「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむゥ! こんかいィもォ、でんせつゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるるぐる!」(←訳:虎です!伝説の作家さんだね!)
こんにちは、ネーさです。
前回記事の“伝説の画家さん”本から、
さあ、今回は“伝説の作家さん”へ。
本日の読書タイムは、
万人が認める“伝説の人“の↓こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 彼女の思い出 / 逆さまの森 ――
著者はJ・D・サリンジャーさん、
2022年7月に発行されました。
日本で独自に編まれたこの作品集には、
『A GIRL I KNEW / THE INVERTED FOREST』
と英語題名が付されています。
「せかいじゅうゥでェ、にんきィ~なのでス!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:寡黙な御方でした!)
ジェローム・デヴィッド・サリンジャーさん(1919~2010)。
1940年『若者たち』でデビュー、
1951年に長編作品『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を刊行し
世界的ベストセラーとなるも、
1965年に『ハプワース16、1924年』を発表後は、
あらゆるオファーを拒み、
沈黙を守り続けたまま没した“伝説のひと”――
この御本には、
本国では出版されていない作品を含む
サリンジャーさんの小説9篇が収録されています。
「わほゥ! これはァ、めずらしィ~!」
「がるぐる!」(←訳:ほぼ中編!)
ええ、そうなんですよね、
サリンジャーさんは御自身で、
『私は短距離走者で、長距離は得意じゃない』、
つまり、私は短編以外は書かない作家なんだよ、
と発言していたのですが、
表題作品にもなっている2篇のうちの1篇
『逆さまの森』は、
中編といえる分量なんです。
あらためて、収録順に御紹介しますと、
『彼女の思い出』
『ヴァリオニ兄弟』
『おれの軍曹』
『ボーイ・ミーツ・ガールが始まらない』
『すぐに覚えます』
『ふたりの問題』
『新兵に関する個人的な覚書』
『ブルー・メロディ』
そして
『逆さまの森』。
1941年から1951年にかけて
サリンジャーさんが著した上記の9作品には、
それぞれ度合いは異なりますが、
或る《影》が差しています。
「それはァ……せんそうゥ!」
「ぐるるる……!」(←訳:戦争の影……!)
御本の一番手に収録されている
『彼女の思い出』は、
クスクス笑ってしまう描写から幕を開けます。
大学1年生のジョン青年は、
ううむ、やってしまいました……
五科目中五科目を落っことして、
楽しい学生生活はここで終了。
父親には怒られ、母親には嘆かれ、
明日からうちの会社で働け!と宣告され、
しまったなぁ~と思ったりしていましたが。
数日後、父親は前言を撤回し、
新たな命令を下したのです。
――ヨーロッパに行って
外国語をひとつふたつ勉強してこい――
「……りゅうがくゥ?」
「がるる!」(←訳:留学だ!)
のっぽで痩せっぽっち、
ヘビースモーカーな
お金持ちのボンボン青年は、
1936年、大西洋横断航路で、意気揚々と欧州へ。
ウィーンに到着したら、
えーと、うん、ドイツ語を習得する、んだっけ。
「なんだかァ、たよりないィ~?」
「ぐるるがる~?」(←訳:大丈夫かな~?)
微笑ましくさえある物語の前半部分は、
後半部分になると……?
ネタバレ回避のため、
これ以上は記せませんが、
読み手のこころを深々と動かす
表題作品に相応しい名作ですよ。
「かんまつのォ、かいせつもッ」
「がるぐる!」(←訳:必読です!)
沈黙の作家さんが遺した幾多の物語のうちの、
ほんの9作品。
けれど、見過ごしにはできない9作品。
サリンジャーさんのファンの方々、
海外文学好きな活字マニアさんは、
どうかぜひ、一読してみてくださいね~♪