テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

北斎ファミリー?

2017-10-21 22:07:04 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あめェだけどォ、がんばりィましたでス!」
「がるる!ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!皆さんお疲れさま!)

 こんにちは、ネーさです。
 宇都宮市で開催中の《ジャパンカップ》、
 今日行われたクリテウム部門の優勝者はイタリア人の
 マルコ・カノラさん!(NIPPOヴィーニファンティーニ所属)
 おめでとうございますカノラさん!
 明日のロードレースにも期待を募らせながら、
 さあ、本日は読書をサボって、
 こちらの展覧会情報をどうぞ~♪

  



        ―― 北斎とジャポニズム ――



 東京・上野の国立西洋美術館にて、
 会期は2017年10月21日~2018年1月28日
 (月曜休館、ただし1/8は開館、12/28~1/1と1/9は休館)、
 『HOKUSAI AND JAPONISME』と英語題名が、
 『HOKUSAIが西洋に与えた衝撃』と日本語副題が付されています。

「きょうゥからァ、はじまりィましたッ!」
「ぐるるるがるるる~!」(←訳:メンツがすごいよ~!)

 ホントにそうなのよね、先ずは――

  

 ↑こちらは、セザンヌさん!

「ふじさんッみたいィなァ~…」
「がるる=ぐぅるるるーるうる!」(←訳:セント=ヴィクトワール山!)

 そして、既によく知られているのは――

  

 ↑フィンセント・ファン・ゴッホさんの日本大好きっぷり!

「これはァ、もうゥ~」
「ぐるるがる!」(←訳:マニアです!)

 それからね、こちらの――

  

 ↑ポール・ゴーガンさん作『三匹の子犬のいる静物』も
 やっぱり影響されてるわよね。

「ころころォわんこッ!」
「がるぐぅる?」(←訳:和犬じゃん?)

 立体作品もありますよ。
 北斎さんのあの名作にインスパイアされたのは――
 
  

 カミーユ・クローデルさんの『波』!

「なァるほどッ♪」
「ぐるるっるるる!」(←訳:こうなったんだ!)

 この展覧会には
 国内外の美術館や個人コレクターさんが所蔵する
 モネさん、ドガさん、セザンヌさん、ゴーガンさんたち
 “HOKUSAIに魅了された”西洋の画家さんによる
 約220点の作品と、
 葛飾北斎さん(1760~1849)が制作した
 錦絵約40点、版木約70冊が出展されます。

 会期中、展示替えが予定されていますので、
 詳細については美術館HPを御参照くださいね。

 期間中には、講演会、スライドトーク、
 大学生のための無料観覧日の設定されています。
 
 また、国立西洋美術館は
 印象派関連のオリジナルグッズも充実していますから、
 皆さま、お出掛けの際は
 ぜひショップを覗いてみましょう♪

「おすすめはァ~」
「がるるるぐぅるがる!」(←訳:富士山型チョコです!)
 



    で、今回のオマケ画像なのですが。
   
    『自由が丘 亀谷万年堂』さんの
    《ハロウィンナボナ チョコレート》ですよ。
    「はッぴきィ!」
    「ぐるるぅる!」(←訳:ハロウィン!)
    台風接近に恐々の週末になってしまいました……
    被害がでませんようにと祈るばかりです。
    皆さま、どうか、穏やかな休日を。
    
    
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カラーが楽しい《石の世界》!

2017-10-20 22:00:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いよいよォ、じゃぱんかッぷゥ!」
「がるる!ぐるがるるるるー!」(←訳:虎です!雨に負けないでー!)

 こんにちは、ネーさです。
 祝!アルベルト・コンタドールさん初来日!!
 ジロで、ツールで、ブエルタで優勝杯を掲げた
 世界的なロードレース選手さんが初来日して
 《ジャパンカップ2017》に参戦しますよ。
 開催地・宇都宮の周辺にお住まいの皆さま、
 ぜひレースを観戦してくださいね。
 さあ、ではここからは
 本日の読書タイムを、どうぞ~♪

  



        ―― 奇妙で美しい 石の世界 ――



 著者は山田英春(やまだ・ひではる)さん、2017年6月に発行されました。
 新書ではありますが、カラー図版が多数掲載されているこの御本、
 表紙のお写真も、はい、《石》です。

「ほわわァ? これがァ、いしィ、でスかッ??」
「ぐるがるるる~!」(←訳:石に見えない~!)

