テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 綺羅めき、華やぐ、古語辞典 ~

2022-10-21 21:27:25 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 かッとばしィ~ましたでスゥ!」

「がるる!ぐるっる!」(←訳:虎です!祝ヒット!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい、2022年の読書シーンに

 新たな《星》が生まれましたよ♪

 そのキラメキっぷりはどれほどかといいますと……

 さあ、↓こちらを、どうぞ~!

  

 

 

        ―― エモい古語辞典 ――

 

 

 著者は堀越英美(ほりこし・ひでみ)さん、

 2022年7月に発行されました。

 現在、ネット書店さんの古典文学研究ジャンルで

 ベストセラー1位街道を爆走中の“辞典”です。

 

「なるほどォ、これはァ~」

「ぐるる!」(←訳:エモい!)

 

 冒頭の『まえがき』によれば、

 著者・堀越さんが

 この御本の企画に携わることになったのは――

 

   好きなキャラをエモく表現するために

   感受性を爆上げしたいから、

   爆エモな語彙を知りたい

 

 と、二次創作に挑戦してみたい

 マンガ好きな中学生さんに頼まれたため、

 なのだそうです。

 

「みゃふゥ! ありがとうゥ~!」

「がるぐるるるるるがる!」(←訳:その中学生さんに感謝!)

 

 爆エモ。

 古語ならば、あはれ。

 

 堀越さんが精選した

 こころを強く動かす言の葉の数々は、

 

  第一部『天文』

  第二部『自然』

  第三部『人生』

  第四部『物語』

  第五部『言葉』

 

 と、5つのパートに振り分けられているのですが、

 これがもう、本当にエモーショナルというか、

 感情を揺さぶられるものばかりで。

 

「じんわりィ~しんみりィ~…」」

「ぐっるるるがるるる!」(←訳:びっくりもしました!)

 

 第一部『天文』のページを

 ちょっと覗いてみましょう。

 

 『千歳(ちとせ)』『玉響(たまゆら)』

 といったお馴染みの言葉から、

 『真珠星(しんじゅぼし』は

 おとめ座のスピカの和名、

 『羊角風(ようかくふう)』は

 つむじ風の異名……。

 

 第二部『自然』の、

 『鬼の捨て子(おにのすてご)』は

 蓑虫(みのむし)の異名、

 『瞑色/冥色(めいしょく)』は

 闇のせまった夕暮れどきのほの暗い色、暮色(ぼしょく)……。

 

「うむゥ! しぶいィ!」

「がるるぐるる~!」(←訳:雰囲気あるね~!)

 

 色の名前、

 神話に登場する神さまのお名前、

 妖怪さんたちの別名や、

 ことわざ、故事、

 外来当て字の例などなど。

 

 ページを捲るたび、

 こんな言葉があるんだ、

 こういう言い回しがあるのね、

 あ、これ聞き覚えあるわ!

 と感激頻りの古語辞典は、

 電子書籍版が発行されていますけれど、

 紙の書籍で、

 あっちのページ、こっちのページ、と

 自由に往き来する読み方の方が

 よりエモみが高まる……かな?

 

「おすきなァほうほうでェ~」

「ぐるるるがるぐるる!」(←訳:エモ度を補強しよう!)

 

 辞書&辞典好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 海島千本さんのイラストもすてきなので、

 “読む“も“見る“も楽しめる一冊を、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ ペンか、剣か ~

2022-10-20 21:55:43 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 よぞらにィ~きらきらッ!」

「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!流星群が来るよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2022年のオリオン座流星群は、

 10月21日夜~22日の明け方が見頃だそうです。

 晴れるかな? 晴れるといいなぁ~と願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

    ―― キャッチ・アンド・キル ――

 

 

 著者はローナン・ファロ―さん、

 原著は2019年に、

 画像の日本語版は2022年4月に発行されました。

 英語原題は

 『Catch and Kill ; Lies,Spies,and a Conspiracy to Protect Predators』、

 《#MeToo運動》の起点と経緯を克明に記した

 ノンフィクション作品です。

 

「もはやァ、せかいじゅうのォじょうしきィ!」

「ぐるるがるるるる!」(←訳:指針になりました!)

 

 2017年、10月。

 雑誌『ニューヨーカー』に、

 或る記事が掲載されました。

 

 数々のアカデミー賞受賞作品を制作している

 ハリウッドの有名なプロデューサーが、

 悪質な性犯罪者であることを告発したこの記事は、

 かつてない反響を呼びます。

 

「じけんッなのでス!」

「がるぐるgるぐる!」(←訳:大がつく事件だよ!)

