「こんにちわッ、テディちゃでス!
ことしはァ~いつゥでスかッ?」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!明日だよ~!)
こんにちは、ネーさです。
はい! 明日21日が、2022年の《夏至》ですよ。
北半球で一年で最も昼間が長い日、
反対に南半球では一年で最も昼間が短い日で、
……うん? すると赤道上ではどうなるの?と頭を悩ませつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 花屋さんが言うことには ――
著者は山本幸久(やまもと・ゆきひさ)さん、
2022年3月に発行されました。
『Kawarazaki Flower Shop』と英語題名が付されています。
「いいィ~でスねッ、おはなやさんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:眼福です!)
色とりどり、目に麗しい花たちで埋まる
花屋さんの店頭。
……しかし、物語の幕開けは、
ちょっとばかり不穏な空気が……?
「ふんいきィ、やばいィ~でスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:危険な気配が!)
夜10時を過ぎた、ファミレスの座席で
君名紀久子(きみな・きくこ)さんは、
気まずい思いをしています。
こんな時間に紀久子さんを呼び出したのは、
かつての職場の上司でした。
いえ、呼び出しただけでなく、元上司は↓こう脅すのです。
会社に戻ってこい。
辞めちゃ困る。
社長は君がやめたら
損害賠償請求をすると言い出してるぞ。
「むむむッ! ひどいィでス!」
「がるるぅぐるる!」(←訳:屈しちゃダメだ!)
あまりにもあまりにもあまりにもブラックな会社で、
2年間、苦しんだ紀久子さん。
苦しんだ挙句、退職したのはつい先日のこと。
こんな脅しに負けられません。
戻るなんて、とんでもない。
けれども、損害賠償云々などと言い立てられ、
動揺しているところへ。
救いの手が差し伸べられました。
「ありがたいィ~けどッ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:どなたですか?)
紀久子さんに救いの手を伸べてくれたのは、
駅前のお花屋さん――
《川原崎花店》の店長、
外島李多(とじま・りた)さん。
李多さんの機転によって
元上司は這う這うの体で退散し、
紀久子さんは晴れて“無職“の身となりました。
「ふゥ! ほッとォしましたでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:無事で何より!)
紀久子さんと李多さん、
ファミレスで祝杯をあげるうち、
すっかり酔っ払って……
翌日から、
紀久子さんは《川原崎花店》でアルバイト開始?
お花屋さんのお仕事って、
何も知らないんだけど?
うーん、でも、無職のままでもいられないし?
「うむむッ! ここは、まずゥ~」
「ぐっるがるるぐる?」(←訳:やってみようかな?)
何の準備もなく、知識もなく、
紀久子さんが飛び込んだ《花屋さん》の世界。
夏は向日葵、
秋は菊、
春は桜……と、季節が移ろうごとに
紀久子さんを中心にめぐる
花と人の物語は、
8つの連作短編で構成されています。
お花に詳しい人もあまり詳しくない人も、
この花にはこんなエピソードが?
もっと花を知りたい!と思わせてくれること必至の
楽しい一冊を、
皆さま、ぜひ手に取ってみてくださいね~♫