テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 瓦礫と、未来と ~

2021-06-20 23:44:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! つゥよォいィ~!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!無敵だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 米国ラスベガスで行われた
 ボクシングWBA・IBF統一バンタム級タイトルマッチで、
 井上尚弥さんが3ラウンドTKO勝利!
 あまりの強さに呆然となりましたが、
 あらためておめでとう!の拍手を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― ロンドン謎解き結婚相談所 ――



 著者はアリスン・モントクレアさん、
 原著は2019年に、日本語版は2021年2月に発行されました。
 英語原題は『THE RIGHT SORT OF MAN』、
 1946年のロンドンを舞台にしたミステリ作品です。

「やけあとォ、なのでスゥ!」
「ぐるるがる……!」(←訳:空襲の痕跡……!)

 崩れた塀、
 瓦礫(がれき)の山……
 1946年、第二次世界大戦終了後の
 英国の首都・ロンドンの街は、
 まだまだ復興の途上にありました。

 ドイツ軍のVロケットによる空襲の被害は
 それだけ甚大だった、んですね。

「それにィ、ひとのォこころもォ~…」
「がるるぐるがる!」(←訳:修繕の途中です!)

 グウェン・ベインブリッジさんは、
 戦争で夫・ロニーを亡くし、
 その悲しみは未だ癒えません。

 そして、
 グウェンさんのビジネスパートナーである
 アイリス・スパークスさんも、
 戦時中の苦い思い出を抱えています。

「きずあとォ、ふかいィのでスよゥ!」
「ぐるるるるがる?」(←訳:どうしたら治る?)

 アイリスさんとグウェンさん、
 階級は違えど
 気が合う二人がタッグを組んで始めたのは、
 『ライト・ソート結婚相談所』。

 システム自体は
 現代とそう変わらない、のでしょうか。

 結婚相手を探す男性/女性を
 引き合わせる、というものですが、
 まあねえ、
 イマドキのマッチングアプリと同じで、
 アクシデントが起きてしまった訳で。

「あわわわわッ! けいさつゥ???」
「がるっるぐるるがーる?!?」(←訳:スコットランドヤード?!?)

 或る日、
 『ライト・ソート結婚相談所』に
 警察がやって来ました。

 相談所に登録した者たちの書類を見せろ!
 と威丈高に命ずる警察官さんたちに
 アイリスさんとグウェンさんは
 カチンときます。

「ほかにもォ、いろいろォ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:カチンカチン!)

 警察が調べている事件とは?
 被害者とは?
 そして、
 ほぼ黒、と見做されている被疑者とは?

 詳細を知るうち、
 アイリスさんとグウェンさんは
 じっとしていられなくなりました。

 こうなったら、
 自分たちの手で!

「しんそうゥきゅうめいィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:真犯人を逮捕!)

 アイリスさんとグウェンさんの
 果敢な挑戦は成功するのか、
 それとも……?

 戦後の不安や混沌、
 悲嘆とユーモア、
 未来への確かな光をも描き入れた物語は、
 いつもはミステリなんて
 読まないんだけど?という方々にも
 おすすめですよ。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪



  
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~ JAPANファッションの変転史 ~

2021-06-19 23:16:48 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いよいよォ、らいしゅうゥ~でスゥ!」
「がるる!ぐるるるるるぅ!」(←訳:虎です!待ち遠しいよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 《2021ツール・ド・フランス》は、
 東京オリンピックとの日程調整のため、
 例年より1週間早い6月26日に開幕!
 選手さんたちの健闘が報われるよう祈りつつ、
 本日は読書……をサボって、
 展覧会情報をお送りしますよ。
 さあ、↓こちらを、どうぞ~♪

  



 ―― ファッション イン ジャパン 1945-2020 流行と社会 ――



 東京・六本木の国立新美術館 企画展示室1Eにて、
 会期は2021年6月9日~9月6日
 (毎週火曜日は休館)、
 『FASHION IN JAPAN 1945-2020』と
 英語題名が付されています。

「くるくるゥかわるゥ~おようふくゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:衣服史まるごと!)