 

 ええ、反響は単なる反響に終わりませんでした。

 告発記事で名を挙げられたプロデューサーは、

 有罪判決を受け、

 今は“塀の中”にいます。

 また、現在は別件での起訴もされているようですから、

 おそらく“塀の中”を出ることは

 もう二度とないでしょう。

 

 その人物――

 ハ―ヴェイ・ワインスタインを追い込んだ記者こそ、

 著者のローナン・ファロ―さんです。

 

「がんばりィましたでス!」

「ぐるるがるる!」(←訳:よくぞ生きて!)

 

 巨大な権力と財力を有する有名人を、

 正面切って告発する。

 

 自由の国アメリカであれ、どこの国であれ、

 それがどれほど大変なことか。

 どれほど困難で、

 つらかったことか。

 

 この御本には、

 ファロ―さんと協力者さんたちが

 調査に乗り出し、

 いくつもの資料や証言を集め、

 検証を重ね、

 ようやっと記事として発表するまでの

 長く険しい道のりが著されています。

 

 それはもう、

 よく耐えた、よく生き延びたなぁ、と

 読み手の私たちが心配してしまうくらい

 不穏な日々でした。

 

「でもォ、まけないィ!」

「がるるるるる!」(←訳:負けられない!)

 

 負けない、くじけない。

 その気概の源は

 ファロ―さんの履歴にあるのかもしれません。

 

 母は俳優ミア・ファロ―さん、

 15歳で大学を卒業し、

 21歳でイェール大学大学院を卒業、

 ユニセフの広報、国務省、

 そしてNBCの報道部門に勤務したファロ―さん、

 少年時代には、神童、天才などと呼ばれた

 優秀な青年ですが。

 

 父の虐待から

 義姉を救えなかった過去への

 負い目を感じています。

 そして、

 自分の調査と報道を潰そうとしている

 大組織・NBCへの失望も。

 

「まわりはァ、てきだらけッ?」

「ぐるがるるるるる?」(←訳:誰を信じればいい?)

 

 恫喝と圧力をはねのけ、

 ファロ―さんと協力者さんは報道を敢行できるのか。

 また何より、

 被害者さんたちのこころは守られるのか――

 

 米国でベストセラーとなったこの御本には、

 読んでいて苦痛に思われる描写もあります。

 けれども、

 少しでも。

 たとえほんの少しでも、

 この世界を“生きやすい“場所にするために。

 皆さま、ぜひ、一読を。

 

 

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~ 師と弟子の、ころころ子犬 ~

2022-10-19 21:27:23 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぷるるッ! ちょッとォ、さむいィ~!」

「がるる!ぐるる~がる!」(←訳:虎です!秋深し~だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 朝夕の気温が低くなるにつれ、

 あ~ニャンコやワンコを抱っこして温まりたいわ!

 と多くの方々がため息することでしょう……

 本日の読書タイムは、

 ワンニャン恋しの想いが高まるこちらの御本を、

 さあ、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 子犬の絵画史 ――

 

 

 著者は金子信久(かねこ・のぶひさ)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『たのしい日本美術』と副題が付されています。

 

 ころころの子犬、

 お母さん犬のミルクの匂いがするうような子犬、

 掌に乗ってしまうサイズの子犬……

 

 世に《小さくてかわいいもの》数あれど、

 おチビなワンコたちニャンコたちほど

 可愛らしい生きものは、そうそういません。

 

「とりわけェ、このォおひとッ!」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:応挙さんの子犬は!)

 

 歴史を辿れば、

 12世紀の中国の宮廷画家さんや

 16世紀の朝鮮の画家・李巌(イアム)さんが描いた

 かわいい子犬たちの絵画が

 海を渡ってここ日本に来た――と、

 著者・金子さんは御本冒頭で

 解説しています。

 

 そして、

 日本でこうした子犬の画を真似たのが、

 江戸時代の狩野派の画家さんたちや、

 俵屋宗達さん、伊藤若冲さんであったと。

 

「うんうんッ! かわいィ~でスゥ!」

「がるるるるるぐるるるるる!」(←訳:宗達さんのも若冲さんのも!)

 

 でもね。

 金子さんがジャッジする

 日本美術史上最強の《かわいい子犬》画家さんは……

 

 円山応挙さん(1733~1795)!

 

 もうひとりは、

 長澤芦雪さん(1754~1799)!