 抽象画かな?
 顕微鏡で覗いた何かの拡大図?
 などと思ってしまいそうなこのお写真は、
 まぎれもなく《石》です。

 私たちが身近で目にする、
 そこらへんに転がっている石コロとは、
 ちょっとどころか
 天と地ほどの違いを持つこのカラフルな《石》たちは、

 瑪瑙(めのう)
 ジャスパー
 孔雀石
 オパール

 といった、ほぼ宝石、のような鉱石や岩石です。

「あはァ!おぱーるゥ!」
「がるるる!」(←訳:美々しい!)

 《石》とは何なのか――

 御本の冒頭では、《石》という“謎”に光が当てられます。

   《石》は、鉱物と岩石に大きく二分される。

   鉱物は一定の化学組成をもった結晶質のもので、
   宝石と呼ばれるものの多くが鉱物に属している。

   岩石は細かい数種の鉱物の粒の集合したもので、
   火成岩、堆積岩、変成岩の三つに分類される。

「ふゥ~むゥ? こうぶつゥとォ、がんせきィ?」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:どっちも面白そう!)

 著者・山田さんがこの御本で取り上げているのは、
 縞模様が鮮やかな瑪瑙(めのう)、
 瑪瑙の仲間に数えられることもある
 和学名を碧玉(へきぎょく)というジャスパー、
 青緑色のヴァリサイト、
 水色のトルコ石などです。

 敢えて定型的な表現をするならば、

  “自然が創り出した美”

 そんな言葉がふさわしい色と形と線の競演!

「はなやかなァ、ものッ!」
「がるるるるる!」(←訳:地味なものも!)

 こんなのアリ?と驚かされる《石》たちは、
 どんな国で見つかるのか、
 どんな場所で生成されるのか。
 どんな歴史を持っているのか。

 今もそこで見つけることが出来るのか?
 《石》にヒトの手が加えられることはあるのか?
 
 《石》たちとの出会い、
 《石》の産出地への旅行記も含め、
 山田さんの《石》博士ぶりは痛快です♪

「いしのォせかいィにもォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:ドラマあり!)

 以前に拙ブログでも御紹介したコミック作品
 『七つ屋志のぶの宝石匣』ファンの方々におすすめの、
 そして自然史好きな活字マニアさんにも
 おすすめしたいカラフルな新書です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪ 
 
 
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知らぬ者なき。

2017-10-19 22:10:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 らいねんはァ、やまみちィ~たくさんッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!激闘必至だ!)

 こんにちは、ネーさです。
 現地時間17日のこと、パリにて
 ツール・ド・フランス2018のコース概要が発表されました。
 出発地はフランス西部、
 パヴェと呼ばれる石畳のコースや
 久しぶりにアルプスの名所ラルプデュエズがコースに復活!
 1チームが9名から8名に変更など、
 とにかくもう今からワクワクです♪
 そして本日の読書タイムも、
 読んでいてワクワクの楽しい御本を、さあ、どうぞ~!
 
  



         ―― 翔ぶ夢、生きる力 ――



 著者は石坂浩二(いしざか・こうじ)さん、2017年9月に発行されました。
 『俳優・石坂浩二自伝』と副題が付されています。

「はじめてのォ、じでんッなのでス!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:すごい記憶力だよ!)

 つい先頃、放送終了したばかりの
 ドラマ『やすらぎの郷』は、
 2017年のTV界で大きな話題となりました。

 この御本では、
 『やすらぎの郷』で主演を務めた著者・石坂さんが
 ドラマ制作の経緯や裏話、
 演劇を始めた高校生時代から
 NHKでの大河ドラマ出演、
 《金田一》シリーズなど映画での演技、
 作詞や舞台演出など、
 御自身の“俳優生活”が克明に語られています。

「しらないィひとがァ、いないィなんてッ!」
「がるるるぐるるぅる!」(←訳:いまどきスペシャル!)