 日本の衣服の流行の歴史、
 とりわけ、
 今まであまり脚光を浴びることがなかった
 20世紀後半の衣服――

 この展覧会は、
 戦後の日本ファッション史を辿る
 世界初の大規模展です。

  

「さいしょはァ、じぶんでェ~ちくちくゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:それが大変化!)

 プロローグとして紹介されるのは、
 1920~1945年の、
 《和装から洋装へ》。

 続く1945~1950年代も、
 自分で布地を買って裁断して、
 チクチク縫って……という時代でしたが、
 1960年代になると。

「おみせへェ、ゆこうゥ~!」
「ぐるるるがっるぅるる!」(←訳:作るより買っちゃおう!)

  

 1970年代は
 《個性豊かな日本人デザイナーの躍進》。

 1980年代は
 《DCブランドの最盛期》。

 1990年代は、
 《渋谷・原宿から発信された新たなファッション》。

 2000~2010年代は、
 《世界に飛躍した『Kawaii』、そして『いいね!』の時代へ》。

「うううゥ! めがァまわるゥ~のでスゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:物凄い変転ぶり!)

 海外から影響を受けての変化、
 やがて、日本独自の流行が生まれ、
 発信する側へ――

 写真や映像、雑誌、音楽など
 それぞれの時代の文化も紹介しつつ、
 60以上のデザイナー、ブランド、
 820点以上の展示作品から俯瞰する
 大型企画展は、
 混雑緩和のため、
 事前予約制(日時指定)となっています。

 詳細については、
 美術館HPをご参照の上、
 お出掛けしてくださいね~♪



  
    では、ここで週末のオマケ画像も、じゃじゃん!
   
    『明治』さんの新作は、
    《エッセルスーパーカップSWEET'S白桃のタルト》。
    夏のおやつ!って感じだわぁ♫
    「いとしのォ~ももッ!」
    「ぐるるがる!」(←訳:大好物です!)
    暑い日は美味しい冷菓でクールダウンしながら、
    皆さま、どうか穏やかな休日を♪



    
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~ てのひらに、レモン ~

2021-06-18 23:46:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふうゥ! ねむけもォ、ふきとびィまス!」
「がるる!ぐるがるーる!」(←訳:虎です!柑橘パワーだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 初夏の眠気もダルさも一瞬でクリアにしてくれるのは、
 柑橘系の果物のさわやかな香り、ですね♪
 そこで本日の読書タイムも、
 果実を”主役“とするあの名作を、どうぞ~!

  



        ―― 檸檬 ――



 著者は梶井基次郎(かじい・もとじろう)さん、
 絵は げみ さん、
 2017年7月に発行されました。

 文豪さんの古典的名作が
 現代の人気イラストレーターさんによって
 新たな生命を得る
 《乙女の本棚》シリーズ、
 先日は芥川龍之介さん著『蜜柑』を
 ご紹介いたしましたが、
 今回は――

「みかんにィつづいてェ、れもんッ!」
「ぐるがるるる~!」(←訳:柑橘つながり~!)

 『蜜柑』、
 そして『檸檬』も、
 絵を担当したのは、げみ さん。

 しかし、表紙をはじめ、
 本文すべてのページが
 蜜柑色に満ちていた『蜜柑』とは違い、
 こちらの『檸檬』は、
 所々にレモンイエローを用いつつも、
 画面中で光り輝いているのは……

 ビタミンカラー、
 と言ったらいいのかしら。

「おれんじにィ、りんごォ!」
「がるるぐるーる!」(←訳:メロングリーン!)

 新鮮な果実や野菜の
 明々とした色合いは、
 著者・梶井さんの願いを具現化したものでしょうか。

 物語の語り手である《私》は、
 ”得体の知れない不吉な塊”に
 心を抑えつけられ、
 どんよりと重苦しい毎日を過ごしています。

 音楽も、
 詩歌も、
 もはや慰めにはならず。

 街から街へ
 さまよい歩く《私》が、
 八百屋さんの店先で
 ふと見つけたものは……。

「れもんッ!」
「ぐるるる!」(←訳:つめたい!)