 

「ころころォ、でスよねェ~」

「がるぐる~」(←訳:丸いよね~)

 

 この御本の実質的な主役は、

 円山応挙さんと、

 応挙さんの弟子・長澤芦雪さんでしょう。

 

 若冲さんの子犬、可愛いです。

 宗達さんの子犬、オシャレです。

 

 比べるに、いえ、比べなくても一目瞭然なのは、

 応挙さんの子犬……

 きゃわゆい……ただもうきゃわゆい……

 ひたすらきゃわゆい……無敵のきゃわゆさ。

 

「じゃくてんッ、なしィ!」

「ぐる~!」(←訳:完璧~!)

 

 応挙さんの《かわいい子犬》エッセンスを受け継いだのは、

 芦雪さんひとり。

 大勢のお弟子さんの中で、

 応挙さんの子犬が有する愛らしさと、

 自分自身の画風を融合させ得たのは、

 芦雪さん唯一人でした。

 

 ああ、芦雪さんがもっと長生きしていれば……。

 

「むねんでスゥ……!」

「がるるるるる……!」(←訳:惜しまれます……!)

 

 応挙さんの、きゃわゆさ。

 芦雪さんの、ゆる可愛さ。

 

 後半部分では、

 絵画作品だけでなく、

 彫刻・工芸・染織の《かわいい子犬》も

 紹介されていますよ。

 

 明恵上人の子犬像は有名ですし、

 子犬牙彫根付(メトロポリタン美術館蔵)、

 刀剣の鐔(つば)になっちゃった子犬(クリーヴランド美術館蔵)、

 小柄(こづか)にデザインされた子犬(ウォルターズ美術館蔵)、

 絹の小袖の裾に描かれた子犬……

 もう最高です♪

 

「せかいじゅうにィ~」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:子犬愛好家あり!)

 

 時代も国境も超え、

 私たちの顔をふにゃっと和ませる、

 《かわいい子犬》たち。

 

 ちいさきものへの愛情が滲み出る

 金子さんの文章が

 なんとも心地良いアートブックは、

 動物好きな方々に、

 歴史好きな方々にも

 おすすめですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

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~ ワトソン博士は、どこに? ~

2022-10-18 21:11:29 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わふゥ! かんぜんにィ~はやとちりィ?」

「がるる!ぐるがるぐーるる!」(←訳:虎です!でも結果オーライ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、そうです、私ネーさ、早とちりしてしまいました。

 その理由は……

 ということで、

 本日の読書タイムは、さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 見習医ワトソンの追究 ――

 

 

 著者は鏑蓮(かぶらぎ・れん)さん、

 2022年7月に発行されました。

 『見習医』には『けんしゅうい』とルビが振ってあります。

 

 そう、そこです!

 題名に、“医師“、それに”ワトソン“とあれば、

 私ネーさ、てっきりこの御本は

 S・ホームズさんのパロディ作品か、

 パスティーシュ作品だと

 思い込んでしまって……!

 

「ちがうのでェ~スッ!」

「ぐるるるがるる~!」(←訳:早とちりですよ~!)

 

 読み始めれば、

 早とちりは一瞬にして吹き飛びました。

 

 舞台は、現代の日本――

 ヴィクトリア朝のロンドンじゃありません。

 登場する警察官さんは、

 レストレード警部じゃありません。

 医学博士ジョン・ワトソンさんは影も形もなく、

 その代わりに……

 

 若きお医者さん、

 家入陽太郎(いえいり・ようたろう)さんが、

 今日も忙しさにぐったりしています。

 

「せんせいィ、きゅうきゅうしゃッでス!」

「がるぐるる!」(←訳:すぐERへ!)

 

 陽太郎さん、研修医ではないのです。

 既に医師としての勤務経験がある身ながら、

 諸事情あって、

 現在はここ――大阪市の三品(みしな)病院の

 総合内科に勤務して、

 院長の三品(みしな)先生に

 こき使われる毎日なのでした。

 

 今夜もまた、

 ERのお医者さんと一緒に救急車を出迎えて

 患者さんの容態を診たり、

 緊急オペの準備をしたり、

 休憩するヒマもないほど。

 

「ますいィ、じゅんびィ!」

「ぐるがる!」(←訳:手術開始!)

 

 三品病院には優秀な外科医さんがいます。

 陽太郎さんが見惚れるくらいの

 鮮やかな手技で、

 困難な手術は成功させ、

 一命をとりとめた患者さんは

 ECUに移ることになって。

 

 しかし。

 

「むむッ? ようたいィがッ?」

「がる??」(←訳:急変??)

 

 処置はすべて巧くいった、と

 院長の三品さんも、陽太郎さんも、

 病院のスタッフ皆が安堵していたのに、

 患者さんの容態は悪化してゆきます。

 

 やがて、最悪の事態が――

 

「いッたいィ、どうしてッ?」

「ぐるるるる……!」(←訳:分からない……!)