 シニアさんから十代の学生さんたちにまで
 広~く知られている役者さんって、
 実はとても少数だと思うのですが、
 石坂さんは紛れもなく
 その数少ない役者さんのおひとり、ですね。

 そしてまた、私たち観る側にも
 それぞれ思い入れがありますね。

「さいこうゥのォ、きんだいちィさんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:クイズの解答者!)
「しかいしゃさんッ!」

 『ウルトラQ 』のナレーションを思い出すひと、
 『天と地と』他のドラマを思い起こすひと、
 劇団四季や帝国劇場での舞台や
 『ビルマの竪琴』といった映画を想うひと、と
 皆さまそれぞれでしょうけれど。 

 ミステリ好きな私ネーさは
 市川崑さんと組んだお仕事の話に胸高鳴りましたよ。

 横溝正史さんも登場するこのパート、
 映画好きさんも探偵小説好きさんも
 必読ですから!

「よこみぞォせんせィ、かッこいいィ!」
「がるるるる!」(←訳:市川監督も!)

 映画やTVのお話がトントンと続いて後、
 御本の後半部分――第二部では
 意表を突く展開が待っています。
 その題名とは――

  《私のヒコーキ人生》

「えッ? ひこーきィ??」
「っるぐるるるがる?」(←訳:って飛行機のこと?)

 チビっ子の時代からもう、
 石坂さんは飛行機愛好家さんだったのでした。
 その熱意と知識たるや凄まじく、
 私ネーさ、
 宮崎駿さんの漫画『風立ちぬ』を連想し、

 石坂さんと宮崎さん、
 飛行機をネタに対談してほしいわ!

 と妄想いたしました♪

「いいでスねッ、それッ♪」
「がっるるるる!」(←訳:やって欲しい!)

 昭和と平成のTV史に興味をお持ちの活字マニアさんに、
 探偵・金田一さんのファンの方々に、
 激おすすめのこの御本、
 飛行機マニアさんも、ぜひ、一読を♪
 
 
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~ 色彩の画家さんたち ~

2017-10-18 21:57:21 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 しゅうまつゥ、はれまスようにィ~!」
「がるる!ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!大会があるんです!)

 こんにちは、ネーさです。
 今週末は宇都宮市にて
 《ジャパンカップ サイクルロードレース》が開催されます。
 海外の強豪チームやスター選手さんも参加してくれる
 とっても貴重な大会なんですから、
 雨よ、降らないでおくれ~!

「たいふうゥ、こないでッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:寒いのもNO!)

 晴天であれと全力で祈りながら、
 さあ、本日は読書をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



 ―― 表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色彩の冒険者たち ――



 東京・港区東新橋のパナソニック汐留ミュージアムにて、
 会期は2017年10月17日~12月20日
 (水曜休館、ただし12/6、12/13、12/20は開館)、
 『PAINTERS OF PASSION:ADVENTURES IN COLOR BY
  KANDINSKY,ROUAULT,AND THEIR CONTEMPORARIES』
 と英語題名が付されています。

「あれれッ? これがァ~?」
「がるるぅるるるーぐる?」(←訳:カンディンスキーさん?)

 チラシ(フライヤー)表面にあるのは
 『商人たちの到着』(1905年)。

 抽象絵画の創始者とされる
 ヴァシリー・カンディンスキーさん(1866~1944)
 の作品にしては、
 あまり抽象っぽさが強くないようですが……

  

 それに、↑こちらも?

 『ヒンデンブルク』(1930年頃)?

 キリスト像の作品で知られる
 ジョルジョ・ルオーさん(1871~1958)が
 こういった人物像作品を描いていたなんて……?

「びッくりィしましたでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:大いに意外!)

  

 ですが、ご安心下さい、
 これぞカンディンスキーさん!という作品も
 ちゃあんと出展されていますよ。

 この展覧会は、
 抽象画家カンディンスキーさんと
 宗教画家ルオーさんが
 “色彩とかたち”を軸として、
 互いの作品へ関心と
 共鳴を深めていった様相を探る企画展です。

 カンディンスキーさん、ルオーさんの油彩画、
 水彩画、版画、デッサンや書籍、
 その他にも同時代の画家さん――
 パウル・クレーさん、ガブリエーレ・ミュンターさん、
 エーリッヒ・ヘッケルさんの作品など
 約130点が展示されます。

「わほゥ♪ だいきぼォなのでス!」
「がるーるるぐるるぅ!」(←訳:クレーさん好きだぁ!)