 よく冷えた、レモン1個。

 総ての善いもの、
 総ての美しいもの。

 これさえ、あれば。

 以前は足繁く通っていたのに、
 最近はすっかり遠のいていた
 『丸善』へも行けるかもしれない……?

「れもんのォ、まほうゥ~♪」
「がるるるる!」(←訳:消えないで!)

 短編作品『檸檬』が発表された翌年――
 1931年3月、
 梶井さんは31歳の若さで
 旅立ちました。
 
 作品の重要な舞台となる
 丸善京都本店には、
 レモンを盛った籠と、
 書籍の『檸檬』が
 並んで置かれていると聞きます。

 梶井さんが手に取ったレモン、
 げみ さんが幻視する『檸檬』、
 ふたつでひとつの絵物語を、
 皆さま、ぜひ♪


  
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~ 幕末の嵐はさらに ~

2021-06-17 23:49:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわァ! ほんものォでスかァ?」
「がるる!ぐるがるるぐる!」(←訳:虎です!本物みたいだよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ボツワナでのダイヤモンド原石発見との報が!
 大きさは1098カラット!
 しかも色は希少な無色(ホワイト)系!
 今後このダイヤを巡って争奪戦勃発!
 ……なんてことになるのかしら~?と空想しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 青天を衝け 二 ――



 作者は大森美香(おおもり・みか)さん、
 ノベライズはとよだみか(とよだ・みか)さん、
 2021年4月に発行されました。
 大河ドラマ『青天を衝け』ノベライズ作品の第二巻は、
 第11章から第21章までが収録されています。

「だいこんらんのォ、ばくまつゥ!」
「ぐるるがるるぐ~る!」(←訳:歴史を復習中で~す!)

 映画やドラマでは圧倒的に、
 坂本龍馬さんや西郷隆盛さんを主役として、
 ”薩長の側に正義あり!”な形で
 描かれることが多い幕末……。

 なれど、今年2021年の大河は、
 幕府、いえ、
 一橋家が中心となっています。

 薩長ではなく、
 かといって幕府でもなく、
 御三卿という、
 複雑な事情を内包する”名家”を視点とする
 激動の時代の物語……。

 ドラマの各回をじっくり視聴していると、
 考えさせられる事柄が
 たくさん有り過ぎて。

「きょうかしょのォ、めいじいしんッ!」
「がるるぐるっるるるるる?」(←訳:信じてよかったのかな?)

 かつて教科書で習った明治維新は、
 幕府はガチガチの石頭で古臭くてダサくて、
 薩長の方は
 スマートで若々しくて新時代のリーダーで、
 どちらが好もしいかは明らかでしょ?
 ――そんな論調でした。

 それが近年、
 歴史上で《敗者》とされてきた人々を
 より公正に評価する機運が高まってきて、
 状況が変化していますよね。

 石田三成さん、
 今川義元さん、
 そして明智光秀さんは
 『麒麟がくる』のおかげで
 好感度爆上がり!

「じゃあァ、よしのぶゥさんもォ~…」
「ぐるるがる?」(←訳:評価が激変?)

 今回の大河ドラマの主役である
 渋沢栄一さん御自身は、
 薩長が権力を握った維新後もずっと
 慶喜公への称賛を隠そうとしなかった、といいます。

 それは危険なことである、
 明治政府から睨まれると、
 承知していても。
 
 つまり、
 慶喜公には
 そうさせるほどの魅力があった、のでしょう。
 
「もうすぐゥ、たんじょうゥしまスゥ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:最後の将軍さんが!)