 

 実はこの患者さん、

 或る事件の被害者として

 救急搬送されてきたのでした。

 

 その“事件”に、

 院長先生や陽太郎さんたちを困惑させた

 原因が隠れている、のでしょうか……?

 

「おしごとォ、ふえちゃうゥけどォ」

「がるるぐるる!」(←訳:調査が不可欠!)

 

 診察業務の傍ら、

 陽太郎さんは調査に取り掛かります。

 原因は、必ず、どこかにある――

 

 できるだけ予備知識なしに、

 先入観もなしに読んでゆくと

 よりいっそう引き込まれること確実の

 魅力的な医療ミステリには、

 医療状況の“いま“も

 見事に織り込まれています。

 

 ミステリ好きな方々はもちろん、

 全活字マニアさんに

 激おすすめの快作を、

 皆さま、ぜひ~♫

 

 

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~ 雑学から、時代を鳥瞰 ~

2022-10-17 21:24:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむむゥ! しんかいしゃくゥ、いろいろッ!」

「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!詰め込んだね~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨夜放送された『鎌倉殿の13人』第39話は、

 悲恋あり、戦の気配あり、権力闘争あり、と

 濃ゆ過ぎる展開にアタマがくらくら……

 そこで、本日の読書タイムは、

 復習を兼ねつつ、こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

  ―― キーパーソンと時代の流れで一気にわかる 

                鎌倉・室町時代 ――

 

 

 監修は本郷和人(ほんごう・かずと)さん、

 2021年11月に発行されました。

 《だからわかる》シリーズの鎌倉・室町ガイドでは、

 源平の争乱から、

 鎌倉幕府設立を経て、

 承久の乱、蒙古襲来、南北朝の内乱、

 そして、室町幕府の成立と

 戦国時代への突入までが解説されています。

 

「あァ~…いないィ~…」

「ぐるるるるがるる~…」(←訳:実朝さんがいない~…)

 

 《鎌倉・室町時代を切り開いた10人》

 として、この御本で取り上げられている10人のうち、

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に登場するのは、

 平清盛さん、源頼朝さん、義経さん、

 北条政子さん、義時さん……

 

 三代将軍・実朝さんは

 キーパーソンにカウントされておらず、

 言及されている箇所も少なめ、ですね。

 

 やはり目立つのは、

 頼朝さんと義時さんによる幕府の土台作りと、

 承久の乱より後の時代では

 泰時さんの頑張りっぷりでしょうか。

 

「けんりょくをォ、めぐるゥ~…」

「がるるぐるる!」(←訳:東西の綱引き!)

 

 『鎌倉殿の13人』を観ているおかげで、

 当時の政治状況については

 少しずつ解ってきました……が、

 知らない事柄もまだまだたくさん有ります。

 

 そのひとつが、いわゆる雑学。

 

   由比ヶ浜は、

   現在は人気の海水浴場だが、

   鎌倉時代は処刑場や戦場となっていた。

 

 なんていう文章には

 ハッとさせられてしまいます。

 あの浜辺が、処刑場……!

 それに、実朝さんが作った宋行きの船も

 由比ヶ浜にあったはず。

 現在とは全く別の景観だったのかなぁ……?

 

「それにィ、おうまさんッ!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:お馬さん大事です!)

 

 本分101ページに掲載されているのは、

 国立歴史民俗博物館蔵の、

 『戦うための御家人の館』という、

 再現図の資料です。

 

 これを見ると、

 堀で囲まれた敷地の内側には

 人間が居住する母屋のすぐ横手に

 馬小屋があり……

 堀の外側にも、

 もうひとつ馬小屋が。

 

 ドラマの中ではあまり描写されていませんけれど、

 当時の坂東武者たちの

 馬との“距離の近さ”が伝わってきますね。

 

「ぶしのォたしなみィ、なのでスよゥ!」

「がるるぐるる!」(←訳:弓馬は基本のキ!)

 

 中世日本の政治とともに、

 文化、文物、地理、通商などにも触れながら、

 鎌倉~室町の時代の流れを紹介してゆくこの御本、

 とても分かりやすい、のですが。

 

 あんまり物語の先読みをしたくないぞ!

 と思う場合は、

 ドラマ最終話放送後に

 読む方がいいかもしれません。

 

 いやいや、

 史実を知っていても

 充分にフィクションを楽しめるぜ!