 会期中には、記念講演会(要予約)、
 山田五郎さんによるアートトーク(要予約)、
 先着400名様にぬりえプレゼント
 (10/23、11/6、11/20、12/4、12/6)、
 先着250名様にオリジナル切手プレゼント
 (10/30、11/13、11/16、11/27)、
 ギャラリートーク等のイベントも予定されています。

 予約方法については美術館HPを御参照の上、
 早目に予約を済ませてから
 お出掛けくださいね。
 20世紀美術が好きなアートマニアさんにおすすめ!ですよ♪
 
 


    さて、ではここでオマケ画像も、パクリと♪
   
    『不二家』さんの
    《LOOK 4 チョコレートコレクション》は
    ショコラ好きさんには嬉し楽しの4味セットです。
   「たべくらべッ、しちゃおうゥ!」
   「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:カカオ度お好み次第!)
    アート散歩のお供にも、ぜひ♪


  
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登山道にて、ふと。

2017-10-17 22:07:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またしてもォ~きましたでスゥ!」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!怖いお話が~!)

 こんにちは、ネーさです。
 いやー、ホラー映画は苦手なんですけれど、
 こういう“怖いお話”にはついつい手が伸びてしまいますわ。
 どんな風に怖いか、というと……
 はい、こちらを、どうぞ~♪
 
  



          ―― 山の怪談 ――



 著者は(せーの!)、柳田國男さん、高橋文太郎さん、高須茂さん、
 西岡一雄さん、小池直太郎さん、小泉八雲さん、岡本綺堂さん、
 志賀直哉さん、平山蘆江さん、豊島与志雄さん、加藤博二さん、
 ハンス・シュトルテさん、工藤美代子さん、深田久弥さん、上田哲農さん、
 西丸震哉さん、古川純一さん、青柳健さん、高田直樹さん、沢野ひとしさん、
 2017年8月に発行されました。

「やまァ、でスかァ~…」
「ぐるぅ~…」(←訳:山かぁ~…)

 そうです、山なんです。

 書店さんに足繁く通う方々は御存知ですよね、
 2015年に刊行された
 田中康弘さん著『山怪 山人が語る不思議な話』がヒットして以来、
 山で起きる“怖いお話”をテーマとする作品が
 じわり、じわりと
 増えつつあるのを。

 この御本――『山の怪談』も
 『山怪』の系列に連なる作品と申せましょうが、
 敢えて評するなら……

 とっつきやすい!

「ふァ? こわいィのにィ??」
「がるるぐるるるるる?」(←訳:怖くて読みやすいの?)

 本文は、以下のような三部に分かれています。

  Ⅰ――山の怪異の民俗

  Ⅱ――文人・林人の心霊の話

  Ⅲ――岳人の怪奇・神秘体験

 そして、Ⅰで一番手を担っているのが
 柳田國男さんの『入らず山』ですから、
 読み手はただ闇雲に
 “怖いお話”の中に放り込まれるのではなく、
 ギャラリーガイドさんの絶妙な案内で
 山という《異界》と対峙することになります。

「やまではァ、いろいろォおこるのでス!」
「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:いいことも悪いことも!)

 山に暮らす人々が出会った不思議な事象、
 古くからの言い伝え。
 天狗さまへの畏れや、
 貉(むじな)たちの企み。

 しかし。

 そうかぁ、そういう解釈もありなのかぁ、と
 Ⅰのノンフィクショナルな世界に浸っていると
 怖ろしいことに……

「うきゃッ!」
「がるるぐるるっ」(←訳:いつのまにかっ)

 小泉八雲さん著『幽霊滝の伝説』。

 これ、怖いです。
 時代など超越してしまう怖さがあります。
 地名や人名、単語の幾つかをチョチョイと変えてしまえば、
 現代でも充分に、
 充分以上に通用する怖さです。

「りあるゥだしィ!」
「ぐるるる!」(←訳:悲しいし!)