 一橋家中は
 上司さんから新人さんまで大らかな、
 笑いあり涙ありの愉快な職場で、
 ドラマファンの方々に
 ”なんたるホワイト企業♪”
 などと評されています。

 その彼らが、
 新将軍誕生の嵐に巻き込まれ、
 どうなってしまうのか――

 不安と焦燥と希望に
 歯がゆい思いを禁じ得ませんが、
 大河ファンの方々、
 歴史好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね♫
 
 
 
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~ 読む&眺める『新青年』 ~

2021-06-16 23:44:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふうゥ~…おわッちゃッたのでスかァ~…」
「がるる!ぐるるる~る!」(←訳:虎です!とわ子さ~ん!)

 こんにちは、ネーさです。
 ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』が最終回を迎え、
 寂しくなりました……。
 ステキな物語を送り出してくれた
 俳優さん&スタッフさんに大きな拍手を送りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 『新青年』名作コレクション ――



 編者は『新青年』研究会の皆さん、
 2021年4月に発行されました。
 テーマは伝説の雑誌『新青年』!

「えどがわァらんぽさんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:横溝正史さん!)

 ええ、そうですね、
 日本に於ける”探偵小説の父“江戸川乱歩さん、
 横溝正史さん、夢野久作さん……と、
 綺羅星のような作家さんたちの作品が
 誌面を飾った『新青年』。

 創刊は1920年、
 探偵小説の他に、
 時代小説や現代小説、
 映画などアート評論も掲載され、
 エンタ色の強い総合雑誌であったようです。

 この御本では、

 1章『探偵小説の成立』(1920~1926)
 2章『花咲くモダニズム』(1927~1932)
 3章『探偵小説の新展開』(1933~1938)
 4章『戦時のロマンティシズム』(1939~1945)
 5章『新時代の夢』(1946~1950)

 と、5つの章に分けて、
 各時代に活躍した作家さんの
 作品を収録&解説し――

「あッ! これこれッ!」
「がるぐる~る!」(←訳:これ愉し~い!)

 えへん、この御本には、
 小説以外にも、
 これは面白たのしいわ!と、
 つい前のめりになってしまうページがあるんです。

 それは、各章ごとの、
 《誌面ギャラリー》。

 雑誌発行当時の、
 見開きの誌面が紹介されていて、
 おお、なんと!

 江戸川乱歩さん著
 『二銭銅貨』の第一頁と挿絵が!

 横溝正史さん著『鬼火』の、
 竹中英太郎さんの挿絵が!

 なんていう具合に、
 当時の雑誌のデザイン力を
 目の当たりにすることが出来ます。

 中でも驚かされたのは、

「きょうりゅうゥ、しゅつげんッ?」
「ぐるる!」(←訳:翼竜も!)

 1939年8月号掲載の、
 『地底獣國(前篇)』は、
 久生十蘭さんが阿部正雄名義で著した
 “冒険怪奇探検長篇”?
 コナン・ドイルさんの『失われた世界』か?
 ジュール・ヴェルヌさんの探検物語なの?
 というような挿絵で、
 これはいったい……?

 いやもう、久生十蘭さんが
 恐竜モノを書いていたとは、
 私ネーさ、ショックです……
 これは、探さないと!

「ぶたいはァ~…」
「がるーるるる?!?」(←訳:オホーツク海?!?)

 また、作家さんたちが
 頻繁に、
 あるいは気軽に、
 筆名(別名)を使っていたことも
 新たな発見でした。
 これも、アンソロジーならではの良さ、でしょうか。

 冒頭の『はじめに』、
 巻末の『補章』も必読の
 よりぬき『新青年』名作コレクションは、
 ミステリ好きさんにも、
 デザイン好きな方々にもおすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね♫
 
 
 
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~ 電線愛を、形にすれば ~

2021-06-15 23:48:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かッ、かゆいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるるる」(←訳:虎です!眼がピリピリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 スギもヒノキもシーズンは終わり、
 花粉症患者にとって待望の平和な世界が……
 と思ったら、
 今度はイネ科の花粉が?!?
 ということで、点眼液を握りしめつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