 という御方は、

 雑学知識を増強するためにも、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

  

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~ 最新鋭の、ぷくぷく! ~

2022-10-16 21:31:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゃわわゥ! こんかいィもォ、しょうげきィ~!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!異色の存在!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 本屋さんのアート/デザイン本コーナーで

 とにかく目立って摩訶不思議な存在といえば……

 はい! 本日の読書タイムは、

 ↓こちらの御本でびっくり体験を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― デザインのひきだし №47 ――

 

 

 編者はグラフィック社編集部の皆さん、

 2022年10月に発行されました。

 年に2度――2月と10月に発売される人気のデザイン本

 『デザインのひきだし』最新号のテーマは、

 《BOX & PACKAGE & CAN & MOLD》ですよ。

 

「ひょうしがァ、ぷくぷくゥ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:浮き彫りみたい!)

 

 白一色の表紙に、

 まるで石膏の彫像であるかのごとく

 どっしりと浮きあがるのは、

 画家・ヒグチユウコさんの人気キャラクター

 『ひとつめちゃん』。

 

 ええ、もちろん、書籍の表紙ですから、

 石膏やら大理石の像である訳はなく、

 では紙製なのかというと、そうでもなくて。

 

 実は、この白い表紙材は、

 『キナリト』という商品名の、

 分厚い不織布シートなんです。

 

 ついでに画像を載せちゃいますと、

 背面は、↓こちらのような仕上がりになっています。

  

「おおッ! これもッ!」

「がるるるる|!」(←訳:浮いてるね~!)

 

 不織布を何枚も重ねて作った『キナリト』は、

 軽くて、縫製や溶着も出来て、

 環境への配慮も高い製品なんですって。

 

 この№47では他にも、

 『創意工夫が光るパッケージ&包材20選』

 『BOX(箱)』の創り手さんへのインタビュー、

 紙の箱&段ボールの箱のデザインあれこれ、

 クラフトテープや梱包テープ、

 缶作りの工程とデザイン各種、

 プラスチック包材、

 モールド技術のバリエーション……と、

 新素材や工法の最新技術を含め、

 梱包製作の最先端が特集されています。

 

「あはッ♪ これもこれもッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:毎号のお楽しみ!)

  

 はい、『デザインのひきだし』愛読者さんが

 いつも楽しみにしているのは、

 実物サンプルを兼ねた《ふろく》ですね。

 

 今回は、

 マルチBOX、ネームカード用の箱、

 自分で組み立てるダンボール製組箱などが

 同梱されていましたよ。

 

「しょくにんさんにィ、ぶらぼォ~!」

「がるるるるぐる!」(←訳:リスペクトです!)

 

 箱に缶、紙の手提げバッグ

 ケース、ダンボール、テープ……

 どれも身近な、《包む》ものたち。

 

 デザイン好きな方々に、

 《包む》をお仕事にしている方々にもおすすめの

 『デザインのひきだし №47』は、

 ネット書店さんでは入手困難になっているようですが、

 アート系の品揃えに強い大型書店さんには

 意外と在庫があったりします。

 まずは本屋さんの店頭で、

 お訊ねしてみてくださいね~♫

 

 

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~ 小さい!可愛い!シャレてる世界展へ ~

2022-10-15 21:21:13 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もふゥ! あんなにィ~ほそいィのにィ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!いつもパクパク!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 『孤独のグルメ シーズン10』第2回を視聴しては、

 細い……あんなにたくさん食べてるのに、

 なぜ井之頭五郎さんはほっそり体型なの? なぜ?

 と羨望のため息をしてしまう土曜日は、

 さあ、読書……をサボって、

 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― MINIATURE LIFE 展 2 ――

 

 

 長野県上田市の上田市立美術館にて、

 会期は2022年9月16日~10月30日(火曜休館)、

 『田中達也 見立ての世界』と副題が付されています。

 

「ちッちゃァ~いッ!」

「ぐるるる~!」(←訳:かわいい~!)

 

 TVドラマのオープニングシーン、CMなどの広告、

 活字マニアさんには書籍の表紙などで知られる

 人気のアーティスト――

 田中達也(たなか・たつや)さん。

   

 “日常にある物を別の物に見立てる“見立て作家さんであり、

 ミニチュア写真家さんである田中さんの、

 『MINIATURE LIFE (ミニチュア ライフ)展』の第2弾が、

 現在、長野県の上田市で開催されています。

 

 SNSでも大評判になっている作品の数々は、

 ミニチュアの精度はもちろんのこと――

 

「ぷふふッ!」

「がぅるるぐるるるぅ!」(←訳:シャレが効いてるぅ!)

