テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 西と東、その橋と亀裂 ~

2022-10-09 21:21:36 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぴゅぴゅぷいィ~!」

「がるる!ぐるるるるっ!」(←訳:虎です!ぴりりりっ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 夏の鳥たちが河川敷を去り、

 少しずつ秋の鳥たちが増えてきました。

 鳥たちの声を聴き、近々カモメたちも

 東京湾からやって来るのかな?と思ったりしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは

 もうすぐ話題になりそうな↓こちらの新書を、どうぞ~♫

  

 

 

        ―― 承久の乱 ――

 

 

 著者は本郷和人(ほんごう・かずと)さん、

 2019年1月に発行されました。

 『日本史のターニングポイント』

 と副題が付されています。

 

「まもなくゥ~なのでスゥ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:大激突なのだ!)

 

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の、

 おそらくクライマックスとして描かれるであろう

 歴史上の大トピック――

 《承久の乱》。

 

 著者・本郷さんは、この御本で、

 鎌倉幕府という

 “頼朝とその仲間たち”

 の組織が東国・鎌倉に根を下ろして以降の、

 時代の流れを折ってゆきます。

 

 敢えて“京都ではない場所”を選んだ意図と意志、

 頼朝の“後任者“となった北条家、

 父・時政を追報し、

 “影の鎌倉殿“となった北条義時と、

 京の“カリスマ“後鳥羽上皇、

 そして、東西の対立と対決。

 

「うむむッ! どらまのォ、おかげでェ~」

「がるるぐるる!」(←訳:分かりやすい!)

 

 そうね、教科書や書物の中の記述よりも、

 ドラマの映像によって

 時局の経過と主要な人物たちの動きを

 じっくりと目に焼きつける方が、

 やはり理解の度合いが違ってきますね。

 

 いっときは、

 そう悪くもなかった

 ふたつの都のパワーバランス。

 

 二都間に生まれた亀裂は、

 どういった経緯で

 修復不可能な状態になってしまったのか。

 

 その亀裂を広げたのは、

 ”何者“だったのか。

 

「かぎをォにぎるのはァ、やぱりィ?」

「ぐるるるるがる?」(←訳:後鳥羽上皇さま?)

 

 著者・本郷さんが“カリスマ“と呼ぶ、

 後鳥羽上皇さまは、

 超一流の歌人であり、

 音楽家であり、

 鉄人級の怪力の持ち主。

 つまり、文武に長けていて、

 なおかつ、財力もありました。

 

 しかし、

 それでも時代の流れを、

 武家政権の勢いを押しとどめることは、

 出来なかった……。

 

「れきしのォ、へんかんてんッ?」

「がるるぐーるるるがるるる!」(←訳:まさにターニングポイント!)

 

 私ネーさが、そうだったのか!と感心させられたのは、

 三代将軍・実朝さんの官位に関する解説です。

 

 実朝さんが右大臣に就任したことは

 周知の事実ですよね。

 けれどもこれ、貰ってはいけない官位だったのでした……

 

 右大臣になれば、まず大抵の場合、

 次は左大臣、その次は太政大臣、という

 “位人臣を極める“コースに乗ったも同じ。

 

 鎌倉武士たちの目にそれは、

 このお人は朝廷側に囲い込まれたな、

 と映ってしまう……

 もう俺たちの代弁者じゃないんだ、と……

 

 そういえば、

 たしか信長さんも右大臣の位を貰って、

 でもすぐ放り出しちゃったのよね。

 右大臣……怖ろしい官位なんだわ……。

 

「かんいィをォ、いただくときはァ~」

「ぐるる!」(←訳:慎重に!)

 

 実朝さんが消え、

 崩れたバランスが向かった先は。

 

 戦いの中のさまざまな

 “なぜ、ここで?”

 そして

 “戦のあと“

 も、細やかに掬い上げてゆく

 歴史ノンフィクションは、

 『鎌倉殿の13人』ファンの方々に、

 ぜひのおすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 探してみてくださいね~♪

 

 

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