        ―― 電線絵画 ――



 企画・編集は練馬区美術館の加藤陽介さん、
 2021年3月に発行されました。
 『小林清親から山口晃まで』
 と副題が付されています。

 アート好きな方々は御存知でしょう。
 2021年春――
 東京・練馬区の練馬区立美術館で
 『電線絵画展 小林清親から山口晃まで』
 が開催されました。

 しかし残念なことに、
 開催期間が2021年2月28日~4月18日でしたから、
 コロナウィルス新規感染者の数が
 どんどん増えていっている時期で、
 いつ緊急事態宣言が出るかと、
 皆さん不安になっていて。

「まいにちィ、しんぱいィ!」
「ぐるる!」(←訳:今もね!)

 展覧会にお出掛けしたくとも、
 願いは叶わず……

 ええ、私ネーさもその一人で、
 電線の絵画?
 面白そうだわ!と
 好奇心をそそられながらも
 結局は出かけられず、
 がっかりしたんですけれども。

 こうして、
 展覧会の図録が
 一般でも販売され、
 私たちも拝見できる!だなんて、
 ありがたいし、
 嬉しいことです♪

「さッそくゥ~!」
「がるるるるる!」(←訳:覗いてみよう!)

 電線絵画の始まりは
 想像以上に古く、
 なんと、
 嘉永7年(1854年)に遡ります。

 樋畑翁輔(ひばた・おうすけ)さんによる
 『ペリー献上電信機実験当時の写生画』がそれで、
 現代の物とは形が違うものの、
 画面中には確かに電柱が!

「ぺりィ?」
「ぐるぅ!」(←訳:黒船ぇ!)

 このおよそ20年後、
 日本で電信が実用化され、
 電信柱がこぞって
 絵画に描かれる時代がやってきます。

 明治では、小林清親さんや河鍋暁斎さん。
 
 大正では、
 川瀬巴水さんや吉田博さん、岸田劉生さん。

 昭和では、
 木村荘八さん、岡鹿之助さん、
 
 そして、近年の山口晃さんまで。

「たいせつなァ、もちィーふゥ!」
「がるるるるるぐる!」(←訳:好かれてるね電柱!)

 現在、各地で電線の地中化工事が進められています。

  もうすぐ無くなってしまうのか、
  電線も電柱も……。
  いや、
  全部が全部なくなるワケじゃないよね?

 などと、
 郷愁の念をかき立てられもする
 不思議な存在――電線、電柱。

 見応えある図版、
 各章の扉ごとの文章、
 巻末の解説もすばらしくて、
 アート好きさんはもちろん、
 近代史好きな活字マニアさんにも
 ぜひのおすすめです。

 展覧会は終ってしまいましたが、
 もしも書店さんで
 この御本を見かけたら、
 どうか手に取ってみてくださいね。
 電柱も電線も
 大好きになる一冊ですよ~♪
 
 
  
 
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~ 夢も希望も、春だから? ~

2021-06-14 23:46:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひまわりィ~きましたでスゥ~♪」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!黄色がいいよね!)

 こんにちは、ネーさです。
 週が明け、花屋さん店頭の主役は、
 シャクヤクからヒマワリへと一変しました。
 周囲がパッ♫と華やぐ
 明るい色合いに圧倒されながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
    ―― 青矢先輩と私の探偵部活動 ――



 著者は喜多喜久(きた・よしひさ)さん、
 2020年12月に発行されました。
 前回記事ではどっしりヘヴィな
 北欧ミステリをご紹介いたしましたが、
 こちらはライトで凸凹な
 ジャパニーズミステリ作品です。

「きせつはァ、さくらッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:入学式です!)

 春。

 夢と希望を胸に抱き、
 晴れて桜永(さくらなが)市立
 桜永第二中学校の一年生となった
 森崎美玖(もりさき・みく)さんは、
 けれども。
 
 入学式の直後に、
 夢も希望も
 打ち砕かれることとなりました。

「なッ、ないィ~ッ!」
「がるるぅ!」(←訳:嘘だあぁ!)