 

 『ハブ ア ライストリップ!』(2018年)

 『マップル』(2017年)

 『そんなバナナ』(2015年)

 

 等々、作品名に機智がじわ~り。

 中でも、

 私ネーさが大好き!なのは……

  

 ↑『黄身といつまでも』(2017)。

 

 画像が小さくて申し訳ないんですけど、

 いいですね~楽しいですね~このセンス!

 

「はくしゅゥ~!」

「ぐるるーる!」(←訳:アンコール!)

 

 写真や立体作品など

 約170点が出展されるこの展覧会の会場は、

 北陸新幹線・しなの鉄道・上田電鉄別所線の

 上田駅から徒歩で7分の場所にあります。

 

 東京圏や京阪神エリア他からは、

 やや遠め……ではありますが、

 旅行シーズンですから、

 長野にお出掛けします!という方々は、

 上田市美術館へも

 足を伸ばしてみてくださいね~♫

 

「たなかさんのォ~いんすたァもッ!」

「がるぐるがる!」(←訳:ぜひご覧あれ!)

 

 

 

   では、ここで週末のオマケ画像も、ドンと!

   

   神戸のチョコレート専門店

   『モンロワール』さんの

   《アソート》は……

   

   「どッさりィ!」

   「ぐっるる!」(←訳:ずっしり!)

   ふっふっふ、ショコラマニア諸氏もきっと満足の

   美味しいチョコ詰め合わせですよ。

 

   急に涼しくなって、

   寒暖差が心身にこたえる時季となりました。

   皆さま、ご自愛しつつ、どうか穏やかな休日を♪

   

   

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~ 語らず、されど黙さず ~ 

2022-10-14 21:13:22 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむゥ! こんかいィもォ、でんせつゥ~!」

「がるる!ぐるるがるるるぐる!」(←訳:虎です!伝説の作家さんだね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 前回記事の“伝説の画家さん”本から、

 さあ、今回は“伝説の作家さん”へ。

 本日の読書タイムは、

 万人が認める“伝説の人“の↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― 彼女の思い出 / 逆さまの森 ――

 

 

 著者はJ・D・サリンジャーさん、

 2022年7月に発行されました。

 日本で独自に編まれたこの作品集には、

 『A GIRL I KNEW / THE INVERTED FOREST』

 と英語題名が付されています。

 

「せかいじゅうゥでェ、にんきィ~なのでス!」

「ぐるるがるぐるる!」(←訳:寡黙な御方でした!)

 

 ジェローム・デヴィッド・サリンジャーさん(1919~2010)。

 

 1940年『若者たち』でデビュー、

 1951年に長編作品『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を刊行し

 世界的ベストセラーとなるも、

 1965年に『ハプワース16、1924年』を発表後は、

 あらゆるオファーを拒み、

 沈黙を守り続けたまま没した“伝説のひと”――

 

 この御本には、

 本国では出版されていない作品を含む

 サリンジャーさんの小説9篇が収録されています。

 

「わほゥ! これはァ、めずらしィ~!」

「がるぐる!」(←訳:ほぼ中編!)

 

 ええ、そうなんですよね、

 サリンジャーさんは御自身で、

 『私は短距離走者で、長距離は得意じゃない』、

 つまり、私は短編以外は書かない作家なんだよ、

 と発言していたのですが、

 表題作品にもなっている2篇のうちの1篇

 『逆さまの森』は、

 中編といえる分量なんです。

 

 あらためて、収録順に御紹介しますと、

 

 『彼女の思い出』

 『ヴァリオニ兄弟』

 『おれの軍曹』

 『ボーイ・ミーツ・ガールが始まらない』

 『すぐに覚えます』

 『ふたりの問題』

 『新兵に関する個人的な覚書』

 『ブルー・メロディ』

 そして

 『逆さまの森』。

 

 1941年から1951年にかけて

 サリンジャーさんが著した上記の9作品には、

 それぞれ度合いは異なりますが、

 或る《影》が差しています。

 

「それはァ……せんそうゥ!」

「ぐるるる……!」(←訳:戦争の影……!)

 

 御本の一番手に収録されている

 『彼女の思い出』は、

 クスクス笑ってしまう描写から幕を開けます。

 

 大学1年生のジョン青年は、

 ううむ、やってしまいました……

 五科目中五科目を落っことして、

 楽しい学生生活はここで終了。

 

 父親には怒られ、母親には嘆かれ、

 明日からうちの会社で働け!と宣告され、

 しまったなぁ~と思ったりしていましたが。

 

 数日後、父親は前言を撤回し、

 新たな命令を下したのです。

 

   ――ヨーロッパに行って

    外国語をひとつふたつ勉強してこい――

 

「……りゅうがくゥ?」

「がるる!」(←訳:留学だ!)