 さらには、八雲さんの作品の次に収録されている、
 
 岡本綺堂さん著『兄妹の魂』。

 ここにあるのは、荘厳な《怪》――

 束の間、生命の不可思議さを見せつけられたような、
 背筋を正したくなる怖さ、でしょうか。

「これもォ、かなしくてェせつないィ~…」
「がるるぐるがる!」(←訳:だから怖さ倍増!)

 ノンフィクションとフィクションが
 ほどよく混在する山の“怖いお話”たち。

 収録作品20篇に関する解説が
 まったく掲載されていない点はとても残念なのですが、
 岡本綺堂さんのファンの方々には
 特におすすめしたい御本です。

 紅葉しつつある山々を
 そ~っと見上げながら、
 皆さま、ぜひ一読を!


  
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森に樹に葉に、涙。

2017-10-16 22:13:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うゥ、さむいィ~…なんてェ、いッてられませんッ!」
「がるる!ぐるるるがっるぐるる!」(←訳:虎です!北海道はもっと寒いよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、厳しい寒さの関東・東京ですが、
 本日の読書タイムは、
 もっともっと寒いに違いない北海道を舞台にした
 小説作品を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 神の涙 ――



 著者は馳星周(はせ・せいしゅう)さん、2017年9月に発行されました。
 『神』には『カムイ』と仮名がふられています。

「ふむふむッ! かむいィ~というのはァ~」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:アイヌの言葉だね!)

 著者・馳さんは、
 デビュー作『不夜城』や今年刊行された『暗手』などの
 ノワールロマン系の作品、
 直木賞候補となった『アンタッチャブル』など
 笑いを取り込んだハードボイルド作品、
 硬派な歴史小説『比ぶ者なき』、
 かと思えば人とワンコの係わりを丁寧に綴る
 《ソウルメイト》シリーズで
 愛犬家さんたちから圧倒的に支持されたり、と
 怪人二十面相のように
 “幾つもの顔”を持つ作家さんですが……

 この御本でも
 ガツン!と斬新な手を打ってきましたよ。

「ほッかいどうのォ、ふかァ~いィもりィ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:よそ者には危険!)

 北海道の、
 そこは札幌や小樽といった都市ではなく。

 屈斜路湖(くっしゃろこ)の湖畔の、
 川湯(かわゆ)温泉の町から
 まだもう少し離れている、という場所です。

 そこに住むのは、
 木彫作家の平野敬蔵(ひらの・けいぞう)さんと、
 敬蔵さんの孫・悠(ゆう)ちゃん。

 両親を事故で失い、
 祖父・敬蔵さんと二人暮らしの悠ちゃん、
 或る目標を立てています。

「こうこうせいにィなッたらァ、ここをォでようゥ!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:別の町の高校へ行く!)

 釧路か帯広の高校へ行く。
 そういう町でなら。
 小さな田舎町でないところなら。

 自分がアイヌの娘だと
 気にすることもなく
 生きてゆけるだろう――

「むむゥ~…そうなのでスかァ~…」
「がるるるるぅ~…」(←訳:そうなのかぁ~…)

 あと一年、ここで我慢すればいいんだ。

 祈るようにして
 一日一日をやり過ごしている悠ちゃんの前に、
 しかし、
 一陣の風が吹き込みます。

「たッ、たいへんでスゥ!」
「ぐるるがるるる??」(←訳:お弟子志願者が??)

 ヘンクツなおじいちゃん、いえ失礼、
 腕は良いのに人付き合いは苦手な敬蔵さんのもとに、

  弟子にしてください!

 とやって来た男は……いったい何者なのか?

 本気で木彫を習おうとしているのか、
 あのヘンクツなおじいちゃんから?

「なにかァ、かくしてるゥ??」
「がぅっるぐる?」(←訳:ちょっと不審!)

 屈斜路湖周辺の自然を背景に、
 悠ちゃんの《家族》の上にふりかかる
 予期せぬ出来事――

 ミステリの要素もかすかに抱える物語の粗筋を
 これ以上バラしてしまう訳にはいきませんが、
 馳さんのファンの方々にも
 サスペンス小説好きな活字マニアさんにも
 おすすめの力作です。

「きねんッ、なのでス!」
「ぐるるる!!」(←訳:20周年!!)

 馳さんの作家生活20周年記念作品でもある御本を、
 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 花の旅 ~

2017-10-15 22:23:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 たきたてェ、ぴかぴかッ!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!新米の季節です!)