 先生が配ったプリントの束の中には、
 部活動への入部届があって、
 運動系、文化系、
 いろ~んな部の一覧表も添えられています。

 美玖さんは、
 吹奏楽部や合唱部、
 書道部、美術部など
 文科系のリストに見入り……見入り……
 あれれっ?

 ない!

「ふァ? どッ、どうしましたかッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:何がないの?)

 探偵部が、ない……。

 ええ、実は美玖さん、
 探偵部に入りたくて、
 この桜永第二中学校に入学したんです。

 それが、ない……!

 先生に訊ねてみれば、
 3年前に部員不足で
 廃部になったんだ、と
 あっさりした答えが。

「むゥ~んッ! かわいそうゥ!」
「がるる……」(←訳:悲劇だ……)

 あまりの事実に、
 もう、ぺしゃんこ。
 へこみまくっていた美玖さんでしたが、
 叔母・令奈(れいな)さんと話すうち、
 やる気を取り戻してゆきます。

 そう!
 無いなら作ろう!
 復活させよう探偵部!

「だよねッ!」
「ぐるがるるるぅ!」(←訳:そう来なくちゃ!)

 ただ問題は。

 部員をかき集め、
 探偵部再興に成功したとしても。

 名探偵は、どこ?

「それはァだいじィでス!」
「がるるぅ!」(←訳:肝でしょ!)

 名探偵なしの探偵部なんて、
 有り得ない。

 でも、名探偵って、
 そこらへんにゴロゴロ転がって……
 ないわよね?

「ないィでスゥ!」
「ぐるっるるるるがる!」(←訳:転がってる方がヘン!)

 その難問は、
 ひょんなことから解決されます。

 部員集めの活動中、
 美玖さんが知合ったのは、
 高校一年生の
 青矢理生斗(あおや・りおと)さん。

 頭脳は天才的!
 武道も出来ちゃう!
 性格は狷介(けんかい)!

 と、どこをとっても
 名探偵にはうってつけ?

「くすくすッ!」
「がっるぅぐる~!」(←訳:笑っちゃダメ~!)

 美玖さんの夢と希望は、
 はたして完全復活する、んでしょうか?

 美玖さんと、
 “名探偵”青矢先輩が織りなす
 5話から成る学園ミステリは、
 ミステリ好きさんに、
 青春モノを楽しみたい方々にも
 おすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 
 
 
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~ 白夜の国にて ~

2021-06-13 23:39:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆうぐれはァ~まよなかッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!気温は快適!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏は緯度が高いために昼間が長く、
 気温は熱帯夜どころか、ひんやり……
 といえば、
 はい、北欧ですね♪
 本日の読書タイムは、
 涼しい夏を分けてくれないかなぁ~の思いを込めて、
 ↓こちらの北欧ミステリを、どうぞ~!

  


 
        ―― 鍵穴 ――



 著者はヨルン・リーエル・ホルストさん、
 原著は2018年に、
 画像の日本語版は2021年3月に発行されました。
 原題は『DET INNERSTE ROMMET 』,
 『警部ヴィスティング』と副題が付されています。

 本国ノルウェーで大人気、
 英訳版も米国で高評価!という
 《警部ヴィスティング》シリーズの著者ホルストさんは、
 あらまあ!
 ノルウェー警察元上級調査官さん!

「ほわわッ!」
「ぐるる!」(←訳:本物だ!)

 そんな“もとポリスマン”さんが描くのは、
 がっちり正統派な
 警察小説。

 ラルヴィク警察犯罪捜査部主任警部の
 ヴィリアム・ヴィスティングさんを主人公とする
 物語です。

「けいぶさんッ、はたらきものォなのでス!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:あさイチで庁舎へ!)

 8月であっても、
 ノルウェー警察に長期バカンスは
 存在しないのでしょうか。

 ヴィスティングさんが赴いた先は、
 検事総長さんのオフィスです。

 そこで聞かされたのは、
 驚愕の事実――

 元国会議員であり、
 閣僚も経験した人物が亡くなった……
 いや、死因に問題はない、
 自然死を疑わせる理由は皆無だ。
 ただ……

 自宅に、大金が。

「どッさりィのォ~」
「ぐる!」(←訳:現金!)