 

 のっぽで痩せっぽっち、

 ヘビースモーカーな

 お金持ちのボンボン青年は、

 1936年、大西洋横断航路で、意気揚々と欧州へ。

 

 ウィーンに到着したら、

 えーと、うん、ドイツ語を習得する、んだっけ。

 

「なんだかァ、たよりないィ~?」

「ぐるるがる~?」(←訳:大丈夫かな~?)

 

 微笑ましくさえある物語の前半部分は、

 後半部分になると……?

 

 ネタバレ回避のため、

 これ以上は記せませんが、

 読み手のこころを深々と動かす

 表題作品に相応しい名作ですよ。

 

「かんまつのォ、かいせつもッ」

「がるぐる!」(←訳:必読です!)

 

 沈黙の作家さんが遺した幾多の物語のうちの、

 ほんの9作品。

 けれど、見過ごしにはできない9作品。

 

 サリンジャーさんのファンの方々、

 海外文学好きな活字マニアさんは、

 どうかぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 走る画家、逃げる画家 ~

2022-10-13 21:33:53 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もうゥすぐゥ~かんせいィ!」

「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!待ち遠しいね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《ジブリパーク》の内覧会が開催され、

 一般公開へのカウントダウンが始まりましたね♪

 メイちゃんたちのお家に、トトロの森、

 映画館、パン屋さん、書店に模型屋さん……

 行ってみたいわ~と野望を抱きつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの“超大作“アート本を、どうぞ~!

  

 

 

      ―― カラヴァッジョ ――

 

 

 著者は石鍋真澄(いしなべ・ますみ)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『ほんとうはどんな画家だったのか』

 と日本語副題が付されています。

 

 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョさん(1571~1610)。

 

 行ってみたい&旅してみたい、と

 思い願うところ多々あれど、

 さて、この御方の場合は、いかがなものでしょうか……

 

   お会いしたい!

   ずっと会ってみたかったんです!

 

 とは、ちょっと言い難いような?

 

「なぜならァ、おりがみィつきのォ~」

「ぐるるるがーるー!」(←訳:トラブルメーカー!)

 

 俵屋宗達さん、狩野永徳さん、

 長谷川等伯さんといった日本の画家さんと

 ほぼ同世代であったカラヴァッジョさんの画業は、

 彼が引き起こした数々のトラブルを抜きにして

 語ることは出来ません。

 

 故郷を出奔したのも、

 ローマから逐電したのも、

 マルタ島に身を潜めたのも、

 すべてカラヴァッジョさん自身の

 “身から出た錆“。

 

 そして、錆を振り払うかのように、

 描いて、描いて、なおも描いて。

 

「ううゥ、むねんッなのでス!」

「がっるぐるるるるがるるっる!」(←訳:もっと長生きして欲しかった!)

 

 おそらく自分でも分かっていたことでしょう。

 俺、このままじゃマズいよなぁ、と。

 

 アンガーマネジメントをして

 喧嘩を控えれば、

 パトロンは喜んでくれる、

 生活は落ち着く、

 もっとたくさん描くことも出来る……

 

「わかッていてもォ~…」

「ぐるがるるるぐるる~…」(←訳:ままならないよねえ~…)

 

 著者・石鍋さんは、

 先ずカラヴァッジョさんの洗礼式の記録を皮切りに、

 両親の血筋、

 徒弟として修行していた時代の記録や、

 ローマでの活動を開始してゆく様子などを、

 現在判明している限りの資料から綿密に、

 かつ丁寧に再現してゆきます。

 

 ことに、ローマでの暮らしを

 《黄金の三年間》

 と評しているのは印象的ですね。

 

「めいさくゥ、ざくざくゥ!」

「がるぐるるる!」(←訳:一躍人気者に!)

 

 仕事の注文が増え、

 収入が増え、

 けれど、警察沙汰も増えてゆく。

 挙句の果てに……殺人者となって、

 放浪の日々へ。

 

 匿ってもらうため、

 官憲から守ってもうらために

 絵筆をとる。

 

 それはカラヴァッジョさんにとって

 不本意極まりなかったのかもしれず、

 大したことではなかったのかもしれず。

 

 ほろほろと、傑作を産み落としながら、

 恩赦の報せを待つ日々……。

 

「まいにちィ、くたくたァ……?」

「ぐるがっるるるぐるる……」(←訳:すり減っていく命の灯……)

 

 闇を背景に、

 浮きあがる人物の顔。

 その比類なき陰影。

 