 こんにちは、ネーさです。
 ピカピカの新米が美味しい季節は、
 紅葉が始まる季節でもありますが、
 本日の読書タイムは、
 季節の美しさと草花の美しさを追い求める
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


  
       ―― フランスの花の村を訪ねる ――



 著者は木蓮(もくれん)さん、2017年8月に発行されました。
 『Villes et Villages Fleuris de France』
 と仏語題名が付されています。

「おォ~♪ ひょうしのォ、おしゃしんがァ~♪」
「ぐるる!」(←訳:既に美!)

 御本の表紙になっているこのお写真は、
 《ミモザの町》として有名な
 南仏の村ポルム・レ・ミモザでの一景……
 
 ただし、ここに写っているのはミモザではなくて、
 ブーゲンビリアのお花です。

 初夏になると、あちらの石壁にブーゲンビリア、
 こちらの角にもブーゲンビリアと
 村中にブーゲンビリアが咲き誇るのだそうですよ。

「おはなのォむらでスかァ~…」
「がるるぅ~…」(←訳:いいなぁ~…)

 と、このように、
 表紙のお写真に惚れ惚れしながら
 御本を手に取ってみると、
 あれっ?と思うかもしれません。

 これ、写真集じゃないのね?
 文章も載ってるわ?

「あッ、ほんとでス!」
「ぐっるるるる!」(←訳:エッセイだよ!)

 本文の柱となっているのは、
 春夏秋冬それぞれの季節に
 フランスの小さな町や村に咲く花々のお写真ですけれど、
 ではどうして著者・木蓮さんが
 花の村を訪ねることを始めたのか、
 花のお写真を撮っているのは何故なのかが
 文章でゆっくりと語られてゆきます。

 木蓮さん、
 神戸出身の日本人女性さんです。
 フランス人男性さんとの結婚して
 日本からフランスへ渡りました。

「ぱりィじゃなくてェ!」
「がーるぅるるぅ!」(←訳:オーヴェルニュ!)

 木蓮さんが住むことになったのは、
 フランス中央部の村、オーベルニュ。

 そのオーベルニュから
 菜の花咲くシャルローの村へ、
 藤の花が咲く巡礼路の古町コンクへ、
 ジャスミン香るエズの村へ――

「それにィ、らべんだーもッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:フランスらしい!)

 秋には、冬には、
 また別の草花の美があるフランスという国は
 欧州でも指折りの農業国なのだなぁと、
 読む進うち自然と身に沁みてきます。

 土壌の質や
 地中海性気候など、
 多くの差違があるフランスと日本――

 でも、花の美を愛でる心は共通してるぞ!
 とニックリしたくなる一冊を、
 皆さまも、ぜひ♪
 
 
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超絶技巧ふたたび&新作も!

2017-10-14 22:07:00 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァ~…おひさまがァ、こいしいィでスゥ~!」
「がるる!ぐるるるがるぅ~!」(←訳:虎です!晴れないかなぁ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 体育祭に運動会、遠足、野外イベント……
 スカッと晴れあがる秋の日が待ち遠しく思いながら、
 さあ、週末の今日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



         ―― 驚異の超絶技巧! ――



 東京都中央区日本橋の三井記念美術館にて、
 会期は2017年9月16日~12月3日(月曜休館)、
 『Amazing Craftsmanship!』と英語題名が、
 『明治工芸から現代アートへ』と日本語副題が付されています。

「すッかりィ~おなじみィ!」
「ぐるがる!」(←訳:超絶技巧!)

 そうね、ここ4~5年くらいのことでしょうか、
 広く知れ渡るようになった明治の工芸美術――
 2014年に三井記念美術館で開催された
 『超絶技巧!明治工芸の粋』に続き、
 今回の展覧会では、

  

 画家・山口晃さんもやっぱり大感心&興奮しきりの
 超絶物件がお披露目されますが。

「あはァ! やまぐちィせんせッ!」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:楽しいコメント多数!)

 なんと、ここに
 現代の作家さんたちも参戦することになりました♪

 この現代アートも、また凄いんです!
 例えば、こちらの↓秋刀魚の骨!
 