 ドル紙幣の束。
 ユーロや、英国通貨のポンド。
 総額8千万クローネ超。

 えーと、
 ノルウェーってEUに加盟していなくて、
 通貨はノルウェークローネで、
 1ノルウェークローネは
 約12円だそうですから……
 え? 
 つまり10億円くらい?
 10億の現金紙幣が自宅にごろんと?

「ひょわわッ! おかねもちィ!」
「がるぐるる~!」(←訳:富豪なんだ~!)

 いえいえ、
 検事総長さんは、
 その大金が元議員さんの財産なのだとは
 考えていないんです。

 使途不明、
 出所不明の、
 うろんな金。

 検事総長さんから命じられた
 ヴィスティングさんの仕事は、
 まさにその、大金の“出所”を
 突き止めること、なのですが。

「だれもォ、しらないィ?」
「ぐるるるがるるる?」(←訳:どこから来たのか?)

 大金の謎、
 それを解明してゆく過程と並行して、
 私たちが感心させられるのは、
 ノルウェーの司法システムでしょうか。

 米国、フランス、イタリアには、
 警察以外にも
 FBIやら保安官やら
 軍警察やら騎馬警察やら
 捜査機関がいろいろあって、
 私たち読み手は
 しばしば混乱してしまいます。

 その点、
 ノルウェーの警察は英国や日本に近い、
 シンプルなシステム、らしい……?

「けいぶさんッ、がんばりィまス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:同僚さんたちも!)

 焦らず、着実に、
 大金の謎に迫ってゆく
 ヴィスティングさん。

 一見地味な、
 いぶし銀風ミステリは
 警察小説ファンの方々に、
 そして北欧好きな方々にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

 
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~ 冒険の海へ 30年記念の特別展 ~

2021-06-12 23:12:55 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうすぐゥ~うみびらきィ~♪」
「がるる!ぐるぅ!」(←訳:虎です!夏だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 海の青が恋しくなるような週末は、
 読書……をサボって、
 お久しぶりの展覧会情報ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



     ―― ふしぎの海のナディア展 ――



 新潟県の新潟市マンガ・アニメ情報館(万代シティBP2・1F)にて、
 会期は2021年5月15日~6月20日(会期中は無休)、
 『もう一度、冒険の旅へ――』と
 副題が付されています。

 1990~1991年、
 NHKで放送された『ふしぎの海のナディア』は、
 庵野秀明さんファンの方々には
 よく知られる作品ですね。

「ぶたいィはァ、ぱりィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:万博開催中!)

  

 西暦1889年、
 飛行機コンテストに参加するべく
 パリの万国博覧會の会場へやって来た
 ジャン・ロック・ラルティーグ少年は、
 颯爽と自転車を駆る少女ナディアに出逢い、
 大冒険に巻き込まれることに!

 という、
 ジュールヴェルヌさんの名作
 『海底二万里』『神秘の島』を原案とする
 TVアニメ(全39話)。

 この展覧会は、
 『ふしぎの海のナディア』放送開始30年を記念する特別展です。

「しりょうゥにィ、きかくしょッ!」
「がるーるるーる!」(←訳:イメージボード!)
 
  

 展示されるのは、
 初期の企画書、
 庵野監督の構想メモ、
 イメージボードやキャラクター設定、
 絵コンテ、
 アニメ原画、
 フィルムなど、
 400点以上の貴重な資料の数々……

 そして、もちろん!

「ありまスゥ~!」
「ぐっるがるるる!」(←訳:グッズいろいろ!)

  

 中には、
 ↑『ガーゴイル饅頭(2個セット塩餡入り)』
 なんていうのも、ありますよ。

「ぷふふッ♪」
「がるるっ♫」

 新潟での展示は
 6月20日まで、と
 残り僅かになっていますが、
 この後、東京での展示も予定されています。

 会場は、東京スカイツリータウン5階の
 スペース634、
 会期は2021年9月10日~9月26日!