 カラヴァッジョさんの代表作についての

 新たな解釈を提示し、

 後世の美術界に

 カラヴァッジョさんが与えた影響も推し量り、

 著者・石鍋さんが

 終章で明らかにする

 《ほんとうはどんな画家だったのか》。

 

 巻頭部分には

 カラヴァッジョさんの作品のカラー図版が、

 本文内には

 モノクロではありますが、

 多数の図版資料が収録されています。

 

 カラヴァッジョさんのファンの方々に、

 アート好きな活字マニアさんに

 激おすすめの快作ですよ。

 分厚さ重たさにめげず臆せず、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

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~ 風が吹き、雨が呼び、潮が招くは ~

2022-10-12 21:08:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うううッ! めがァ、かゆいィ~!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ゴロゴロするし!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ヒリヒリ、ゴロゴロ、かゆかゆ……ええ、覚悟はしておりました。

 秋の花粉症ってヤツですね。

 アレルギー対策用の目薬をしっかり点眼したら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は↓こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― 気象で見直す日本史の合戦 ――

 

 

 著者は松嶋憲昭(まつしま・のりあき)さん、

 2018年3月に発行されました。

 

 日本史と、気象――

 このところ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』視聴者として

 歴史ノンフィクション作品を漁っている私ネーさ、

 今回は気象関連の御本に目を向けてみましたよ。

 

「おおあめにィ、とッぷうゥにィ~」

「ぐるがる!」(←訳:霧に台風!)

 

 重要な戦の勝敗が、

 天候という不確定要素によって左右される――

 

 ええ、なんだか心当たりがありますね。

 皇帝ナポレオンを敗走させたロシアの雪……

 スペイン無敵艦隊の出足を挫いた荒天……

 そして、ここ日本では。

 

「あめのォ、おけはざまッ!」

「がるるぐるる!」(←訳:濃霧の関ヶ原!)

 

 この御本では、

 

 第1章『信長は雨を予想していたか?――桶狭間の戦い』

 第2章『秀吉伝説の真相――本能寺の変と中国大返し』

 第3章『霧は勝敗を左右したのか――関ヶ原の戦い』

 第4章『神風は吹かなかった?――文永・弘安の役』

 第5章『稲村ヶ崎の伝説――鎌倉幕府滅亡戦』

 

 と、日本史上に名高い合戦と

 天候の関わりがテーマになっています。

 

 この中で、どうしても

 気になってしまうのが――

 

「かまくらァ、でスかッ?」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:新田義貞さん登場!)

 

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』内で、

 菅田将暉さん演じる義経さんは

 “私が鎌倉を攻めるとしたら“案をブチ上げました。

 

 内陸から攻めると見せかけ、

 海から攻め入って鎌倉市街を押さえる。

 その際、鍵となるのは三浦の勢力。

 彼らを味方につけた方が……勝つ!

 

 時は降って、元弘3年(1333年)。

 北条氏を倒すべく北関東で挙兵したのは、

 新田義貞さん。

 

「どうゥせめまスかッ?」

「がるるぐーる?」(←訳:やはり海ルート?)

 

 既に、三浦の一族は滅び、

 鎌倉近辺の勢力図は

 義経さんの時代とは変わっているものの、

 ええ、そうです、

 新田さんは海ルートを選びました。

 

 ただし、船団を組むのではなく。

 

 黄金造りの太刀を義貞さんが海に投じ、

 竜神さまに祈願すれば、

 おお、潮が引いて、

 高浪打ち寄せる稲村ヶ崎は砂浜に……!

 

「これならァ、あるいてゆけるゥ!」

「ぐるるがる!」(←訳:徒歩で進軍!)

 

 いや、そんなのフツーじゃん?

 浜辺を歩くぐらい

 いつでも誰でも出来るじゃん?

 とは思わないでください。

 

 湘南エリアの海って、

 現在では観光地として広く知られていますが、

 実はけっこう怖いんですよ。

 西湘バイパスなんて

 台風が来ると半壊しちゃいますからね。

 分厚いアスファルトの舗装がごっそり、

 波に持っていかれてしまうんです。

 

 そんな天然の要衝――稲村ヶ崎も、

 潮位が非常に低くなったら……?

 

「ゆくしかァ、ないィ?」

「がるぐる!」(←訳:伝説爆誕!)

 

 海から敵地へ――鎌倉へ。

 ドラマの中で義経さんが夢見た攻略戦が、

 やや形を変えながらも

 現実のものになる。

 そうして、

 ひとつの時代が終わり、新たな時代へ。

 

 その瞬間、

 そこにはどんな風が吹いたのか。

 

 歴史好きな方々に、

 映画&ドラマ好きな方々にも

 おすすめの一冊です。

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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