム 4種のチーズ味》!

「わいんはァ、ないけどォ~、いただきまスゥ!」
「がるがるるるぐるるー!」(←訳:ボクもいただきますー!)

 はい、私ネーさも、いただきまーす♪
 ぱりん、ぽりん、ざっくり。
 ラスクを薄~くしたような生地に、
 チーズのお味は……割とあっさり、してますね。
 ぱくぱくっと、すぐ平らげてしまいそうです♪

 おフランスの新酒ボジョレー・ヌーヴォーの解禁は11月後半ですが、
 イタリア産の新酒ノヴェッロは11月6日解禁!
 もう飲めるのだそうですね。
 おフランスの前にイタリアンで舌馴らしだ~♪と目論むワイン好きさん、
 チーズ系お菓子も一緒に召し上がれ~♪

「おいしィのでェ、ぱくぱくぱくぱくッ!」
「……がるるがるぐるるー!」(←訳:……なくなっちゃったよー!)

 はい、しょっぱいお菓子の後には、
 こちらの甘~いチビお菓子はいかがでしょう~?

  

 『チロルチョコ』さんの
 《チロル チョコボール キャラメル》!

 コンビニでバラ売りしているタイプのチロルチョコ、なんですよ。
 お味は……いえいえ、
 チョコボ大好きな御方の楽しみを奪ってはいけませんので、
 ここでは秘密にしておきましょう。
 チョコボールキャラメルとチロルがコラボすると、
 どんなお味の、どんなチョコが出来るのか、
 御自身で探究&実食されたし~♪

「ぐるぐるがるがるるるー!」(←訳:ボクらは食べてみたよー!)
「むふォふォッ~♪
 ぱッけーじがァ、きゃわゆいィ!」

 ユニークさが光るお菓子さんたち、
 ご馳走さまでございました♪
 では、寒くなったり、小春日和だったりの週末を、
 皆さま、どうぞ穏やかに過ごして下さいね。

「おやつをォ、わすれずゥにィ!」
「ぐるがるっ!」(←訳:もちろんっ!)
  
 
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めぐるめぐる四季の庭。

2011-11-11 23:17:17 | ブックス
「ぽッきーでェ、ゆこうッ!」
「がるがるぐるるー!」(←訳:かりぽりポッキー!) 

 こんにちは、ネーさです。
 ’11年11月11日……と、1がズラーリ並んだ今日は、ポッキーの日!
 なのでございまするが、
 本日は、おやつタイムではなくて読書タイムの日ですよ~♪

「……こんにちわゥ、テディちゃでス。ちぇッ!」
「ぐるるー!がるーがるるるぐるる~…」(←訳:虎ですー!ポッキー食べたかった~…)

 では、ポッキーにも負けない、エキサイティングな御本を、はい、どうぞ~!

  


 
           ―― しばわんこの四季の庭 ――


 
 絵と文は川浦良枝さん、2011年9月に発行されました。
 雑誌『MOE』に連載された作品に加筆・描きおろしを加えた、
 大人気のロンゲセラー《しばわんこ》シリーズの最新刊です♪

 柴犬の『しばわんこ』ちゃんと
 三毛猫の『みけにゃんこ』ちゃんを案内役に進行する《しばわんこ》シリーズ、
 今回のテーマは……お庭!

「そういえばァ、ひょうしにはァ、みどりがァ、いッぱいィ~♪」
「がるるぐるるぐるがるる!」(←訳:園芸入門しばわんこ編だね!)

 冒頭の、
 『種まきしてみよう』に始まる
 難し過ぎない“庭と園芸のおはなし”は、
 平成というよりは、昭和の庭仕事日記、の風情です。
 けれど、実際には、
 園芸にとって平成も昭和もあまり関係がないようですね。
 使う道具にいくらかの進歩はあれど、
 どの時代でも根本を占めるのは、
 やる気!!

「うむむッ、やるきッ!」
「がるるがるるるーぐるがるる!」(←訳:園芸は肉体労働だからねー!)

 よいお庭を作ろう!
 美しい花が咲くお庭を造ろう!と願う
 しばわんこちゃん&みけにゃんこちゃんの
 《園芸大作戦》は、
 私たち初心者にはありがたい分かり易さです。
 
 それでいて、時折りキラリ!と光るマニアな知識!

「ちしきィ?」
「がるる?」(←訳:マニア?)

 例を挙げますと――

 春に咲く、スミレの花。
 プランター、花壇などで見かけるのは当然ですが、
 あれっ? 
 こんな塀際や道端にも咲いてるけど、
 種が風で運ばれて根付いたのかしら?
 と常々不思議に思っておりました。

 その謎が、解けましたよ!

 なんと、

  『スミレの種はアリによって運搬される』!

 さらに加えて、
  
  『種にアリの好む物質がついている』!

 そうだったのか!
 ヘンテコな場所に生えているスミレは、
 アリンコの気紛れがそうさせたのねー!
 スミレと蟻の、共同戦線!

「ほわァ! なんたるゥ、へんてこッ!」
「……ぐるぐるがるがるがるぐる?」(←訳:……スミレってそんなに美味しいの?)

 園芸と、お庭と、里山の基礎知識と。
 驚きいっぱいの雑学もふんだんに盛り込まれたしばわんこBOOK、
 一見、絵本のようですが、
 大人の活字マニアさんにこそよく解る、
 《花とみどり》の図解事典です。
 先入観なしに、ぜひ一読を~♪

「あきはァ、もみじにィ、いちょうッ!」
「がるぐるがるるがるるぐるー!」(←訳:冬はツバキがきれいだよー!)

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