「たのしみィでス!」
「ぐるるるがる!」(←訳:見たいぞ原画!)

 まだまだ
 遠出はままならぬ現況ではあれ、
 TV版や劇場版、
 現在は配信でも人気の
 『ふしぎの海のナディア』、
 庵野さんファンの方々、
 《エヴァ》シリーズファンの方々も、
 機会がありましたら、
 ぜひ、お出掛けを♪
 
 
 
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~ クリーチャーたち ~

2021-06-11 19:17:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わらおうッ、げんきィよくゥ!」
「がるう!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!お腹の底から!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 腹筋が崩壊しちゃうくらい
 ワハハ♪と笑えば免疫力も高まるわ。
 という次第で、
 本日の読書タイムは、
 こちらのコミック作品を、どうぞ~!

  


 
      ―― RAIDENー18 ――



 著者は荒川弘(あらかわ・ひろむ)さん、
 2021年6月に発行されました。
 『鋼の錬金術師』『銀の匙Silver Spoon』で知られる
 荒川さんが15年を費やして世に問う怪作!ですよ。

「くさきもォねむるゥ~うしみつどきィ~…」
「ぐるがる!」(←訳:轟く雷鳴!)

 盛大な落雷とともに、
 不気味なクリーチャー(創られし者)が
 実験台の上で身じろぎし、
 起き上がる――

 と言えば、
 メアリー・シェリーさんの代表作にして
 不朽の名作『フランケンシュタイン』。
 
 ですが、ここは……
 ん?
 ヴィクター・フランケンシュタイン博士のお家ではなく、
 タチバナ研究所、ですって?

「わッ! しゃべッたのでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:動きも速い!)

 そう、
 発音明瞭、
 迅速機敏、
 シャキシャキ動いて、
 生みの親であるタチバナ博士に
 重量級パンチを喰らわせたのは、
 RAIDEN(雷電)18号さん。

 マッドサイエンティストの手になる
 人造人間というモノが、
 イメージ的には、
 のっしのっし、
 のろのろ……であるところを、
 なぜかRAIDEN18号くんは、
 きびきびシャキーン!としていて。

「そのォわけはァ?」
「ぐるるがる!」(←訳:左腕にあり!)

 大相撲闇リーグのチャンピオン
 『雷電号』の腕。

 フランケンシュタイン博士の例に倣い、
 タチバナ博士もまた
 あれやこれや死体のパーツを組み合わせ、
 新たな生命を造り上げたのです。

 そして、
 チャンピオンの腕を持つクリーチャー
 RAIDEN18号を引き連れ、
 タチバナ博士が向かった先は。

「……いまァ、たたかいのォまくがァあがるゥ!」
「がるーるぅーぐるる!」(←訳:クリーチャー選手権!)

 タチバナ博士の狙いは?
 RAIDEN18号くんの命運や如何に?
 
 という具合に、
 どこをどう見ても
 『フランケンシュタイン』の
 パロディ作品であることは明らかな、
 『RAIDEN18号』。

 ネタバレ厳禁ですので、
 これ以上のお喋りは控えねばなりませんが、
 4つの物語と、
 書き下ろしの『エピローグ』から成る
 マッドなコミカルダークファンタジーは
 大いに笑えて、
 生命って何なのかしら~?
 不思議よね~?と
 ちょっぴり考えてしまったりする
 奇怪にして痛快な1冊です。

 世の中はピリピリしたまま、
 トンネルの出口はまだ見えないけれど、
 思いっ切り笑いたい!
 ワクワクハラハラもしたい!
 という活字マニアさんに
 激おすすめですよ。

「がんばれェ、らいでんくんッ!」
「ぐるるがるるるる~!」(←訳:程々にガンバろう~!)

 週末の読書タイムに、
 みなさま、ぜひ~♫
 
 
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