  

「むゥ! これはァ……!」
「ぐるるがぅるる!」(←訳:秋刀魚じゃない!)

 1962年生まれの前原冬樹さんによる木彫作品
 《一刻:皿に秋刀魚》。

 お皿も秋刀魚も一体の一本造り。
 桜の樹に彫って油彩で着色したという
 啞然呆然の超絶アートですよ。

「おそるべしィ、さんまッ!」
「がるるる!」(←訳:お皿もだ!)

 他にも、自在置物、金工、七宝、陶磁、
 刺繍、ガラス、牙彫、石彫、水墨といった分野の
 現代作家さんの作品が展示されますし、

  

 もちろん、並河靖之さん、宮川香山さんたち
 明治の超絶技巧作家さんの名作も出展されます。

 また、10月21日と11月18日には
 参加アーティストさんによる
 トークセッション(要予約・聴講料¥2000)あり、
 会期中には一部の作品の展示替えもあり、と
 スケジュールもアグレッシブですから、
 チケットをお持ちのアートマニアさんは
 美術館HPで詳細を御確認の上、
 日本橋へお出掛けしてくださいね♪

「あめにィぬれずにィ、ちかてつでェ~」
「ぐっるがっるぅ~る!」(←訳:いってらっしゃ~い!)
 
 
 
 
    はい、ではオマケ画像も、ここでシャキン!
   
    『ブルボン』さんの
    《ココナッツオイル×チョコレート》は、
    ココナッツオイル入りの個性的なショコラです。
   「ここなッつのォ、あじとォ、かおりィ?」
   「がる!」(←訳:だね!)
    ココナッツオイルで免疫を高め、
    皆さま、どうか穏やかな休日を♪

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英国版《遠野物語》?

2017-10-13 22:01:14 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 だんぼうゥきぐゥ、すいッちィおんッ!」
「がるる!ぐるーるがるるるる!」(←訳:虎です!フリーススタンバイ!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬です……っていうほど極寒じゃありませんけど、
 急な寒波に震える本日の読書タイムは、
 囲炉裏端でお祖母ちゃんの昔話を聞いているかのような
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



          ―― 夢と幽霊の書 ――



 著者はアンドルー・ラングさん、原著は1897年に、
 日本語版は2017年8月に発行されました。
 英語原題は『The Book of Dreams and Ghosts』、
 120年の時を経て日本語訳が刊行されたこの御本は、
 ロンドン留学中の夏目漱石さんも夢中で読んだという
 《幻の名作》です!いや、でした!

「ようやくゥ、ほんやくゥ!」
「ぐるがるぅるるる!」(←訳:もう幻じゃないね!)

 著者アンドルー・ラングさんは
 1844年スコットランドに生まれ、
 1912年に没……
 日本では『あおいろの童話集』など
 童話集の編纂者さんとして知られ、
 書物に関するエッセイ集も翻訳されている御方であり、
 超一流の文学者・編集者さんでもありましたが、
 また同時に、
 “怖い話の収集家”さんでもありました。

「ただァあつめるゥだけじゃなくゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:研究してました!)

 そうなのよね、御本を手に取って、
 読んでいただけたらよく解ります。

 ひやかし目的ではなく、
 頭から疑うのでもなく、
 かといって盲信するのでもなく、
 一心に“怖い話”“奇妙な話”を聞き集めたら
 書物が出来上がってしまった、という感じでしょうか。

   何人もが同じ夢を見る――

   遠地の出来事を夢に見て知る――

   幽霊やポルターガイストの話――

   土地に伝わる精霊の伝説――

   異国の怪異の話――

 そんな聞き書きがみっしり。

「まるでェ、がくじゅつしょッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:真面目です!)

 客観的で淡々とした語り口は、
 巻末で訳者ないとうふみこさんも述べておられるように、
 《人類学、民俗学研究の延長戦上》にあって、
 はたしてこれは
 ノンフィクションなのかフィクションなのか、
 どちらのジャンルの作品かと問われたら……

「むゥ~んッ? どッちィかなァ??」
「がるる~?」(←訳:迷うね~!)

