「こんにちわッ、テディちゃでス!
もうゥすぐゥ~かんせいィ!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!待ち遠しいね!)
こんにちは、ネーさです。
《ジブリパーク》の内覧会が開催され、
一般公開へのカウントダウンが始まりましたね♪
メイちゃんたちのお家に、トトロの森、
映画館、パン屋さん、書店に模型屋さん……
行ってみたいわ~と野望を抱きつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの“超大作“アート本を、どうぞ~!
―― カラヴァッジョ ――
著者は石鍋真澄(いしなべ・ますみ)さん、
2022年8月に発行されました。
『ほんとうはどんな画家だったのか』
と日本語副題が付されています。
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョさん(1571~1610)。
行ってみたい&旅してみたい、と
思い願うところ多々あれど、
さて、この御方の場合は、いかがなものでしょうか……
お会いしたい!
ずっと会ってみたかったんです!
とは、ちょっと言い難いような?
「なぜならァ、おりがみィつきのォ~」
「ぐるるるがーるー!」(←訳:トラブルメーカー!)
俵屋宗達さん、狩野永徳さん、
長谷川等伯さんといった日本の画家さんと
ほぼ同世代であったカラヴァッジョさんの画業は、
彼が引き起こした数々のトラブルを抜きにして
語ることは出来ません。
故郷を出奔したのも、
ローマから逐電したのも、
マルタ島に身を潜めたのも、
すべてカラヴァッジョさん自身の
“身から出た錆“。
そして、錆を振り払うかのように、
描いて、描いて、なおも描いて。
「ううゥ、むねんッなのでス!」
「がっるぐるるるるがるるっる!」(←訳:もっと長生きして欲しかった!)
おそらく自分でも分かっていたことでしょう。
俺、このままじゃマズいよなぁ、と。
アンガーマネジメントをして
喧嘩を控えれば、
パトロンは喜んでくれる、
生活は落ち着く、
もっとたくさん描くことも出来る……
「わかッていてもォ~…」
「ぐるがるるるぐるる~…」(←訳:ままならないよねえ~…)
著者・石鍋さんは、
先ずカラヴァッジョさんの洗礼式の記録を皮切りに、
両親の血筋、
徒弟として修行していた時代の記録や、
ローマでの活動を開始してゆく様子などを、
現在判明している限りの資料から綿密に、
かつ丁寧に再現してゆきます。
ことに、ローマでの暮らしを
《黄金の三年間》
と評しているのは印象的ですね。
「めいさくゥ、ざくざくゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:一躍人気者に!)
仕事の注文が増え、
収入が増え、
けれど、警察沙汰も増えてゆく。
挙句の果てに……殺人者となって、
放浪の日々へ。
匿ってもらうため、
官憲から守ってもうらために
絵筆をとる。
それはカラヴァッジョさんにとって
不本意極まりなかったのかもしれず、
大したことではなかったのかもしれず。
ほろほろと、傑作を産み落としながら、
恩赦の報せを待つ日々……。
「まいにちィ、くたくたァ……?」
「ぐるがっるるるぐるる……」(←訳:すり減っていく命の灯……)
闇を背景に、
浮きあがる人物の顔。
その比類なき陰影。
カラヴァッジョさんの代表作についての
新たな解釈を提示し、
後世の美術界に
カラヴァッジョさんが与えた影響も推し量り、
著者・石鍋さんが
終章で明らかにする
《ほんとうはどんな画家だったのか》。
巻頭部分には
カラヴァッジョさんの作品のカラー図版が、
本文内には
モノクロではありますが、
多数の図版資料が収録されています。
カラヴァッジョさんのファンの方々に、
アート好きな活字マニアさんに
激おすすめの快作ですよ。
分厚さ重たさにめげず臆せず、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