 私ネーさとしては、
 第9章『幽霊と幽霊屋敷』
 第10章『近世の幽霊屋敷』
 第11章『さらなる幽霊屋敷』
 に唸らされました。

 ラングさんはこれを120年前に著したというのに、
 現代でもそっくり通用してしまう内容って……
 この分野の研究って停滞してるのかしら。

 いえ、それとも、
 ラングさんのこの作品が
 あまりにも“金字塔”なのだってこと?

「たぶんッ、きんじとうゥなのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:世にも稀な!)
 
 読み手を怖がらせることが
 目的ではないゆえに、
 読後感の印象は、どこか特殊です。

 或る“怖い”出来事があって、
 うん、でも、
 それから人々はどうしたのだろう?
 “怖さ”の次に
 いったい何がやって来たのか?

 もしかしたら漱石さんも
 ロンドンの下宿でそんな風に考え、
 ガス灯が灯る首都の路地を、
 テムズ川のほとりを
 ひとり散策したのでしょうか――

「そうぞうりょくがァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:羽ばたくよね!)

 ノンフィクション好きさんにも
 フィクション好きさんにもおすすめの古典的名作です。
 どうかぜひ、一読を♪


 
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愛猫家、《謎》を解く。

2017-10-12 22:19:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばれェ、いたりあァ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!突破しよう!)

 こんにちは、ネーさです。
 ロシアW杯予選……アルゼンチンは通過しましたが、
 イタリアはそこそこピンチです(涙)。
 来月のプレーオフでの勝抜けを祈願しつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの小説作品を、どうぞ~♪

  



      ―― 名探偵傑作短篇集 火村英生 篇 ――



 著者は有栖川有栖(ありすがわ・ありす)さん、2017年8月に発行されました。
 はい、ここのことろノンフィクション作品が続きましたので、
 今回は思いっ切りフィクションです。
 
「めいたんていィ、とうじょうゥ!でスねッ」
「ぐるるるがる!」(←訳:名推理の連打!)

 講談社文庫さんから刊行されている
 《名探偵傑作短篇集》シリーズには
 島田荘司さん著『御手洗潔 篇』や
 法月綸太郎さん著『法月綸太郎 篇』もありますが、
 まずは、
 ミステリ初心者さんも上級者さんも満足♪な
 “教授&アリス”のミステリを御紹介いたしましょう。

「げんみつにィ~いうのならァ~」
「がるるぐる!」(←訳:助教授さん!)

 ええ、そうですね。
 京都の大学――英都大学の社会学部で
 犯罪社会学の講座を持つ若き助教授さん、
 それが火村英生(ひむら・ひでお)さんです。

 そして、名探偵・火村さんに対して
 ワトスン博士の訳を務めるのは、
 著者・有栖川さんと同名の、
 推理小説作家・有栖川有栖さん。

 難事件、奇妙な事件に遭遇した警察の捜査員さんが
 火村さんに協力を依頼し、
 それに火村さんの親友である有栖川も同行して、
 《謎》の解決にあたるわけですけれど――

「ひとすじィなわァではァ、ゆきませんッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:狡賢いんだよ!)

 ホントにね、
 イマドキの犯人は簡単にシッポを出さないのよね。
 この御本には、

 『赤い稲妻』(1997年)
 『ブラジル蝶の謎』(1999年)
 『ジャバウォッキー』(2000年)
 『猫と雨と助教授と』(2002年)
 『スイス時計の謎』(2006年)
 『助教授の身代金(2008年)』

 という短編6作品が収録されていて、
 このうち『猫と雨と身代金』は
 火村さんの人となりがよく解る
 インターミッション的な掌編なんですけれども……
 
 ステキなんですよ、これが♪

「ほほえましィ~♪」
「がるる~♪」(←訳:可愛い~♪)

 火村助教授? 
 それだぁれ?
 という活字マニアさんは、
 愛猫家さんたちのハートを撃ち抜くこの作品から
 読んでみてはいかがでしょうか。

 私ネーさのおすすめは
 物語の進行とともに高まる緊迫感と推理が連動する
 『ジャバウォッキー』ですが、
 さて、皆さまのお好みは?

「どのおはなしもォ~」
「ぐるるるるがる!」(←訳:それぞれの良さ!)

 週末の読書タイムに、
 ぜひ、一読を♪
 
 
 
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